ジェコー解雇撤回裁判 非正規撤廃まで闘う さいたま地裁 棄却決定弾劾

週刊『前進』06頁(2619号06面02)(2014/02/10)


 ジェコー解雇撤回裁判 非正規撤廃まで闘う
 さいたま地裁 棄却決定に弾劾の嵐


 1月14日、さいたま地裁熊谷支部(池本壽美子裁判長)でトヨタ系部品メーカー、ジェコーによる期間従業員不当解雇事件(2次訴訟)の判決があった。「非正規は期間満了で解雇されて当然、非正規は非正規のままでいろ!」と言い放った超反動判決だ。許せない。
 午後1時10分の開廷直後、「原告の請求を棄却する」とだけ述べて裁判官は逃亡。「ふざけんな!」「審理してないだろう!」と弾劾の声が傍聴席から飛ぶ。
 事件の内容はこうだ。JAM神奈川ジェコー労働組合に2005年加盟した派遣労働者が06年夏に団体交渉で正社員化を要求したことに対してジェコーが拒否。らちがあかないとしてジェコーの偽装請負を労働局に申告した結果、労働局の是正命令が出され、偽装請負ラインで働いていた80人余りの派遣労働者がジェコーに直接雇用される一歩前進をかちとった。その後、ジェコーが09年4月25日に折からのリーマンショックを口実にして、工場から闘う労働組合の影響力を排除することを意図して期間従業員全員を雇い止め解雇した。明らかに不当労働行為事件だ。
 判決は、期間従業員としての更新は2年にとどまり、それ以前の派遣時代は考慮する必要がなく、契約上期間雇用だったのだから雇い止め解雇は正当だ、という内容だ。「非正規の契約なんだから文句を言うな!」ということだ。解雇が労働組合の排除を狙った不当労働行為であったことについては、「組合員以外も雇い止めしているから不当労働行為ではない」として被告の偽装工作を受け入れ、否定した。不当労働行為をやるぞと言って行う資本がどこにあるのか!
 だが、判決は原告の不当労働行為主張一覧に被告認否を添付するという異例の書き方をせざるをえなかった。不当労働行為主張に圧倒されながら、資本の意を代弁した反動判決であり、安倍政権の9割非正規職化、非正規の固定化をねらう労働者派遣法改悪や産業競争力会議の動きと一体だ。
 だが、このような反動判決によっては、非正規労働者の怒りの決起を押しとどめることはできない。原告の奥山信子分会長は判決に怒り、非正規職撤廃までとことん闘う決意を鮮明にした。「生きていけない、結婚もできない、子どもも産めない」という青年労働者の怒りは、これからますます爆発し、破綻した新自由主義をぶっ飛ばす巨大な奔流となる。
 中曽根政権による労働者派遣法は、国鉄改革法と並んで資本の雇用責任を免除し、労働組合を破壊する団結権否定法だ。こんなものは国鉄1047名解雇撤回闘争と一体の現場の闘いで必ず廃止できる。2013年の国鉄闘争や全産別での外注化阻止・非正規職撤廃闘争の地平は、派遣法撤廃の現実的展望を切り開いている。「戦争しない、被曝させない」とともに「派遣法廃止、過労死根絶」を訴えた鈴木たつお弁護士の都知事選闘争はその挑戦の始まりだ。解雇撤回、派遣法廃止、非正規職撤廃まで闘い抜こう。
 (埼玉・小川徹)
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