戦争しない被曝させない 鈴木たつお候補が第一声 労働者の貧困・過労死を許さない
週刊『前進』06頁(2617号01面01)(2014/01/27)
戦争しない被曝させない 鈴木たつお候補が第一声
労働者の貧困・過労死を許さない 福島圧殺のオリンピック返上する
首都1千万の怒りで安倍倒せ
(写真 鈴木たつお候補は第一声で「8時間労働制が守られていますか?」と問いかけた【1月23日 JR高円寺駅北口】)
1月23日、東京都知事選挙が告示され、「憲法と人権の日弁連をめざす会」が推薦する鈴木たつお弁護士が立候補した。鈴木たつお候補は午前10時、高円寺駅北口で「安倍戦争政治を断ち切ろう!」と力強く第一声を上げた。午後6時から新宿駅西口で開かれた大演説会には、「めざす会」の高山俊吉弁護士、福島の椎名千恵子さん、動労千葉の田中康宏委員長らも駆けつけた。五つの革命的な政策を訴えて鮮烈に登場した労働者の最良の友、鈴木たつお候補を断固支持し、大激戦の都知事選決戦の勝利へともに総決起しよう。以下、23日の鈴木たつお候補の演説を紹介します。(2、3面などに関連記事)
安倍戦争政治断ち切る
都知事選に立候補しました鈴木たつおです。私は1千万東京都民の声、怒りで安倍政権の戦争政治を断ち切りたいと思います。沖縄の名護市長選の結果は、本当にすばらしい。名護市民の心を札束で買い取るような安倍政権のやり口を完全にはね返した。あの勇気に感動しました。しかし、安倍政権はその直後に何をやったんですか? 48時間もたたないうちに工事業者の選定に入って辺野古の海を埋め立て基地を造ろうとしている。
特定秘密保護法が強行採決されました。あんな法律はみんなの声で封印しなければなりません。
安倍政権は、憲法改悪と戦争に突き進んでいます。私は弁護士として憲法改悪は許すわけにはいきません。憲法改悪は戦争への道です。明日から開かれる国会会期中に集団的自衛権を認める閣議決定をやると言っています。安倍政権は本気で戦争に向かっています。
その安倍政権の戦争政治の裏側では、日本の労働者の労働条件が徹底的に悪くなっている。8時間労働制が守られている職場が皆さんの周りにありますか? 低賃金で長い時間働かざるを得ない。その長時間も中途半端ではありません。過労死の基準と言われている月80時間の残業、こんなものは完全に超えてしまっている。月100時間以上の残業、しかもただ働き。過労死が今、若者と30代、40代で一気に増えています。
この元凶は労働者派遣法にあります。労働者派遣法は直ちに廃止しなければならない。
あの中曽根政権がやった悪政のその頂点が国鉄分割・民営化です。20万人の国鉄労働者が首を切られ、200人が自殺に追い込まれました。この国鉄分割・民営化と同じ時期に成立した労働者派遣法、これが今、働く人たちの職場をめちゃめちゃにしています。
労働者の権利を奪うな
安倍政権は、国内で労働者の権利を奪っておいて、海外で戦争をする。何もアメリカにそそのかされてではなく、ある場合にはアメリカに先んじて戦争をやる。例えば、この間の靖国神社の参拝問題、どうだったでしょうか? 同盟国と言われているアメリカからは「失望した」と言われている。全世界から非難されることを覚悟の上で、重々承知の上で安倍首相は靖国に参拝したんです。日本が本気になって戦争に向かう、とんでもないことです。
戦争とは一体何なんですか? 誰が利益を得るんですか? 他国の人たちと殺し殺される戦場に誰が喜んで行きますか? 戦争とは、1%の支配者と大企業が彼らの利益のために行う、絶対に許されないことです。
第2次大戦で日本人310万人、アジアの人たち2千万人の命が失われました。私たちは二度と再びこういう戦争を許してはならない。それが今の憲法に結晶していると思います。戦争に向かっての憲法改悪、さらに労働者の無権利状態、労働者の権利を奪うこと、これを1千万都民の怒りで断ち切っていく。安倍政治をここで終わらせよう。
全原発を直ちに廃炉に
次に私は原発とオリンピックについて訴えたい。オリンピックは返上すべきだと考えます。何のためにオリンピックがあるのか。そもそも安倍首相の、福島では放射能汚染水は完全にブロックされている、コントロールされている、健康被害はもう起こらない、今後も起こらないという真っ赤なウソ、国際的な大ウソです。誰もこんなもの信じてない。そういうウソで呼び込んできたオリンピックですよ。
