国鉄先頭に全産別・職場で14春闘へ 〝スト構え組織拡大を〟 動労千葉 春闘山場の方針を決定
週刊『前進』06頁(2623号02面01)(2014/03/10)
国鉄先頭に全産別・職場で14春闘へ
〝スト構え組織拡大を〟
動労千葉 春闘山場の方針を決定
(写真 田中委員長の提起を受けて、外注化粉砕・組織拡大の春闘方針を確立【3月1日 DC会館】)
動労千葉は3月1日、DC会館で第70回定期委員会を開き、14春闘の闘争方針を決定した。
決定された方針の大要は以下のとおりだ。①検修・構内外注化粉砕へ4月冒頭を決戦とし、ストライキを含む闘争を構える、②JR貨物の賃金回答日である3月14日を山場に、JR貨物の賃下げを許さない闘いを設定する、③久留里線・久留里―上総亀山間の昼間時間帯の列車削減などのローカル線切り捨てのダイヤ改定に対し、地域への宣伝行動などの闘いを強化する、④千葉鉄道サービス(CTS)成田空港駅での過酷な勤務の結果、職場で亡くなった金子茂組合員の労災認定闘争に全力で取り組む、⑤今定期委員会後、いつでもストライキに立てる態勢を確立する。併せて、JR東日本、JR貨物に対する3万8千円の賃上げ要求額を決定した。
あいさつに立った田中康宏委員長は、JR北海道の安全崩壊や京浜東北線・川崎駅事故に触れて「民営化・外注化がどこまで社会を破壊したかを示した。分割・民営化体制―JR体制は崩壊した」と喝破した。
また、たがが外れたように改憲・戦争に突き進む安倍政権を弾劾し、これと対決できる労働組合の力の復権をかけて14春闘を闘おうと訴えた。
さらに、この間の動労千葉の勝利を4点にわたり明らかにした。一つ目は、ライフサイクル制度により駅に強制配転されていた北嶋琢磨青年部長を千葉運転区に取り戻したことだ。二つ目は、検修外注化によりCTSに強制出向に出された組合員が定年を迎えエルダー社員に移行する際、清掃部門への配転を強行しようとしたCTSの攻撃を粉砕して、検修部門に残すと認めさせたことだ。三つ目は、JRが4月に強行しようとしている駅の外注化により強制出向に出されようとしていた組合員について、本人希望に沿っての自宅に近い駅への転勤を実現させたことだ。四つ目は、昨年のダイヤ改定でワンマン化された久留里線の3本の列車を、今年3月のダイ改で正式にツーマンに戻させたことだ。これらの勝利を、田中委員長は「動労千葉の外注化反対闘争は会社を追い詰めている」と総括した。
そして、「春闘の最大の課題は、貨物賃下げ粉砕と外注化粉砕だ」と提起し、特に外注化との闘いについて、「4月にCTSのプロパー(直雇い)社員19人が職場に配属される。人が余れば会社は組織破壊攻撃を仕掛けてくる。他方、CTSの労働者に動労千葉の闘う姿を示し、誰が正しいのかを判断してもらうチャンスでもある。春闘の核心的課題は組織拡大だ」と呼びかけた。
経過報告を繁沢敬一副委員長が行い、情勢を川崎昌浩執行委員が提起した。当面する取り組みを提案した長田敏之書記長は、国鉄闘争全国運動の6・8全国集会までに最高裁10万筆署名を達成すること、外注化粉砕へ4月にストを構えて決戦的に闘うこと、貨物賃下げを阻止すること、一切は組織拡大にかかっていることを強調した。
安全破壊した外注化に怒り
討論では、外注化による安全解体の実態があらためて突き出された。大雪が降った日、銚子運輸区で外注化された仕業検査が行われているさなかに、その隣の番線を、線路や架線の状態を確認するための「凍結臨」と呼ばれる臨時列車が何の連絡もなく走ったというのだ。検査業務に携わっていた労働者は、まかり間違えば列車にひかれかねなかった。外注化以前なら、労働者に臨時列車の運行が伝えられないことなどありえない。川崎駅事故は氷山の一角だ。
また、内房線・長浦駅でみどりの窓口が廃止され、住民の怒りが高まっていることが報告され、久留里線の列車削減問題と併せ、動労千葉が地域に打って出るチャンスが来たと確認された。JRは地元の袖ケ浦市に多額の費用を負担させて長浦駅の駅舎を改修したが、新駅舎完成の翌日に窓口閉鎖を強行したのだ。
総括答弁で田中委員長は、「組織拡大へ大きな勝負に入る」と再度強調し、「本来なら反合・運転保安の問題でストに入ってもおかしくない情勢だ。いつでもストに立てる態勢を確立しよう」と訴えた。動労千葉は14春闘山場に向けて、決戦方針を確立した。