青年労働者座談会 青年先頭で闘う労組拠点づくりを 14春闘へ
青年労働者座談会
青年が先頭で闘う労組拠点づくりを
「過労死を許さない!」14春闘へ
マルクス主義青年労働者同盟の第10回大会が開かれた。大会は、国鉄闘争を基軸に職場で闘った2013年の到達地平を総括し、過労死を許さない14春闘の方針を確立した。「長時間労働と低賃金」で資本に殺される――。青年労働者が生き抜くために、闘う労働組合の建設は待ったなしだ。その展望はどこにあるのか。「全国の職場に闘う労働組合を」をテーマに、青年労組活動家のみなさんに大いに語ってもらった。
《出席者》
安積慶吾 JR
九賀徹哉 JR
長坂典明 JR・非正規
志川隆一 自治体
山辺朋美 自治体
月瀬隆哉 自治体・被災地
加藤 湊 自治体・福島
関 雄一 郵政・非正規
幸村 駿 医療
花月 澪 合同一般
柴崎拓也 合同一般・被災地
春山和希 年金事務所
柴田 純 民間交運
村沢明夫 司会
2013年の激闘
志川 体制内労組の限界こえた
柴田 職場闘争委員会開き団結
長坂 マルクス主義で組織拡大
村沢(司会) 2013年の闘いを振り返ると、動労千葉鉄建公団訴訟控訴審9・25判決をめぐる闘いがありました。また7・8%賃下げに反対する自治労4・26ストライキ闘争もあり、自治体労働者がいよいよ階級闘争の前面に躍り出てきたと実感しています。4・26ストライキ闘争はどうでしたか。山辺さんからお願いします。
山辺(自治体) 4・26過程は組合は体制内労組として今やれる最大のところまではとりあえずやるわけです。交渉にもそれなりに人を集める。最後までスト指令があったことは組合員の前には出さないんだけど、二十何年ぶりにみんなで朝ビラをやるところまでいった。だけど市長交渉で急転直下の妥結。そこから賃下げ絶対反対だと言っている私をつぶしにくるわけです。
加藤(自治体・福島) うちも最初は現場の組合員も執行部も提案はのまないとなっていたんです。統一行動では青年部も親組もやる気まんまんでチラシをまいた。組合活動に興味のないような青年も自分の問題だと動きだした。それが10月議会の直前に組合執行部が突如賃下げ提案をのんだんです。
九賀(JR) ライフサイクル阻止闘争でも、最初、東労組でも反対だといってガス抜き集会をやったんだよ。ところが土壇場にきてのむ。せこい手はどこいっても同じ。
幸村(医療) そうそう。あらかじめシナリオができている。
志川(自治体) 僕は非正規職の雇用延長を求めて闘っているんだけど、ある組合幹部は「○○さんを守る必要なんかないんだ」ときっぱり言うんです。普段はすごくいい人だけど、人が変貌(へんぼう)したようになる。体制内執行部といっても同じ普通の職員なんだけど。
山辺 そうそうそう。
志川 しかも時間外にめちゃ活動している。毎日集まる。すごい日常性なんです。だからうちらが相手にしているのは個人じゃなくて、体制内労働運動。この組織、体制内的な労働組合のつくり方が彼らをそうさせている。
山辺 今回わかったのは、7・8%賃下げ反対を貫くのは無理ですよとなった瞬間に、その一線を越える闘いというのは、やっぱり今の連合、自治労の中ではもうできないということ。だけど、それができなかったら労働運動の意味ないわけですよ。その時点であきらめを組織するものでしかなくなっちゃう。それによってどれだけ労働者がおとしめられてきたのかということに、こっちがもっと怒りをぶつけなければいけないと思いました。
志川 絶対反対の闘いを労働組合として貫けるかどうか。これが戦後労働運動の限界。体制内労働運動は、うちらがその限界をこえようとした瞬間、さっきの話でいえば、今の法的常識で無理であっても非正規雇用の延長は闘えば可能なんだとぶったった瞬間、正体を現し、つぶしにくる。
よみがえる労働組合
