農地裁判控訴審 農地は私にとって命 市東さんが感動の陳述

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週刊『前進』06頁(2626号01面02)(2014/03/31)


農地裁判控訴審
 農地は私にとって命
 市東さんが感動の陳述

(写真 日比谷公園から検察庁―警視庁―裁判所前―反原発テントへと、反対同盟を先頭に200人を超すデモ行進が霞が関を席巻した【3月26日 東京】)


 3月26日、いよいよ東京高裁第19民事部(貝阿彌誠裁判長)での控訴審第1回口頭弁論の当日を迎えた。
 午前中から裁判所前に反対同盟を始め全学連や休暇を取って駆けつけた労働者が陣取り、おびただしい数の公安警察と対峙しながら、リレートークを行った。
 正午前、日比谷公園霞門から反対同盟を先頭に「農地を守ろう」と訴えて200人を超すデモ行進が出発。経産省前の反原発テントとエールを交換しつつ、検察庁、警視庁、裁判所前を通り、霞が関一帯を席巻した。
 午後1時、反対同盟と顧問弁護団は、農地取り上げに反対する3万人署名の第1次提出行動として、この日まで全力で集めてきた8019筆を東京高裁第19民事部へ提出した。
 午後2時、100人近い傍聴者で満席となった102号法廷で開廷。書面などの手続きをへて次回期日を6月25日(水)と確認した上で、市東さんが意見陳述に立った。(要旨6面)
 「一審判決は、私から農地を取り上げて農業をやめろというもの。絶対に受け入れることができません」。そしてスクリーンに農地の写真を映しながら、耕作状況、作物の品種などを説明した。
 さらに、成田空港会社(NAA)による土地取得の違法・不当を強く弾劾し、「私にとって農地は命です」と訴え、「誘導路が曲がっているのは農家を虫けらのように扱い、場当たり的に進めてきた空港建設の結果」と鋭く指摘した。最後に「父と私が精魂込めてつくり続けてきた畑の土を提出する」として、容器に満たした地味豊かな黒い土を差し出し、裁判長らに確かめさせた。
 続いて、弁護団が控訴理由書を陳述した。千葉地裁・多見谷裁判長による一審判決は、NAAの言い分を丸ごと認め、NAAの違法・不当の一切を不問に付すという代物だ。控訴理由書は、この「国策の論理」=非論理的暴挙を根幹から細部まで粉砕するものとして、弁護団が心血を注いで作成した187㌻に及ぶ大部の書である。
 怒りと気迫のこもった陳述が続く中、裁判長はたびたびさえぎり「1時間半以上も弁論が続くのは異例だ」などと終了を促し、ついには「残った分は進行協議を開いて決める」と言い渡して閉廷を宣し脱兎(だっと)のごとく逃げ去った。
 参議院議員会館講堂で報告集会が開かれた。
 北原事務局長のあいさつに続き、疲れも見せず市東さんが発言に立った。「今日も陳述書を読んでいて、〝何度同じことを言っても通じないのか〟と腹が立ってきた。だがこの控訴審は、日本の農家の生き方を変えるかもしれない。みなさんの力を存分に発揮してぜひ勝たせてください」と訴え、拍手を浴びた。
 続いて葉山岳夫弁護士を始め弁護団全員が法廷での全力の闘いを報告し、今後の展望と決意を表した。さらに動労千葉の滝口誠さん、関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会、傍聴した埼玉大学名誉教授の鎌倉孝夫さんが連帯発言を行った。
 最後に、萩原富夫さんが参加者の労をねぎらい、「6・25の第2回弁論は必ず今日を上回る結集で裁判所を包囲しよう。もっと多くの人びとに訴え、闘いの陣形をつくろう」と呼びかけた。そして司会の伊藤信晴さんのリードで団結ガンバローを三唱し、一日の激闘を締めくくった。
 反対同盟は、萩原進事務局次長を失った大きな試練をのりこえ、新たな決意と体制で控訴審闘争に勇躍突入した。労農連帯の力、闘う全人民の力で市東さんの農地を絶対に守りぬこう。

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三里塚裁判傍聴を!

◎団結街道裁判
 4月28日(月)午前10時30分 千葉地裁
 (傍聴券抽選のため1時間前に集合)

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