三里塚やぐら裁判 「却下請求」に怒り “3・23集会-26高裁包囲へ”
週刊『前進』06頁(2617号05面02)(2014/01/27)
三里塚やぐら裁判 「却下請求」に怒り
“3・23集会-26高裁包囲へ”
(写真 3万人署名の推進を訴える市東孝雄さん。左は葉山岳夫弁護士【1月22日 千葉市】)
1月22日、千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)で、天神峰やぐら裁判の口頭弁論が開かれた。この裁判は、市東孝雄さんの農地裁判で、成田空港会社(NAA)が市東さんに明け渡しを求めている物件のうち、天神峰の監視やぐらなど四つの工作物が反対同盟の所有であることを認めさせて、強制撤去を阻止するためのものだ。
多見谷裁判長は前回、NAAに「原告の請求に対して却下を求める方法もある」と露骨に門前払いをそそのかした。それに応じて今回NAAは1月14日付で、事実関係で争うことを放棄して「請求却下を求める」という書面を臆面(おくめん)もなく提出してきた。裁判所の却下判決を当てにした裁判の常識さえ踏みにじるやり口だ。反対同盟顧問弁護団は「公平な訴訟指揮をやれ」と突きつけ、傍聴席からも多見谷弾劾の声が飛んだ。
さらに、NAAが「所有権のことは執行の段階で申し出ればいい」などと主張していることについて、弁護団は2011年8月6日の現闘本部撤去強制執行時の現実を示して反論した。この時、反対同盟には成田治安法の封鎖解除の通知はなく、執行宣告もなく、立ち会いを求めもせず、執行官に面談を求めた顧問弁護団にはNAA職員を名乗る者が立ちはだかった。破壊作業は報道陣まで排除して強行された。法も常識も踏みにじる、これが三里塚への攻撃の現実だ。「これを知っているのか」との追及に対し、NAAの代理人弁護士は「この場で答えるつもりはない」と居直った。弁護団は書面での釈明を断固要求した。
また弁護団は、反対同盟作成の新パンフ「市東さんの農地裁判控訴審勝利へ!農地は私たちの命」を証拠提出した。
次回期日を5月27日(火)として閉廷したあと、千葉県弁護士会館で伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。
最初に市東孝雄さんがあいさつを行い「久しぶりに多見谷裁判長の顔を見たが、ますます悪くなっている。 NAAの逃げの態度も許せない。3月の農地裁判控訴審へ向け、皆さんの力でぜひ3万人署名をやり遂げてほしい。私もがんばります」と決意を述べ、大きな拍手を浴びた。
さらに葉山岳夫弁護士を始め弁護団全員が発言した。特に現闘本部撤去の現場での状況をリアルに暴き、「執行の段階でやればいい」などという主張の無意味さを明らかにした。また萩原進事務局次長の急逝を悼み、農地裁判控訴審を「弔い合戦」として闘う決意をそれぞれが表した。
市東さんの農地取り上げに反対する会の連帯発言を受け、最後に萩原富夫さんがあいさつした。「事務局は一丸となって全力で闘います。2月15日の反対同盟一斉行動で、3万人署名の中間集約を行うので、全力で推進してください。3月23日の全国集会、26日の控訴審第1回弁論へがんばろう」とまとめ、参加者全員が奮起を誓った。