解雇5ヵ年ジェコー本社包囲デモ 派遣法撤廃・職場復帰へ決意

週刊『前進』06頁(2631号03面02)(2014/05/12)


解雇5ヵ年ジェコー本社包囲デモ
 派遣法撤廃・職場復帰へ決意

(写真 赤旗を林立させ、ジェコー本社工場をデモで一周した【4月25日 行田市】)

 4月25日、「期間従業員全員解雇から5年」を弾劾するジェコー本社工場包囲デモが、JAM神奈川ジェコー労働組合の主催で闘われた。(ジェコーは埼玉県行田市のトヨタ系自動車部品メーカー)
 夕方には通用門前でジェコー労組の組合員や支援者40人が抗議のシュプレヒコールを上げ、赤旗を林立させてデモで工場を一周。退勤する日勤、出勤する夜勤の労働者へのビラ配布と並行して、門前集会をかちとった。
 まず、ジェコー労組の武田信義委員長が、「08年のリーマンショック後、ジェコーでも暮れまでに約100人、09年4月25日に六十数人の期間従業員が雇い止めにあった」と弾劾。さらに「組合への支配介入による08年10月の高橋美和行田分会長(当時)への解雇は、東京高裁で労働契約法違反と認定された。解雇は無効だ。最高裁で負けたが、不当解雇を糾弾し復職を求めていく」と決意を語った。
 同じ金属産別から全金本山労組の長谷武志副委員長と日本機械工業労組の山口弘宣書記長、さらに動労連帯高崎の漆原芳郎副委員長、ス労自主、そして合同・一般労組全国協議会から郵政非正規ユニオン、さいたまユニオンなどが次々と発言した。長谷さんは「裁判で負けても門前闘争を闘い職場に復帰した」と勝利の経験を語り、「職場生産点、門前こそ解雇撤回闘争の主戦場だ」と訴えた。また派遣労働者としてパナソニック関連会社の偽装請負を告発した松下PDP(プラズマディスプレイ)不当解雇当該の吉岡力さんも大阪から駆けつけ、「派遣をなくすべきだ。正社員と同じ仕事をしながら派遣が差別されるのはおかしい」と激しく弾劾した。
 解雇当該の行田分会の高橋美和前分会長と奥山信子現分会長が怒りをたたきつけ、解雇撤回まで闘う決意を述べた。
 翌26日にはジェコー労組とさいたまユニオンの主催で、「もう生きていけない!労働者派遣法改悪反対!労働者総決起集会」が東大宮コミュニティセンターで開催された。労働者派遣法の改悪案が国会で審議中という緊迫する中で40人が集まり闘いとられた。
 さいたまユニオンの田畑典保委員長が基調報告に立ち、「JR体制が崩壊を深め、セウォル号事故に見られるように非正規職化・外注化は安全を崩壊させている」と新自由主義を批判。「不当労働行為を認定させた9・25高裁判決まで到達した国鉄闘争を基軸に、鈴コン分会の勝利に続いて闘うことがジェコー闘争の勝利の道だ。国鉄闘争に勝利し、闘う労働組合を復活させることが派遣法を廃止に追い込む力だ」と提起した。合同・一般労組全国協の小泉義秀事務局長が安倍政権による労働法制の規制緩和、派遣法改悪の中身について講演。戦後的権利を一掃し、労働者の総非正規職化を狙う攻撃に怒りが沸騰した。昨日に続いて参加した吉岡さんは自らの派遣法との闘いを報告し、「闘っている現場の話で勇気をもらった。これからも参加したい。派遣法は廃止すべきだ」と訴えた。
 東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の吉本伸幸書記長が組合三役の解雇撤回をかちとった4・16判決を踏まえて特別報告を行った。「3カ月雇用の非正規労働者でも団結し組合をつくって闘えば勝てる」と力を込めた。
 ジェコー労組の組合員が勢ぞろいし、解雇撤回まで闘い抜く決意を述べた。解雇撤回裁判は高橋さんの一次訴訟が最高裁まで闘って敗訴、奥山さんの二次訴訟は6月4日に高裁判決が出る。25〜26日の闘いで、あくまでもジェコー資本の解雇責任を追及し、職場生産点と門前で闘い、組織を拡大することが宣言された。
(埼玉・小川徹)
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