NHK新会長・籾井の放言弾劾 安倍のメディア支配許すな
週刊『前進』08頁(2618号03面04)(2014/02/03)
NHK新会長・籾井の放言弾劾
安倍のメディア支配許すな
NHK新会長になった籾井勝人(もみい・かつと)が、1月25日の就任会見で語った内容は、侵略と戦争の歴史を居直り美化するものであり、また、特定秘密保護法のもとに全人民を黙らせる凶暴な発言である。
籾井は、安倍(JR東海会長の葛西とともに)によって送り込まれた、百田尚樹や長谷川三千子ら経営委員によってNHK会長に選ばれた。安倍によるNHK支配のための人事だったことが一層鮮明になった。
籾井はこの会見で「政府が右と言っているものをわれわれが左と言うわけにはいかない」「(国際放送は)あくまでも日本政府と懸け離れたものであってはならない」と述べた。これは「公正・中立」を初めから投げ捨て、NHKを政府の意に添う報道機関にするという約束である。
さらに籾井は慰安婦問題についての質問に「どこの国にもあった」として、「韓国が、日本だけが強制連行したみたいなことを言っているから話がややこしい。(補償については)日韓基本条約で全部解決している」と述べ、全面的に日帝軍隊による慰安婦政策を擁護し開き直った。90年代に慰安婦とされた女性が次々と決起した歴史も抹殺しようとしている。
また、安倍の靖国神社参拝、特定秘密保護法についても擁護している。
籾井発言は、昨年来の安倍の「領土問題」での言動、靖国参拝など、侵略的な行動、総じて改憲と戦争の攻撃と符節を合わせたものである。
安倍には「前科」がある。内閣官房副長官だった2001年1月、NHKの番組「ETV2001/問われる戦時性暴力」に介入し、軍隊慰安婦の歴史を描く番組を大きく改ざんさせた。帝国主義の戦争犯罪を暴く放送に対する最悪の政治権力介入だった。
安倍の狙いは、NHKの国営放送局化である。国家安全保障会議(日本版NSC)設置法、特定秘密保護法と一体の攻撃だ。秘密保護法に対する批判も、反対運動の報道もしなかったNHKだが、安倍はどこまでも「偏向だ」と攻撃して徹底的に翼賛放送に転換させようとしているのだ。
だが、これは凶暴な攻撃であると同時に、没落日帝の国際的孤立化を一層進めるものだ。安倍の靖国参拝強行、ダボス発言とともに、NHK会長発言に接し、米欧帝国主義も、日本に対する警戒感を募らせている。籾井発言は、韓国の労働者人民の怒りを買ったばかりでなく、戦争犯罪の開き直りとして、全世界から猛然たる怒りと抗議の声を引き出した。対中韓の関係だけでなく、対米関係も極度に緊張している。日帝の一連の言動は、帝国主義間・大国間の争闘戦の大爆発の中で引き起こされている。それ自体が戦争情勢をつくり出すものだ。
籾井発言を徹底弾劾し、日帝・安倍の戦争と改憲の攻撃に対し、職場から闘いを広げよう。
時あたかも、元日放労長崎分会委員長としてNHKと不屈に闘ってきた鈴木たつお候補が、安倍打倒を訴えて敢然と都知事選を闘っている。都知事選勝利で、安倍、葛西、籾井らの反革命に真っ向から労働者の怒りをたたきつけよう。