青年を先頭に14春闘ストを闘い職場細胞建設・労組拠点強化へ 金属労働者

週刊『前進』06頁(2619号06面01)(2014/02/10)


 青年を先頭に14春闘ストを闘い職場細胞建設・労組拠点強化へ
 金属労働者のアピール

(写真 金属労組が呼びかけた昨年10~11月のインドネシアの48時間ゼネスト。賃金抑制を図る政権、日帝資本の侵略と対決し200万人が決起した)

 東京都知事選での鈴木たつお候補の登場は、連合を始め体制内労組を使った労働者支配の瓦解を一気に促進した。鈴木候補の闘いは、春闘真っただ中の職場を活性化させている。賃下げ、雇い止め、過労死への怒りがあふれ出、大幅賃上げ、非正規職撤廃、8時間労働制死守へ闘う意欲がみなぎっている。14春闘は都知事選決戦の勝利を引き継ぎ「現代革命への挑戦」をさらに前進させる決定的な闘いだ。鉄道民営化と闘う韓国民主労総、英RMT(鉄道・海運・運輸労組)を始め、新自由主義と闘う全世界の労働者と連帯し、金属労働者は14春闘に立ち上がろう。

 連合・JAM中央による賃上げ圧殺を許すな!

 安倍政権に対する労働者の怒りが鈴木たつお候補を生み出した。都知事選は安倍政権打倒の巨大な人民の革命的決起であり、ファシストと激突しブルジョア支配体制を打倒する蜂起だった。
 権力党派である自民党が首都で独自の候補も立てられず、除名した舛添を押し立てる異常事態は、ブルジョア支配体制の崩壊を意味した。連合は内部で異論が吹き荒れる中、電力総連出身の連合東京会長が「脱原発を訴える候補者は応援できない」と舛添支援を決めた。原発容認の金属産別、JAMも積極的に舛添支援に動いた。これが示すように原発は資本主義を支える柱なのだ。
 労働者は原発推進候補支援にかじを切った連合から急速に離反した。脱原発のまやかしで規制緩和と成長戦略を呼号する細川・小泉やオリンピック推進の宇都宮とも決別した。「原発いらない。被曝させない」を掲げた鈴木候補の闘いは労働者の階級的団結を守り、発展させた。都知事選は安倍打倒、連合打倒が労働者の要求であることを示したのだ。

 経労委報告を推進する連合

 安倍政権の「賃上げ要請」で14春闘が注目を集める中、経団連は2014年版経営労働政策委員会報告を発表した。その中で、「再稼働プロセスを加速していくべき」と原発推進を宣言した。非正規職労働者の増加は「数字や正規雇用との比較だけでなく、その実態や変化の背景を十分踏まえた議論を」とし、非正規のさらなる増大も打ち出した。
 また、雇用保障のない限定正社員制度の法整備を訴え、賃金低下の現実には「パートタイムを含む非正規労働者比率が増加する傾向にあり、平均年収額を押し下げる大きな要因」と、非正規職の低賃金は必然だと叫んでいる。そして賃上げを否定する論陣を張りつつ、14春闘については「賃金等の労働条件は……自社の支払い能力に即して労使自治で決定するもの」としている。要するに賃上げには応じず、労資一体で会社を守れというのだ。経労委報告は新自由主義を推し進める、労働者階級への宣戦布告だ。
 一方の連合は、この経労委報告に屈服し、その推進者と成り果てている。連合は14春闘方針を「すべての組合が月例賃金にこだわり、約2%の定期昇給相当分を確保」した上で、「1%以上」の賃上げ方針を掲げている。だが、ベアの目的は「持続可能な経済成長」であり、デフレ脱却のための賃上げだ。資本救済のための「賃上げ」であり、そこには労働者の生活向上などない。
 連合傘下にあり中小金属労組から成るJAMはベア(4500円)を打ち出したが、5年ぶりの要求に各単組からは「中小は無理だ」「ベアが取れなかったらどうするのか」と異論が噴き出ている。これら体制内労組幹部が恐れるのは、資本ではなく、賃上げに決起する労働者だ。「もう我慢ならない」という労働者の怒りで打ち倒されることに恐怖しているのだ。
 すでに14春闘を前にして、消費税の増税と、外注化・非正規職化、賃金抑制の結果としてある「好業績」が労働者の怒りに火をつけている。現場からわき起こる大幅賃上げの要求が体制内労組幹部を突き上げている。
 連合・JAM中央の制動を突き破り、「賃下げ粉砕、生きていけるだけの大幅賃上げ獲得」を掲げて14春闘に立とう。その中で闘う労組拠点の建設と強化をかちとろう。