このオリンピックで東京は本当に住みにくい、とんでもない街に変貌(へんぼう)していく。
今でも都税は高いですよね。そのうちからなんと4千億円をオリンピックに注ぎ込もうとしている。そんな予算があれば、労働者の福祉、子どもの認可保育所の増設、そして、東京都に被災地から避難している方々の援助のために使うべきではないでしょうか。
新国立競技場を造るために東京都の負担だけで500億円です。なんでこんなふうに湯水のごとく無駄に金を使うんですか。私たちから税金を搾り取ってそういうことをやろうとしているんです。
その上でなんと言ってもこのオリンピックは福島の原発事故をまったくなかったことにする。福島の人びとの苦しみ、まだ15万人が避難生活を送っています。子どもたちの甲状腺がんが疑いも含めて59人、県の調査でも発見されています。100万人に1人の発生率といわれる、その何百倍という率です。
私は、このような福島の現状をまったくないことにして、安全な「美しい国」が復活したというウソで塗り固めたオリンピックは、やはり返上すべきだと思います。
果たして返上できるか。1940年、日本はオリンピックができなくなり、オリンピックを返上しました。アメリカとの戦争の前年です。
オリンピックの返上は沖縄、福島、そして1千万都民の福祉のためです。私たちの税金をそんなところに注ぎ込んでもらいたくない。
東京都は東電の最大株主です。したがって東京都の姿勢いかんでは、株主総会で東京電力の配下にある全原発の廃炉を直ちに決定することは十分可能です。
私は、すべての原発を直ちに廃炉にする、一基もこの地上に、日本に、地球上に許してはならないという立場で闘ってきました。原発は今、東京都の都民の上にも放射能を降らせています。足立区は非常に放射線量が高いとか、江戸川のうなぎは食べられなくなったとか、また子どもたちの給食は大丈夫だろうか。福島の問題に限りません。東京都に住む私たちの身にも放射能の害は及んでいるんです。あるいは福島第一原発の4号機、1500体ぐらいの使用済み核燃料があります。あれが爆発したら、関東圏3千万人、一斉に直ちに避難しなければならない。そういう事態まで起ころうとしているんです。
こうした中でオリンピックをやり、大企業が活動しやすい便利な国にすると、安倍首相は言っている。とんでもない! やはり私は、オリンピックは返上しなければならないと思います。
裁判員制度やめさせる
私は弁護士ですからお伝えしたいことがあります。あの特定秘密保護法案が強行されましたね。戦前の治安維持法に勝るとも劣らない悪法だと言われている。そればかりか今、法務省が検討しているのは、盗聴の拡大です。室内に盗聴器を仕掛けること、会話を盗聴すること、これを合法化しようとしているんです。とんでもないでしょう。家の中ですら信頼しあう会話ができない。誰かが盗み聴きしている。そういう監視社会に身を置かざるを得ない。また、目配せ一つで「犯罪の協議をした。だから犯罪を実行したのと同罪だ」という共謀罪も出そうとしている。もう一つ、裁判員裁判があります。あれは今、とうとう国民の8割がそっぽを向いてしまいました。当然です。
皆さん。人が人を裁くことの難しさ、厳しさ、考えてみてください。本当に大変なことです。ある場合には人を死刑台に送るわけですからね。
先日、福島であった裁判で血の海に沈んだ被害者、その傷口までカラーで見せられた女性の裁判員は心を侵され、職場を続けられなくなった。その方は毅然(きぜん)と裁判員制度に異議を唱え、裁判に訴えました。
裁判員裁判は「現代の赤紙」です。憲法に裁判所に行って人を裁く義務なんて規定されていません。兵役の義務が規定されていないのと同様です。ところが、憲法にもない義務を新しくつくって、人を裁くという厳しい残酷なことを強いるのが裁判員制度です。今、80%以上の人たちがそっぽを向き、10万円の罰則もかけられないところまで追い込んでいます。もう一息でつぶせます。
私たちの声と力が悪政を止める、悪政を断ち切る。政治を変える、社会を変える。
皆さんが主人公です。東京都民一人ひとりがその力を持っている。2月9日の投票日、それだけの重要な選挙だと見極めていただきたい。皆さんのご判断、ご支持をお願い申し上げます。