人事評価での解雇と闘う 新潟市職の斎藤実さん国鉄署名の拡大と結び

週刊『前進』06頁(2633号02面02)(2014/05/26)


人事評価での解雇と闘う
 新潟市職の斎藤実さん国鉄署名の拡大と結び


 改悪地方公務員法成立後、人事評価制度導入を本格化させる当局との激しい攻防となっています。分断と団結破壊、民営化・解雇、賃下げのための人事評価に絶対反対を貫き、国鉄闘争と結んで人事評価による解雇攻撃と闘う新潟市職・斎藤実さんからの投稿を掲載します。(編集局)

市職労本部の容認姿勢に抗し

 安倍政権の改悪地公法が4月25日に成立し、当局の恣意的な人事評価によって首切りや賃下げ自由の攻撃がかけられようとしています。
 2007年、第1次安倍政権は、国家公務員法とともに地公法を改悪して人事評価制度を法制化しようとしました。新潟市当局もそれに呼応して人事評価制度の導入を組合に提案してきました。それ以来、私は一貫して新人事評価制度導入に絶対反対の立場で闘ってきました。
 09年2月の新潟市職労委員長選挙では、新人事評価制度「容認」の現職の書記長に対し、「絶対反対」を訴え1420票の支持を獲得しました。対立候補は1795票。一騎打ちで市職労を二分する闘いとなりました。
 新潟市職労では、本部の容認姿勢に抗して、現場組合員による根強い反対で、新人事評価制度の導入を阻んできました。そこで、市当局は何とか本格導入への道筋をつけようと反対運動のリーダーであった私に狙いを定めたのです。私の再任用更新時に任期更新を突き付けて屈服転向を迫ってきました。しかし私が自己申告シートの提出を拒否したことで、当局は不当解雇をせざるをえないところに追い込まれました。こうして私の解雇撤回闘争は、人事評価による解雇攻撃に対する先駆的な闘いとなりました。

絶対反対貫いてこそ団結守れる

 労働者を人事評価で分断し解雇までする攻撃には絶対反対で闘うことが一番有効です。逆にあれこれ理屈をつけて人事評価を容認することは団結の破壊につながります。
 奈良市の現業労組は今春、当局による民間委託のための職種変更の希望調査の強行に対し、組合として「希望調査票を回収して当局に抗議の意思を示す」方針を決断しました。その結果、100人以上の清掃労働者が回収行動に決起し、組織が違う学校給食の労働者にまで波及する闘いを繰り広げました。たとえ少数の闘いであっても、人事評価の強行には絶対に反対し、労働組合として団結を守り非協力を貫くことが最も有効であることを教えています。新潟市では人事評価の試行開始から6年が経過しても評価結果の給与などへの反映を阻止しています。
 自治労本部方針のような容認姿勢では闘えません。絶対反対の闘いを巻き起こそう。闘いに制動をかける体制内指導部との激突を恐れず、絶対反対の闘いで団結しよう。その力で組合を現場労働者の手に取り戻そう。

解雇撤回裁判で市当局追い込む

 不当解雇から3年2カ月、新潟地裁への提訴から2年2カ月。去る5月15日に新潟市再任用解雇撤回裁判の第11回口頭弁論が開かれました。新潟地裁第2民事部・大竹優子裁判長は、3人の証人尋問を終えるや結審を強行。7月17日の判決日を言い渡して法廷を立ち去りました。私と傍聴者は「審理は終わっていない」と一斉に声を上げ、徹底弾劾しました。
 この日の証人尋問は、原告の私と上司の鈴木課長補佐(当時)、和田人事課長(当時)の3人のみであり、首切りの決定をした市長ら市幹部の証人申請を却下したのです。証人尋問では、新人事評価制度がまだ試行段階であり、個人目標シート提出の強迫が私を転向させようとしたものであった事実を一層明らかにしました。弁論で市当局と裁判所をグイグイ追い詰め、裁判長をして結審に追い込んだと実感しています。

動労千葉の闘いが勝利の道示す

 3月7日の新潟市職労定期大会では、代議員の8割にあたる80人が国鉄10万筆署名に応じました。私自身の解雇撤回と動労千葉の解雇撤回が完全に結合しています。新潟市職労は、1047名解雇撤回闘争は10年の「4・9和解」で終息したとしてきました。しかしこの間の10万筆署名の広がり(市職労8支部中2支部が取り組む)は、予想を超えて進んでいます。公務職場の民営化・外注化と非正規職化、そして公務員解雇がリアルになっています。その中で動労千葉の民営化・外注化阻止、解雇撤回の闘いが勝利の展望を示し、署名の広がりとなっているのです。
 3月10日、JR新津車両製作所分社化反対デモに、自治労や高教組などの公務員労働者がJR労働者とともに立ち上がりました。動労千葉のように絶対反対で闘えば勝てるという機運が生まれています。賃金制度の「総合的見直し」と人事評価解雇に絶対反対の闘いを巻き起こそう。10万筆署名と動労千葉物販を拡大し、自治体職場に闘う拠点を建設しよう。
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