 組織攻防に勝ち抜いてきた全金本山と港合同

 金属産業は4大産別とともに資本主義の基幹産業である。金属の労働者は資本と不屈に闘い革命の中軸を担ってきた。
 ロシア革命の口火を切った1905年のサンクトペテルブルクのゼネストは、ロシア最大のプチーロフ工場の金属労働者のストライキから始まった。17年二月革命においても、女性労働者(繊維労働者)とともにプチーロフを始め金属労働者がストライキとデモの先頭に立った。
 こうした金属労働者の闘いと誇りは、1970年代の金属産別での労組を巡る資本との激烈な攻防に勝ち抜くことで、今も受け継がれている。
 71年から始まる全金本山労組への資本の破壊攻撃は、役員の解雇、第二組合結成、暴力ガードマン導入、ロックアウト・別棟就労強要と熾烈(しれつ)を極めた。総評全国金属本部からは「争議組合は労働戦線統一の阻害物」とされ、除名された。しかし、本山労組は不屈に門前闘争を闘い、組合の団結を守り抜き、ついに解雇とロックアウトを撤回させた。そして2005年、34年ぶりに職場復帰をかちとったのだ。
 全国金属機械労組港合同は、戦後革命期の闘いを経て、1970年代の西高東低と言われた春闘を牽引(けんいん)した南大阪の全金の中心労組であった。地域的なストライキで闘う港合同を憎悪した日経連、関西経営者協会は、田中機械支部に対して職場ごとつぶす自己破産攻撃をかけてきた。港合同は地域の団結でこれを打ち破り、数々の勝利を実力でもぎ取ってきた。98年からは動労千葉、関西生コン支部とともに、闘う労働運動をよみがえらせようと11月労働者集会を開催してきた。全金本山労組もこの集会に取り組んできた。

 国鉄闘争こそ労組再生 し革命を実現する闘い

 日本帝国主義の延命をかけた新自由主義攻撃の始まり、国鉄分割・民営化攻撃は、労働者の基礎的団結形態の労働組合をたたきつぶす攻撃だった。憲法28条が規定する労働者の「団結権、団体交渉権、団体行動権」を奪い、“生きられない”非正規職に全労働者を突き落とす改憲攻撃であった。当時の首相・中曽根は「行政改革でお座敷をきれいにして、立派な憲法を床の間に安置する」と露骨に語った。
 国鉄分割・民営化の狙いを見抜き、労働者の団結を総括軸に据えて対決した動労千葉だけが、唯一ストライキで反撃し、組織を維持し拡大してこれた。敵の攻撃の核心を打ち破ってきた動労千葉は、裁判闘争で二度にわたり国家による不当労働行為を認めさせた(12年6・29地裁判決、13年9・25高裁判決)。「国家や資本と闘っても勝てない」という日本の労働運動を支配してきた敗北主義を粉砕し、最高裁決戦へと上り詰めている。
 分割・民営化と同時の労働者派遣法による「非正規労働者には団結権を認めない」攻撃に対しては、JAM神奈川ジェコー労組が派遣労働者を組織して対決してきた。ジェコー労組も70年代からの資本との攻防に打ち勝ってきた。行田分会をつぶす全員解雇攻撃がかけられたが、動労千葉労働運動に学んだ解雇当該が裁判闘争と門前闘争を展開し、派遣法改悪阻止闘争の先頭に立っている。

 2・16国鉄集会成功させよう

 闘う金属労働者は確信する。新自由主義と闘う全世界の労働者階級の先頭に国鉄決戦があることを。国鉄闘争が新自由主義を破綻に追い込んでいることを。国鉄闘争こそ労働組合を再生し革命を実現する闘いであることを。2・16国鉄集会を各地で成功させよう。
 昨年の13春闘では動労千葉、動労水戸のストライキに続き、JAM傘下の日本機械工業労組がストに決起した。JRとともに資本主義の基盤である金属産別でのストは労働者を鼓舞した。労働者、特に青年労働者は、資本の攻撃と体制内労組幹部の支配を覆すストライキを熱望している。
 国鉄最高裁決戦と一体で、金属労働者は14春闘の先頭に立ち、ストライキを組織しよう。職場細胞を建設し、党と労働組合の一体的建設をかちとろう。連合支配を打倒し組合権力を青年労働者とともに奪い返そう。労組拠点を打ち固めよう。
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