焦点 日米争闘戦と4・24 オバマ訪日 対中国を軸に戦争体制狙う

週刊『前進』08頁(2627号07面04)(2014/04/07)


焦点
 日米争闘戦と4・24 オバマ訪日
 対中国を軸に戦争体制狙う


 米大統領オバマが4月24〜25日に日本を訪れ、その後、韓国、マレーシア、フィリピンを訪問する。24日に日米首脳会談が行われる。そこでオバマと安倍は日米同盟関係の強化を確認し、沖縄米軍の辺野古新基地建設や日米防衛協力ガイドラインの改定作業の加速、TPP(環太平洋経済連携協定)などについて話し合うとしている。

帝国主義強盗の首脳会談

 オバマの訪日とアジア歴訪は大恐慌のもとで没落する米帝の延命をかけた争闘戦政策の展開であり、帝国主義間・大国間の今日の大争闘戦を決定的に激化させる。日米首脳会談は沖縄基地問題やTPP交渉に見られるように、日米帝国主義の強盗どもが相互の対立を激化させつつ対中国を軸に戦争体制づくりを狙い、一切の犠牲と矛盾を労働者階級・人民に押し付けて延命しようとする反労働者的な代物である。徹底的に弾劾する。
 とりわけ重大なことは、本質的に反米右翼の安倍政権が「戦後レジームからの脱却」を呼号し、戦後日米関係を日帝の側から反動的に突破する動きを強めていることである。
 この間、安倍政権は中国・韓国への排外主義、戦争のための国家安全保障会議や特定秘密保護法、武器輸出の解禁、集団的自衛権の行使容認=憲法9条破棄、NHK会長・経営委員への極右の人物の登用、さらに教育改革など、日帝の危急存亡の危機に規定され超反動的な戦争と改憲の攻撃を強めている。
 第2次世界大戦の敗戦国である日帝が戦後体制を右側から破壊しようとする動きは、同じく敗戦国であるドイツ帝国主義がこんにち大国主義的に突出し始めていることと合わせて、世界危機の最大の加速要因となっている。米帝は危機感を強め、日米争闘戦は従来の一線を超えつつある。TPPをめぐっては関税交渉で日米の利害が激突し、妥結のめども立っていない。
 それゆえ今回のオバマ来日は、国賓待遇の「友好」ムードの演出とは裏腹に、双方の思惑をも超えて日米同盟を一層の危機にたたき込み、アジアの勢力圏化をめぐる米日中の三つどもえの争闘戦を激化させるものとならずにはおかない。

朝鮮半島危機を加速する

 またオバマの訪日・訪韓は、朝鮮半島における戦争の危機を一層加速するものである。
 米韓は2月下旬から朝鮮半島有事を想定した合同軍事演習を陸海空で展開している(4月中旬まで)。北朝鮮スターリン主義は3月26日、中距離ミサイル「ノドン」の発射演習を5年ぶりに行い、さらに韓国との境界線近くで砲撃演習を展開、これに対抗して韓国軍が北朝鮮を砲撃するなど、朝鮮半島の戦争の危機は一層緊迫している。
 韓国大統領パククネは3月26日、メルケル独首相との会談後の会見で、「ベルリンの壁が崩れたように、われわれの休戦ラインも必ず崩れる日が来る」と東西ドイツの統合になぞらえて、韓国主導で北朝鮮スターリン主義を解体・吸収する趣旨の発言を行った。ウクライナ情勢と並んで朝鮮半島情勢は重大な戦争の危機を深めている。
 背景にあるのは、大恐慌と世界的な争闘戦の激化である。ウクライナをめぐってEU・アメリカ・ロシアを軸とした勢力圏争いが激化している。ロシアは、アメリカ帝国主義の世界支配力の低下、歴史的没落を見透かしてクリミア半島に軍事侵攻し併合した。各国帝国主義は例外なくどこも深刻な国内階級矛盾、階級対立を抱え、対外戦争が直ちに国内の革命的危機に転化する情勢に恐怖して、すぐにはロシアに対する軍事的対抗措置が取れないでいる。

階級的労働運動と国際連帯

 最末期帝国主義の絶望的延命形態としての新自由主義は、全世界的に崩壊を開始した。プロレタリア世界革命の条件は圧倒的に成熟しつつある。
 まさに大恐慌は大失業と戦争、そして革命をもたらす。戦争は反動的な政治の継続、延長であり、労働者の使い捨て、外注化・非正規職化で労働者を貧困にたたき込む政治と一体である。安倍政権は労働者階級の怒りと闘いを最も恐れている。階級的労働運動と国際連帯こそ、安倍を打倒し、戦争と改憲を阻む最大の力である。国鉄闘争を軸に、党と労働組合の一体的建設の闘いを断固進めよう。
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