2・2いわき 共に医療変えよう ふくしま共同診療所説明会 率直な不安と怒り

週刊『前進』06頁(2621号04面02)(2014/02/24)


 2・2いわき 共に医療変えよう
 ふくしま共同診療所説明会 率直な不安と怒り

(写真 ふくしま共同診療所の松江院長が、開院から1年余の甲状腺検査について報告【2月2日 いわき市】)

 動労水戸の「ポケモントレイン」運行反対闘争と一体で、ふくしま共同診療所報告会が2月2日、福島県いわき市で開催されました。
 当日は、午前中から動労水戸組合員と支援者がいわき駅前で街頭宣伝を行い、JRによるポケモントレインの運行強行を徹底弾劾すると同時に、午後からの診療所報告会への参加を訴えました。
 集会にはいわき市内の仮設住宅に暮らす原発事故避難者や原発で働く労働者も含めて70人余りが参加し、共同診療所の医師の講演に聴き入りました。
 報告会では最初に松江寛人院長が「甲状腺検査から見えてきたもの」と題して講演、1年余りにわたる診療活動の結果、甲状腺の嚢胞(のうほう)が見つかった子どものうち、43%のケースで甲状腺全体に無数の嚢胞が広がる「蜂の巣嚢胞」が見られたという実態を明らかにしました。「福島の甲状腺がんは原発事故との因果関係はない」とする福島県立医大に対して、命と健康を守る立場を貫く「闘う診療所」として断固とした対決を挑んできたとの報告に、会場から惜しみない拍手が送られました。
 深谷邦男医師による「いわきにおける初期被曝の問題」と題した講演では、原発事故当初から国や東電が放射能飛散を一貫して隠蔽(いんぺい)し続け、住民の避難や放射能防護を怠ってきたことを弾劾。現在では福島県内でも「線量が低い」とされるいわきでも、初期被曝による健康被害の実態を究明しなければならないと提起されました。
 自由討論では、原発事故と放射能汚染に対する不安や深い怒りが率直に語られました。
 「保養先の県外で子どもを医療機関に診せたところ、赤血球が小さくなっていると診断された。医師から『福島の地元の病院を受診するなら、県外で受診したことを伏せてください』と言われ、福島の病院に行ったところ『体調の変化ならどの子どもにもあることだ』と言われ愕然(がくぜん)とした」(子どもを持つ母親)。「いわき市が呼んできた専門家は『外国では甲状腺がんに保険の利かない国もある』などとまったくのデマを言っていた。『不安をあおるな』という人もいるが、保護者や子どもを不安に陥れているのは自治体や国の責任だ」(保育労働者)。「県は牧草地の除染を進めるとしているが、線量の計測を拒否している。放射能汚染の事実を隠そうとする動きに対して農家として闘っていく」(いわき市内の農家)
 討論のまとめに、子どもを持つ親として診療所支援の先頭に立ってきた仲間が発言。「医師だけでなく私たち自身が声を上げなければ子どもを守れません。被曝の事実から逃げずにみんなで向き合いつつ、福島の医療を変える、県や国のあり方を変えるために一緒に行動していきましょう」との力強い言葉に、参加者の思いがひとつになりました。
 (NAZENいわき・N)
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