ビデオ国賠 居直りは許さない 国の準備書面を徹底弾劾
週刊『前進』06頁(2619号06面03)(2014/02/10)
ビデオ国賠 居直りは許さない
国の準備書面を徹底弾劾
1月28日、東京地裁民事第45部(山田明裁判長)で、ビデオ国賠訴訟の第15回裁判が行われた。この国賠訴訟は、星野文昭同志の無実を証明するビデオテープ2巻を警視庁公安部が「紛失」と称して証拠隠滅したことの責任を、国(裁判所)と都(警視庁)に対して追及する裁判だ。
昨年7月16日の裁判で山田裁判長は、ビデオテープ「紛失」の経緯を明らかにするために、「保管委託」した当時の裁判官と「保管受諾」した公安総務課長などの証人調べ請求を一切棄却して結審を強行し、10月15日を判決日として通告してきた。これは証拠隠滅の真実にふたをする許し難い暴挙であった。
ところが、山田裁判長は10月1日、突如「弁論再開」を通告し、「ビデオテープ『紛失』の国(裁判所)の責任は裁判所の誰のどのような行為をいうのか」と釈明を求めてきた。
刑事訴訟法は、証拠は裁判所庁内に保管しなければならないと定めている。にもかかわらず、裁判所はビデオテープを警視庁公安部に「保管委託」し、しかも「紛失」するまで一度もその保管状況を確認してこなかった。原告の「回答書」と「準備書面」は、このことを徹底的に弾劾した。
これに対して被告・国(裁判所)は、「原告(星野同志)はビデオテープの所有者でもなく、ビデオテープには何の権利もないから、そのような原告に対して、裁判所は『保管状況確認義務』などない」と主張する「準備書面」を出してきた。ふざけるな!
星野同志は無実の証拠を隠され、デッチあげで39年の獄中生活を強いられている。星野同志には再審・無罪をかちとるために、一切の証拠の保管を求め、それらを見る権利があるのだ。
被告・国は、「裁判官は、保管の比較的容易なビデオテープを、保管委託先としてもっとも適している警視庁公安部に委託し、かつ、保管委託先の保管状況に問題があることをうかがわせる事情もなんらなかったから、裁判官にビデオテープの保管状況を確認する義務を課すことなどできない」という。
何が「保管の比較的容易なビデオテープ」だ。これまでに提出してきた「準備書面」では、「温度や湿度の厳重な管理が必要だから、警視庁公安部に『保管委託』した」と主張していたではないか。
警視庁公安部はデッチあげの張本人である。警視庁公安部が「保管委託先としてもっとも適している」などという居直りは断じて許さない。
さらに、「保管状況に問題があることをうかがわせる事情もなんらなかった」という言い逃れもけっして許さない。警察での証拠紛失事例は枚挙にいとまがない。にもかかわらず一度も保管状況を確認してこなかったということは、警視庁公安部と結託した証拠隠滅を示すものだ。
東京都知事選決戦がかちとった偉大な地平に立ち、星野同志奪還へ大前進しよう。次回裁判に結集して、裁判所と警視庁公安部が一体となった権力犯罪を追及し弾劾しよう。
次回は3月31日午前10時。708号法廷。