被曝・帰還強制許さない 動労水戸いわき行動での発言

週刊『前進』06頁(2632号02面01)(2014/05/19)


被曝・帰還強制許さない
 動労水戸いわき行動での発言

(写真 動労水戸は被曝を強いるいわき運輸区に怒りの抗議をたたきつけ、運輸区の労働者にともに闘おうと呼びかけた。発言者は辻川副委員長【5月10日】)

 常磐線の竜田延伸阻止へ闘い抜かれた動労水戸のストライキといわき行動は、住民の期待を背に延伸を現実に阻止する展望をこじ開けた。この闘争での、いわき運輸区抗議行動といわき駅前集会の主な発言の要旨を紹介します。(編集局)

試運転と訓練に絶対に反対 動労水戸 石井真一委員長

 JR水戸支社は本日、地域住民や労働者の反対を押し切って試運転を開始しました。絶対に許しません。明日から乗務員訓練が始まり、6月1日から広野―竜田の運転を再開する予定です。乗務員の不安、あるいは健康の被害について、JR水戸支社はまったく対策をとっていません。
 福島原発事故はまったく収まっていない。汚染水は垂れ流されている。燃料棒の移動もいまだ行われている状況で、いつなんどき再臨界や原発事故が再発するかもわからない。そして、JRは緊急事態が起こった時のマニュアルもなく訓練もしていない。そんな中で、運転士も車掌も安心して電車を走らせることなどできない。労働組合として絶対に許すことはできません。
 電車を走らせて、電車が走っているから帰れというのは本末転倒です。お店もない、役場もない、病院もない、なのに電車を走らせる。このような政府と東電が一体となった帰還運動に、われわれは絶対に反対です。

鉄道労働者の誇りかけ闘う 動労水戸 辻川慎一副委員長

 福島や全国、楢葉町への帰還に不安を抱いている仮設の住民の皆さんの期待を背に受けて、動労水戸はストライキ闘争を貫徹しています。
 楢葉町はおよそ人が近づいてはならない、住んではならない状態だ。JRは広野―竜田間のバラストを換えて、それで線量が下がったと言う。では、土手や周辺はどうなのか。除染で野積みになった黒い袋の放射性物質は雨が降れば汚染水が漏れ出す。そんなところに子どもたちを返すんですか? そんな町に無理やり帰町させるんですか?JRの特に若い乗務員を行かせるんですか?
 みなさん、わたしたちは広野延伸にも反対してきました。それ以上に汚染されている楢葉町にどれだけの人が帰り、どれだけの被曝が強制させられるのか。JRはまったく答えられない。ただただ安心させるために積算線量計は持たせる。しかしその線量の管理も今までしてきませんでした。
 空間線量だけが問題なのではないんです。ホコリやチリになり、口や鼻から呼吸して、あるいは食物から体内に入ってくる、この内部被曝が最も恐ろしいんです。
 鉄道というのは乗客を危険な目に遭わせてはいけない。徹底的に危険を回避しないといけない。なのに被曝という本当の危険を回避しないのはJRの管理者として、責任者として許されないことだ。政府が言うからと、帰町宣言も出されていないのにJRが竜田延伸を強行する。鉄道労働者の風上にもおけない。鉄道員の誇り・責任において延伸に反対すべきだ。
 私たちが心に思い、強く考えていることを労働組合を通じてとことん貫いた時に、この世の中は根本から変わります。見ていてください。福島の人たち、避難している人たち、すべての人たちの怒りとともに動労水戸はとことん闘います。

JRの施策は崩壊している 動労水戸 照沼靖功さん

 私が声をからしてでも訴えたいことは、ただ一つだけです。国鉄分割・民営化以降、JRのやることはすべてが崩壊している。JR北海道の脱線事故、川崎駅構内の事故も、すべては外注化が原因だ。今回の竜田延伸、まだ帰町宣言も出されていない。まだ誰一人帰っていないのに、出されることを想定して試運転、乗務員訓練をやる。そんなこと絶対におかしいじゃないですか!
 会社は「効率」「合理化」だと言いますが、会社のやることは一番合理化じゃない。
 広野への延伸に私たちは絶対阻止で闘いましたが、延伸されてしまった。しかしその時よりも私たちは力をつけています。同じようには絶対にさせません。絶対に竜田延伸を阻止します。
 社員・乗客の安全を守れない会社に対しては、われわれは徹底的に闘います。みなさんも一緒に声を上げましょう。一人ひとりが声を上げれば全員の声になる。そうすれば私たちはもっともっと闘えます。みなさん、ともに闘いましょう!

