〈焦点〉 安倍の靖国参拝を弾劾する! 国際的孤立化の深刻な危機
週刊『前進』06頁(2615号05面03)(2014/01/13)
〈焦点〉 安倍の靖国参拝を弾劾する!
国際的孤立化の深刻な危機
●靖国参拝で墓穴を掘った安倍
昨年12月26日、首相・安倍晋三は突如、靖国神社への参拝を強行した。アジアをはじめとする全世界の労働者人民に対する日帝・安倍の戦争宣言であり、断じて許すことはできない。
この暴挙に対し、ただちに中国外務省が「(参拝は)戦後国際秩序への挑戦」「強烈に憤っている」とする談話を発表し、韓国も閣僚声明で「悲嘆と憤怒を禁じえない」と表明。さらに、在日米大使館が「近隣諸国との緊張を悪化させる行動に失望している」と非難するきわめて異例の声明を発表し、30日には米国務省報道官が同趣旨を重ねて表明した。ロシア、EU、シンガポールなども相次いで参拝を批判する声明を発表し、欧米などの主要なマスメディアも「批判一色」となった。
事態は完全に安倍の想定を超えて進み、脱落日帝と安倍政権の国際的孤立化が決定的となっている。とりわけ、日米安保体制の強化のもとで独自の戦争国家化を狙う安倍にとって、日米対立の顕在化は致命的だ。ここに敗戦帝国主義としての日帝の解決できないジレンマがある。本質的には反米右翼である安倍の突出はこの危機をさらに深め、支配階級の分裂と労働者人民の怒りのさらなる爆発を不可避に生み出す。
●集団的自衛権の容認と一体
そもそも安倍の言う「不戦の誓い」など完全なペテンだ。靖国神社は明治維新期以来、一貫して日帝の戦争と対外侵略の支柱であり、断じて一般的な「戦争の犠牲者追悼」の施設ではない。それは「国家・天皇のために戦って死んだ者」のみを「護国の神」「英霊」として祀(まつ)り、過去に日帝が行った侵略戦争を正当化するとともに、そうした戦争で殺し殺されることを徹底的に美化し絶賛することで、新たな戦争(国のために喜んで死ぬこと)へと労働者人民を駆り立てることを狙うイデオロギー装置である。
それゆえ安倍の靖国参拝は、改憲と戦争国家化、とりわけ集団的自衛権の行使容認に向けた策動と完全に一体である。安倍は集団的自衛権の発動による戦争行為で大量の戦死者が出ることを、現実問題として強烈に意識しているのだ。実際、03年に米帝ブッシュ政権が強行したイラク侵略戦争では、米軍が撤退した11年末までにイギリス兵179人をはじめ総計317人もの死者が米軍以外で出ている(AP通信の集計による)。日本は「復興支援」と称して自衛隊をイラクに派兵し、米兵や武器・弾薬の輸送を担うことでこの侵略戦争に加担した。だが集団的自衛権の発動が可能となれば、イラク戦争時のイギリス軍と同様に自衛隊が直接戦闘行為に加わり、相手国の人民を殺害し、自衛隊員にもおびただしい数の死者が出ることが不可避となる。安倍はそれを明確に意識して靖国に参拝したのだ。
●大恐慌下の戦争危機を革命へ
安倍の靖国参拝は、小泉時代の参拝の単なる延長ではない。重要なのは、「日帝・安倍の戦争・改憲攻撃への突進は、大恐慌・長期大不況の果てしない深まりと帝国主義間・大国間の争闘戦の全面的爆発という、歴史的事態の中で起きている」(2014年1・1アピール「はじめに」)ということだ。この情勢下で「支配階級は革命への恐怖のもとで排外主義・愛国主義を必死にあおる。支配階級による戦争・改憲の衝動はここからも激化する。しかし同時に他方では、……帝国主義間・大国間の争奪戦・分割戦・争闘戦は市場を丸ごと制圧して勢力圏化していくような動きを強めており、それは必ず現地の労働者人民の革命的反乱を生み出す。これに対し帝国主義は、……革命的反乱を鎮圧する反革命的戦争体制の強化を不可避とすることをよく自覚している」(同Ⅱ章)。まさに、こうした戦争衝動が安倍の突出の背景にあるのだ。
東アジアは今や中東と並ぶ世界危機の発火点であり、同時にプロレタリア世界革命の根拠地だ。今こそ階級的労働運動の前進を軸に安倍打倒の闘いを巻き起こそう。「憲法改悪反対労組声明」を全国の職場に持ち込もう。歴史的な階級決戦に突入した韓国・民主労総をはじめ、全世界の労働者人民との国際連帯を拡大し、戦争の危機をプロレタリア革命へ転化しよう。