全国農民会議 第2回総会 労農連帯・組織拡大誓う

発行日:

週刊『前進』08頁(2622号08面02)(2014/03/03)


全国農民会議 第2回総会
労農連帯・組織拡大 誓う
萩原進さんの遺志を受け継ぎ

(写真 闘う農民組織としての前進と発展をかけ真剣な討議が交わされた全国農民会議総会【2月1日 二本松市】)


 2月1日〜2日、全国農民会議の第2回総会が福島県二本松市で開かれた。地元福島を先頭に全国から「反原発・反TPP・三里塚連帯」を合言葉に農民・農業関係者が一堂に会し、労働者階級と連帯して闘う農民組織として拡大発展をめざすことを誓い合った。

 市東さん控訴審勝利へ決意

 1日目の冒頭に、共同代表の小川浩さんがあいさつを行った。
 「まだ微力ではあるが私たち全国農民会議は昨年正式に発足し、この1年間、三里塚芝山連合空港反対同盟の市東孝雄さん農地裁判闘争に連帯し、反原発・反TPP、沖縄反基地闘争など全国の闘いに参加してきた。新自由主義政策のもとでTPPや減反政策廃止などが進められ日本農業の構造も変化しているが、資本主義は農民・農業をなくすことはできない。昨年末、農民会議をともにつくり出してきた三里塚反対同盟事務局次長の萩原進さんが急逝された。萩原さんの遺志を受け継ぎ、労働者階級と連帯して農民の組織化を進めよう」
 そして全員で萩原進さんに黙祷(もくとう)を捧げた。
 続いて議長を選出し、議案の提起、会計報告などが行われた。議案は総括、情勢、方針などを豊かに展開し、結論として「反原発・反TPP、三里塚連帯の旗のもとに、闘う農民の団結をつくろう」と地道で堅実な組織拡大への闘いを強調した。討議の後、全員の大きな拍手で議案を採択した。
 この日の第2部として二つの講演が行われた。
 まず三里塚反対同盟顧問弁護団の葉山岳夫弁護士が市東さんの農地裁判の焦点と控訴審闘争の展望を語った。国家権力と成田空港会社の卑劣・理不尽・凶悪な農地取り上げ攻撃の全貌(ぜんぼう)とそれに全面加担して反動判決を出した千葉地裁を厳しく断罪し、「霞が関へ攻め上ろう」との反対同盟の提起に応えて、農地取り上げに反対する3万人署名運動を推進し、3・23全国集会(東京・芝公園)―3・26東京高裁での第1回弁論への大結集を訴えた。
 ここで反対同盟から市東孝雄さん、萩原富夫さんがあいさつに立った。 市東さんは、「破綻した成田空港のために私の耕してきた土地が奪われることなど断じて認めない。東京高裁・貝阿彌裁判長に3万の署名をたたきつけるために、ぜひ力を貸してください」と訴え、富夫さんは「萩原進の遺志を引き継ぎ、市東さんとともに闘う」と力強い決意を表して、全員の熱い拍手を浴びた。
 2本目の講演はジャーナリストの大野和興さんによる「TPPと新農政」。大野さんは「TPPとは、平和・穏やかに生きる権利への侵害」と断定し、安倍政権が今日進めている解雇自由化、生活破壊の攻撃と、「強い農業、攻めの農政」と称する農民切り捨て政策を「TPPの先取り」として、90分以上にわたって全面的に批判し暴露した。
 質疑応答を行ってこの日の議事を終え、日が暮れてからは懇親会になった。酒食をともにしながら胸襟を開いて語り合い、農民としての苦労や喜びを分かち合い、交流を深めた。

 福島の苦闘受け真剣な討論

 2日目はまず「福島の農民の現状の報告――除染と営農の実態」として、果樹、和牛に携わる県内の農家がそれぞれ現状報告を行った。原発事故による爪痕は3年後の今日に至るも深刻で、「除染」が問題の解決になっていないことが根本的に突き出された。そして放射能被害、TPP、新農政によって、農民が明日に展望を見出せない状況の中で、この資本主義体制そのものを変えなければ生きていけないことが訴えられた。
 2日間の議事を受けて、東日本から沖縄まで各地からの参加者が次々と発言した。農業に生きる者としての苦闘を強いられながら、さらに日帝支配階級による分断支配を打ち破って農民同士、あるいは農民と労働者がいかにして連帯をつくれるのかについて、真剣な議論が交わされた。
 最後に小川浩共同代表が討論のまとめを行った。「今日は福島農民の苦闘にどう寄り添うかについて、率直な論議が行われた。今回の総会は全国農民会議の行く末を決定する内容あるものだった。原発と農民とは共存できない。名護・辺野古の情勢は基地をめぐって沖縄の闘いが実力闘争に行き着くことを示した。安倍政権が行っている特定秘密保護法の強行採決、集団的自衛権行使容認などは実質上のクーデターであり、絶対に許してはならない。三里塚反対同盟が提起する、市東さん農地裁判の3月の闘いに万難を排して結集しよう」
 さらに事務局からは、3・11反原発福島行動(郡山)への賛同と結集が呼びかけられ、2日間にわたる総会全体が参加者全員の拍手で確認された。
 今回の第2回総会は、萩原進さんの悲願であった日本農民の革命的組織化に向けて、全国農民会議が飛躍をかけて打って出る出発点となった。

市東さんの農地死守! 控訴審闘争勝利!
3・23全国総決起集会
3月23日(日)午後1時 東京・芝公園
主催/三里塚芝山連合空港反対同盟
農地強奪阻止! 3万筆署名の力で勝利を!
3・26市東さん農地裁判控訴審
3月26日(水)午後2時 東京高裁

三里塚裁判傍聴を!
◎鈴木さん一坪裁判
3月6日(木)午前10時30分 千葉地裁
◎第3誘導路裁判
3月10日(月)午前10時30分 千葉地裁
(傍聴券抽選のため1時間前に集合)

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