労働運動と国際連帯で原発なくそう 放射能汚染・被曝強制の安倍倒せ 3・23―26三里塚首都全国大結集へ

週刊『前進』06頁(2624号01面01)(2014/03/17)


労働運動と国際連帯で原発なくそう
 放射能汚染・被曝強制の安倍倒せ
 3・23―26三里塚首都全国大結集へ

(写真 親子連れや若者グループなど多くの市民が注目する中、駅前で大集会。鳴り物が鳴らされ、のぼりが打ち振られ、「さらに闘っていこう!」の呼びかけに一斉に「おー」と鬨【とき】の声が上がった【3月11日 JR郡山駅前】)

 福島の怒りは収まらない

 「あきらめられるか 忘れられるか 福島の怒りはおさまらない 3・11反原発福島行動14」が3月11日午後1時から福島県郡山市総合体育館で行われ、1100人の参加で大成功を収めた(発言2面)。3月11日、まだ雪の残る郡山は東日本大震災・大津波と福島第一原発事故、「関連死」で亡くなった人たちへの鎮魂と同時に、福島切り捨てと原発再稼働、戦争と改憲の攻撃を進める安倍政権への天をも突く激しい怒りと闘いの日となった。「福島とつながろう! 原発をなくそう!」と澎湃(ほうはい)と立ち上がっている全国、全世界の労働者人民と固く結んだ闘いだ。

3・11は福島行動の日だ

 「ピッピー、ピッピー」。集会場入り口では、浪江町・希望の牧場の吉沢正巳代表の真っ赤な鉄棒でつくられた牛のオブジェ、そして吉沢さんが響き渡らせる笛の音が参加者を出迎えた。
 プレイベントに続いて午後2時、本集会が始まった。椎名千恵子さんが主催者あいさつを行い「3年目の3・11です。3・11を反原発福島行動の日と定める歴史的な意義を確認しよう」と呼びかけた。高校生が、福島原発事故で古里を奪われた痛苦の思いと原発への怒りを述べた。
 沖縄の元基地労働者・水島満久さんは「福島県民への攻撃は沖縄県民への攻撃と同じ」と断じた。脱原発わかやまネットワークの寺井拓也さんは和歌山県の日高原発建設阻止の闘いを語った。
 海外からはドイツのゴアレーベン核廃棄物処分場建設反対同盟のケアスティン・ルーデック前委員長が「土曜日にドイツの数百カ所で反原発デモが行われた」と語った。アメリカの運輸労働者連帯委員会のスティーブ・ゼルツァーさんは「世界から原発をなくそう」とこぶしを上げた。韓国・解雇者復職闘争特別委員会議長のイホドンさんが「皆さん、頑張ってください。私たちも力いっぱい連帯します!」と心から呼びかけた。
 午後2時46分、大震災・大津波と原発事故、そしてその関連で亡くなった多くの人をしのび黙祷(もくとう)をささげた。認定された福島県の原発事故などによる「関連死」は現在1671人(今年3月10日現在=福島民報)で1603人の直接死を上回った。これがまぎれもないフクシマの現実だ。
 「古里に帰りたい」と念じつつ、粗末なつくりの仮設住宅などで人生を終えたお年寄りたちの無念の思いを魂で引き継ぎ必ず晴らそう。

(写真 福島を始めとした多くの発言に参加者は原発をなくす決意を新たにした【郡山市総合体育館】)

共同診療所を守り発展を

 続いて福島現地からのアピール。国労郡山工場支部の橋本光一さんは「みんな必死で生き抜いている。これをまとめて一つにする力が労働組合にあることが闘いの中ではっきりした。国労郡山工場支部は郡山の反原発運動を一本にまとめる力になるために、皆さんとともに全力で頑張っていく」と決意を表明。福島を先頭に国鉄決戦を基軸にして闘う労組拠点を建設することこそ、福島圧殺を打ち砕き、すべての原発をなくす道だ。動労水戸の羽部圭介さんは、ポケモン列車との闘いを「いわきの皆さんとつながり、放射能について考える闘いになった」と生き生きと報告した。
 吉沢正巳さんは「仮設住宅で命を落とすお年寄りが出ている。国による棄民だ」と怒りをほとばしらせた。全国農民会議、三里塚反対同盟の市東孝雄さんたちが登壇。代表して大内孝さんが「原発のない社会の実現を」と発言。市東さんは「3・23三里塚集会を東京芝公園で行い、3・26高裁での裁判に臨む」と結集を訴えた。福島大学の学生が「大学や社会を変える闘いを始めよう」と呼びかけた。
 ふくしま共同診療所医師の布施幸彦さんがスタッフとともに登壇し「小児甲状腺がんが『疑い』も含めて74人出ている。非常に多い。放射線の影響が強いと考えられる。しかし県も国も放射線の影響はないとしている」と弾劾し、県の検査の現状を厳しく批判して「今後も『放射線の影響はあるんだ』という立場で検査・診療していく」と語った。福島診療所建設委員会の佐藤幸子さんは、子どもたちと県民の命と健康を守るため今後も診療所を守り、発展させていくと決意を語った。
 カンパアピール、集会宣言の後、「原発いらない、命が大事の歌」を合唱し、デモに出発した。
 デモは椎名さんがかんしょ踊りで先導。その後ろには「怒」と染め抜いた法被を着た全学連の学生たちが続いた。「よいしょ!」「よいしょ!」と進む踊りと吉沢さんたちが担ぐ牛のオブジェの「みこし」は沿道の人たちの注目の的となった。
 年配の男性が両手を振って応援。男性は「ここは最近まで毎時4、5㍃シーベルトあった。除染してもすぐ元に戻ってしまう。多くの人が避難している。自民党を打倒しないとだめだ!」と言い切った。

(写真 「0.330㍃シーベルト/時」と高線量の値を示すモニタリングポストが設置された公園の前を通過するデモ隊【郡山市内】)

デモ隊と郡山市民が合流

 白衣の女性医療労働者たちがデモ隊に手を振る。「全国から来ているんですか、すごい!」「原発は反対」「体が弱くなっている人が多い。子どもたちも外で遊べない」と不安を語った。
 たくさんの人たちが見守る中での駅前集会では椎名さんが「私たちは郡山の、全国の、世界の皆さんに福島の怒りを訴えたと思います。怒りは組織するもの、続けるもの。この力とエネルギーで次なる闘いをつくっていきましょう」と訴えた。続けて吉沢さんが「今年は勝負の年だ! 体を張ろう。人生をかけて闘おう。座り込みでもデモでも、何でもやろう!」と呼びかけた。

元原発労働者が内部被曝に怒り

 本集会に先立ち、郡山駅前でのプレイベントで、斉藤征二さんら2人の元原発労働者が原発労働での内部被曝への怒りと決意を語った。星野暁子さんは「フクシマとともに闘う」という獄中39年の星野文昭さんのメッセージを紹介した。
 正午からは柔道場でミニコンサートと希望の牧場の写真展が行われた。餓死した牛の屍(しかばね)が横たわる何枚もの写真。牛たちの飢餓の苦しみと怨念の表情。丹精込めて育てた牛たちを餓死や「殺処分」せざるを得なかった牛農家たちの無念と怒りは想像を絶する。この底知れぬ深い思いを労働者人民の巨大な決起につなげよう。
 午後1時からは会場で北海道から参加した〝チェルノブイリへのかけはし〟の野呂美加さんが「今、子どもたちに一番必要なことは『社会があなたたちを守ろうとしている』と感じられること」と語り、続けて舞踊、サックス演奏、3・11ラップが行われた。

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