棄却命令を弾劾する 郵政非正規ユニオンの声明
棄却命令を弾劾する
郵政非正規ユニオンの声明
東京都労働委員会・反動房村精一会長による棄却命令を弾劾する
2014年2月21日
郵政非正規ユニオン
執行委員長 齋藤裕介
2月19日東京都労働委員会房村精一会長は、郵政非正規ユニオン(以下組合)の「不当労働行為救済申立」を棄却するという大反動命令を下した。判定は、労働委員会の委員は出席せず労働委員会事務局2名の職員が現れ、命令書をおどおどしながら組合に渡し逃げるように立ち去った。
そしてこの命令書は、1月14日房村精一会長以下11名の公益委員の合議によって命令が下されたが、この合議に組合の「不当労働行為救済申立」を、2年6ケ月に渡って指揮してきた白井公益委員は参加しておらず、組合側委員の意見書もバッサリと切り捨てられた異常な命令である。
そもそも東京都労働委員会は、2012年4月に房村精一氏が会長に就任したことによって憲法や労働組合法が無視され、公益委員としての「中立・公正」の立場は失われ、労働組合弾圧の労働委員会に変質したのである。
房村精一氏は、名古屋高等裁判所所長退任後石原元都知事の任命によって、2012年4月に東京都労働委員会会長に就任した。2013年1月には、安倍首相就任と同時に法務省の外郭団体である「公安審査委員会会長」に就任している。
この「公安審査委員会」とは、公安調査庁と一体で反体制的な政治団体、労働組合等の行動を監視し弾圧する国家権力中枢の外郭団体である。
このような労働組合弾圧のトップにいる房村精一氏を、石原元都知事が激増する非正規労働者の闘いと組合破壊を目的に、東京都労働委員会会長に就任させたのである。
労働組合破壊を目的とした房村精一会長の命令は、全く「中立・公正」を欠いたものであり、むしろ「郵政非正規ユニオン」に敵意をもって命令を下したものである。
房村精一氏によって作られた命令書はひどいものである。まず「不当労働行為救済申立」について、まともな合議は行なわれずあらかじめ棄却を前提に作られた命令書である。
命令書の全体は、「組合の主張を全面的に引用」し、これ全てが組合への不利益又は支配介入には当たらないなどと断定し、その理由については全く説得ある説明はなされていないのである。
本件最大の争点であった齋藤委員長の雇い止め・解雇が組合潰しの不当労働行為であったかどうかの核心点において、命令書は、「2月23日、齋藤は、会社から、雇い止めの通知を受けており、一度は雇い止めの対象者となっていたことからすれば」「9月30日付雇い止めは一定の合理性があり、齋藤が組合員であることと無関係になされたということができ、したがって、会社の齋藤に対する雇い止めは、不利益扱い又は支配介入にあたらない」などと、齋藤が単なる組合員であると主張し、組合の委員長として東京都労働委員会に「不当労働行為救済申立中」であることなどを抹殺し、齋藤は「組合結成の前から雇い止めの対象」だったなどと主張している。
6月10日組合結成以降の大工原ゆうパック課担当課長の、齋藤に対する「脅迫・暴言」による組合潰しについても「大工原担当課長の対応に行き過ぎの面があった」としながら、「不利益扱い又は支配介入に該当するとまではいえない」などと、大工原担当課長の組合潰しの攻撃を全面的に擁護した。
また、3月から6月の組合結成の動きについて、6月13日の組合による会社への通告まで会社は知るよしもなかったなどとして、齋藤が3月、全国労働組合交流センターに合流し組合結成の行動をはじめたこと、6月10日組合結成に至る過程で会社側の激しい妨害があったことなどを無視し、会社の組合潰しを全面的に容認した。
団体交渉に於ける不誠実団交についても、資料請求などの組合の要求に対し東京多摩支店が経営状況一覧表などの資料を出さなかったとしても、会社全体の個別財務諸表(日本郵便1034億円の赤字)について説明しているのであり、「特段不誠実な対応ということはできない」などと会社を全面的に擁護した。
さらにゆうパック課における「適正な要員配置」等についても誤審があり、今後こうした点も含め徹底的に闘い、不当な「不当労働行為救済申立棄却命令」撤回を求めて断固闘う。
「郵政非正規ユニオン」は、日本郵便による問答無用な雇い止め・解雇に対し、憲法や労働組合法の対象からも除外された非正規社員が、生きるために結成した組合である。今回の棄却命令は、こうした組合を根絶するための、日本郵便の組合潰しの攻撃を100%容認したものであり、今棄却命令は絶対に認められない。勝利するまで断固闘うことを宣言する。