改悪地公法と徹底対決を 人事評価で解雇・賃下げ「自由」 民営化・団結破壊に反撃しよう

週刊『前進』06頁(2631号03面04)(2014/05/12)


改悪地公法と徹底対決を
 人事評価で解雇・賃下げ「自由」
 民営化・団結破壊に反撃しよう


 4月25日、地方公務員法改悪案が参院で可決・成立した。さしたる反対もないまま、人事評価で公務員の解雇も賃下げも配転も自由とする極悪の法案が成立したのだ。
 改悪地公法は、これまでなかった人事評価制度を「根本基準」に「任用(採用、昇任、降任、転任)、給与、分限その他の人事管理の基礎」とするとした。人事評価で職員を降任や免職ができるとし、自治体首長などに「人事評価の結果に応じた措置」を義務付けた。人事評価で賃下げも首切りも行えということだ。
 「これまでの地公法にも勤務実績を理由とする分限解雇規定はあった」などと、攻撃を過小評価することは完全に間違いだ。改悪地公法は、現場の抵抗で曲がりなりにも制限されてきた人事評価を絶対化させ、条例を作って実行することを自治体に義務付けた。戦後地方自治と自治体労働組合の破壊、改憲攻撃そのものである。絶対反対の闘いを全国の自治体職場で猛然と巻き起こす時だ。

首切り・退職強要に闘いの火の手

 地公法改悪で、解雇や賃下げ、配転・出向との激突が全面化する。
 すでに民間大企業で、人事評価を口実に、降格や賃下げ、年功制解体と配転・出向が急速に進行している。パナソニックやソニー、リコーなど、「追い出し部屋」への出向(追い出し出向)が退職強要の基本的手口として広がっている。不慣れな業務に放り込み過大なノルマを強要して怒鳴りつける。隔離部屋で終日転職先探しを仕事として強要する。国鉄分割・民営化時の人材活用センター以来の、労働者を分断し誇りをずたずたにして退職を迫る許しがたい攻撃だ。我慢は限界を超え、労働者の怒りが至るところで噴き出した。
 日本郵政やIBM子会社、学校現場では、業績評価で「ダメ職員」のレッテルを張って分断し、パワハラで多くの労働者を退職に追い込んできた。青年労働者が怒りを爆発させて決起するや、資本や当局は追いつめられてむき出しの不当労働行為の解雇攻撃に走り、これと激突する労働組合の闘いが産別全体を揺るがして広がっている。
 自治体職場で闘いが爆発する情勢が来た。改悪地公法に先行し職員基本条例を振りかざして、分限解雇と労組破壊を狙った橋下徹大阪市長打倒の闘いに続く闘いが、全国で始まっている。
 新潟市職・斎藤実さんの再任用解雇撤回闘争は人事評価による不当解雇を許さない先駆的な闘いだ。3月7日の市職労大会では、新人事制度への怒りが次々と表明されて1時間以上の討議となり人事評価の面談強要を許さない本部答弁が引き出された。参加者の8割が国鉄解雇撤回署名に応じ、国鉄闘争と一体となって市職労働者全体の心をつかみ発展している。
 自治体の現業職場では、民間委託と一体となった任用替えで、慣れない業務に就かせて退職に追い込む攻撃が全面化し、絶対反対の闘いが昨年4・26ストや今春3・14統一行動を引き継いで東京や奈良、泉佐野を始め全国で進められている。改悪地公法成立で闘いはいよいよ本格化する。
 地公法改悪は、「給与制度の総合的見直し」、全面民営化・外注化と一体の階級戦争だ。
 東京都当局は年功制の解体、人事評価賃金体系への転換と低賃金化、生活破壊、分断と団結破壊の大攻撃をかけてきた。

民間の定昇廃止もち出す都当局

 「給与制度の総合的見直し」をめぐって、東京都当局は4月23日の都労連との交渉で、「(民間は)年功的な昇給から勤務成績に基づく査定昇給へと見直しを進めており定期昇給を廃止して」などと言いなし、生活給的、年功給的要素について見直しを行うと断言した。生活給を見直すとは労働者の生活などどうでもいいということだ。
 にもかかわらず都労連本部は、能力・業績主義給与体系の強化に反対としつつ、「一昨年の確定交渉では55歳を超える職員の昇給抑制措置、昨年の交渉では分限降給制度の導入について」認めてきたのに「制度の定着を待つことなく毎年のように昇給制度を見直すことは容認できません」とした。譲歩を重ねてきたのだからもうやめてくれという懇願で攻撃に立ち向かうことはできない。
 求められているのは、労働者の怒りを解き放つ絶対反対のストライキ、実力闘争だ。年功制解体と団結破壊、貧困と長時間労働・過労死、安全崩壊が社会全体を覆っている現実を根底からひっくり返そう。団結の力を信じ、労働組合本来の姿をよみがえらせて、自治体労働者は先頭で闘おう。

闘う団結再生し全職場で闘いを

 改悪地公法は、人事評価制度推進の立場に立つ民主党や公務労協、自治労本部の協力によって成立した。自治労の江崎孝参議院議員は国会質問で「自主的・主体的に自らの自治体にふさわしい人事評価を作成する」「職員団体に対しても適切な運用のため協力が求められる」と言い放った。安倍の攻撃に、全面協力を表明しているのだ。
 今こそ、現場労働者の怒りを爆発させよう。国鉄最高裁決戦、10万筆署名に総決起し、JR体制打倒と一体で職場から絶対反対の闘いを巻き起こそう。闘う労組拠点・青年部建設を進めよう。
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