鈴コン解雇撤回裁判 「解雇無効」判決 さらに国鉄最高裁決戦勝利へ

週刊『前進』06頁(2629号01面02)(2014/04/21)


鈴コン解雇撤回裁判
 「解雇無効」判決
 さらに国鉄最高裁決戦勝利へ

(写真 勝利集会の最後に、「ただちに職場復帰をかちとり、労働委員会闘争に勝利しよう!」と、当該、支援が団結ガンバロー)


 4月16日、東京地方裁判所民事第36部(古庄研裁判官)で画期的勝利をかちとった。東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会三役の解雇は無効(地位確認)という鮮やかな勝利判決だ。
 3カ月雇用の非正規の生コン運転手の労働組合が、総非正規職化攻撃のさなか、国と資本の民営化・外注化・非正規職化を追認してきた反動の牙城である東京地裁で、「労働組合に団結して闘えば勝てる」ことを強烈に示した重大な勝利だ。「解雇がひど過ぎたから勝てた」のではなく、徹底して労働組合運動として闘ったから勝てたのだ。
 この日、当該の鈴コン分会は朝から動労総連合のJR強制出向無効確認訴訟で始まる一日行動に立ち上がった。双方の共闘を含めて150人を上回る仲間が続々と集まってくる。
 午後1時10分、いよいよ開廷だ。100人以上が詰めかけ傍聴席に入りきれない。被告の鈴木資本は代理人も含めて逃亡して1人も現れない。裁判長が静かに判決主文を読み上げ始める。主文の冒頭は「原告(組合員)らが、被告(会社)に対し、雇用契約上の権利を有する地位にあることを確認する」である。「勝った!」。傍聴席から声が上がる。しかも未払い賃金および判決確定までの賃金支払いについては仮執行宣言も付いた。資本が控訴、上告してもその間、賃金を払えということだ。法廷から当該分会、傍聴者が高揚した顔で廊下に出て来て「勝利判決だ!」と叫ぶ。ものすごい拍手と歓声。至るところで握手が広がる。ただちに地裁前に移って報告集会となった。

職場・地域・全国で訴え団結を拡大し勝利

 合同・一般労組全国協の司会のもと、鈴コン闘争支援・連帯共闘会議呼びかけ人代表の花輪不二男さんが満面の笑みを浮かべ、お礼とともに「鈴コンの闘いは、労働者を人間扱いしない資本家への怒りの爆発だ。さらに闘おう」と檄(げき)を飛ばした。動労千葉の田中康宏委員長、動労水戸の石井真一委員長が続き、「おめでとう、そしてありがとう。この画期的勝利を全国全職場に押し広げよう」。当該分会も高揚して口々に「支援連帯の力が勝利をつくった。闘いは解雇撤回・職場復帰、そして非正規職撤廃まで続く。勝ち抜こう」と新たな決意を語った。藤田正人弁護士、鈴木達夫弁護士も勝利の大きさを訴えた。
 当該・弁護団・共闘会議は総括会議で勝利の意義を鮮明にさせた。まず労組法における民事免責を否定できないことだ。「労使の激しい対立のもとで労働組合が多少誇張した表現をしても、名誉毀損(きそん)で解雇などできない」のだ。また非正規職だが、実態は期限の定めのない雇用と認定している。会議では、鈴コン職場では「判決の結果を一刻も早く知らせてくれ」の声があふれていると紹介された。
 2009年の分会結成、第1次解雇攻防、解雇当該の田口守組合員の死をのりこえたストライキと、その大反動の分会三役解雇(11年11〜12月)。以来2年半、仮処分裁判に3回勝ちぬき、毎週職場に顔を出し、地域・全国の労組・労働者に訴え、団結を拡大し続けた。
 その結果としての4・16判決は、9・25国鉄高裁判決に加えて、安倍と資本家階級に大打撃を与えている。直接にも国鉄最高裁決戦を一層高揚させる。日々新自由主義の攻撃と体制内労組幹部からふりまかれる「闘っても勝てない」という思想にうち勝つには、職場にこだわり職場で闘うこと、労働組合の力に確信を持つことだ。職場から歯を食いしばって闘う青年労働者をはじめ全国の労働者は、動労千葉や鈴コン分会に必ず続く。この勝利をとことん使ってさらに労働運動を塗り替えよう。(東京西部ユニオン・YS)

このエントリーをはてなブックマークに追加