無理やり住民を帰すのか! 動労水戸家族 辻川あつ子さん

 今回のストライキのビラを、楢葉の人たちは本当に喜んでくれました。「労働組合が闘ってくれてありがとう。私たちは帰りたくありません」というのがほとんどの住民の声です。この常磐線の延伸は、帰りたくない住民を無理やり帰すことになります。
 みなさん、日本の政府がやってきたことをよく考えてみてください。広島や長崎に原爆が落ちて68年たった今でも、被爆者の方が原爆手帳を申請する裁判が続いてます。いま楢葉の人が無理やり帰されて10年後か20年後にがんを発症しても、JRや東電は「関係ない」と言うに決まっています。74人の子どもたちの甲状腺がんも、原発事故と「関係ない」と言い切っている。みなさんが運転して、あるいは車両を整備して、がんを発症した時に、やつらは絶対に責任なんかとりません。
 みなさん、楢葉の人は労働組合に期待しています。「一緒にがんばりたい」「抗議行動にはどこに行けばいいんですか?」という電話が何件もありました。声を上げるのは今です。動労水戸は分割・民営化から27年、闘って勝っています。一緒に闘い、皆さんの親戚や身内や、子どもを守っていきましょう。

反合・運転保安闘争の真髄を 動労千葉 長田敏之書記長

 なんで竜田まで延伸するんですか? 乗客がいるんですか? JRのしてることはでたらめだ。
 動労千葉は、5月2日にストライキに立ち上がりました。仕業検査というのは、列車を安全に走らせる最後の砦(とりで)の業務です。すべての業務に精通した労働者しか昔は配置しなかった。なのに外注先の新入社員を半年間JRに逆出向させて、たった3カ月の訓練で一本立ちにして仕業検査を行わせようとした。これに私たちは黙っていられなかった。
 何が一番問題かといえば、安全の崩壊です。こういうことをやって、結局は技術継承もできないまま、低賃金の労働者で業務を回す。これは絶対に許しちゃいけない。私たちの反合・運転保安闘争路線の真髄を見せる時です。動労千葉がここで半日のストライキをやったのは、この問題を徹底的に明らかにして、職場の労働者に訴えたかったからです。労働者がまともな教育もなく業務について、ひとたび事故が起こったら犠牲になるのは現場の労働者ですよ。
 今回CTSやMTSでプロパーになった労働者は正規雇用です。でも低賃金の労働者に引き落とされていく。「名ばかり正社員」ですよ。こんなことを許したら、どれだけ使い捨てられる非正規職労働者が蔓延(まんえん)していくか。
 動労水戸と連帯して、われわれもこの外注化粉砕、反合・運転保安闘争の理念のもとで総決起していきます。

運転の再開は容認できない 国労郡山工場支部 橋本光一さん

 昨日、「会社は放射線対策を行え 常磐線竜田延伸に異議あり」という支部執行委員会見解を出しました。JR会社が原発に近づく形で鉄道を再開し、労働者・利用者を被曝の危険にさらすことは認められません。この運転再開は原発事故避難者に帰還を強制するものになりかねません。これら会社の策は、原発の安全宣伝や原発再稼働にさおさすものであり、鉄道に従事するものとして、また福島県民として容認できません。常磐線竜田延伸には反対です。
 JR資本というのは竜田延伸でも明らかなように、人を人としても思わない分割・民営化によって成立した資本です。労働組合をへとも思っていない連中です。口先だけの議論でどうにかできる連中ではありません。動労水戸のようにストライキ・実力をもってわれわれの正しさを会社側・資本に強制していくしかありません。動労水戸の闘いに断固連帯していきます。

全国のJR労働者組織する 動労西日本 山田和広書記長

 竜田延伸は安倍政権がやっている労働者の使い捨て、JR東海の葛西がやっている攻撃そのものです。全国のJRとJR関連職場で働く労働者を組織して、動労水戸、動労西日本、動労千葉、動労総連合をあげてJR労働者が闘う団結をつくっていきたいと思います。

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