月瀬(自治体・被災地) 自治労本部もスト方針を出すわけだけど、敵に追い詰められてストを構えるのか、それとも賃下げ攻撃を青年部の建設と拡大で反撃していくチャンスなんだととらえられるかどうかでまったく違ってくる。つまり時代認識の問題です。体制内労組幹部はチャンスと見られないから、当局とのこれまでの関係を維持したいとなる。でも4・26ストではっきりしたことは、組合なんか興味ないよという青年がビラをまくようなことがどんどん起こり始めたということ。賃金問題がどれだけ労働者の決起を引き出すのかを安倍政権や支配階級に思い知らせた。青年労働者にとって労働組合は何のためにあるのかということを、賃金、労働時間という労働組合の2本の日常的な闘いを、もう一回この21世紀によみがえらせた。国鉄闘争を25年間守り抜いてきた地平の上に、僕らが先頭で労働運動の本格的な再生に向かって踏み込んだといえる。
村沢 資本と非和解で闘うものは絶対に許さないという体制内労働運動の正体を暴いてきたのが13年の闘い。体制内労組が新自由主義を支えてきた。ならばこれを打倒しのりこえていくのが14年の闘いになる。つまり労組権力をとるところにきたということ。
幸村 労働者は絶対反対の闘いを求めている。その闘いを決断するのが労働組合の指導部だよね。
村沢 組合が秘密保護法反対を取り組まない中で、山辺さんとビラを職場の前でまいたんです。国会に行ってきますと言うと、次々と職場の人が声をかけてくる。完全に主流派だよね。組合全体を動かせるところまできた。
春山(年金事務所) 社会保険庁解体・年金機構化の過程ではいったん全員解雇・選別再雇用で525人が分限免職にされた。国鉄分割・民営化の攻撃とまったく同じ。体制内労組は解散すると同時に被解雇者を排除して、闘わずして当局と一体となって首を切りました。だけどこの間、処分撤回を求めて闘ったうちの3割、24人の処分取り消しが決定されています。体制内労組の屈服がなければ社保解体攻撃もはね返せたんです。国鉄闘争を軸にした闘いの前進が体制内労組をのりこえていくような事態が始まっています。
柴田(民間交運) 乗客の苦情を理由に僕に対して停職1カ月の処分が出た。普通ならありえない処分。組合に聞きに言ったら、組合が当局といっしょに処分を出していることがわかったんです。資本と体制内労組が一体だというのを本当に目の当たりにしました。結局11月集会や国鉄署名に取り組む僕を解雇に追いやる攻撃だった。ストライキ会議(首都圏闘う労働組合生きさせろ会議)で徹底的に討論になった。それを地区に持ち帰り、職場闘争委員会を立ち上げて、地区で全力でやろうとみんなが動いてくれた。職場は苦情や事故の責任が全部、労働者に押しつけられていることもはっきりしてきた。僕への処分攻撃は職場全体への攻撃。反合・運転保安闘争路線で体制内労組をひっくり返す闘いが始まっています。地区党の団結の度合いに応じて闘いが進むことを実感しています。
長坂(JR・非正規) 組織拡大といっても簡単にはいかないことの方が多い。ここを突破できるのがマルクス主義だと思うんです。労働者は労働者階級として必ず決起する存在だという確信をもっていないと闘い続けられない。体制内労組はマルクス主義じゃないから限界がある。マルクス主義の具体的な闘いが書いてるのが『前進』。『前進』学習会は本当に重要です。
関(郵政・非正規) 今年1年、マル青労同が階級闘争全体に責任をとる立場からデモや集会なども自分たちでつくっていこうと責任感と行動力をもってやってきた。それで地区党の先頭に立って闘う自信もついた。
"職場の空気を変える"
安積(JR) 職場でのオルグにしても先輩方にまかせておけばいいというところがあったんですけど、指導部建設という話を聞く中で、労働運動をつくっていくのは青年なんだ、人に頼ったままじゃいけないと自分が変わった1年でした。強制出向に出された同年代の人となかなか話すことをしなかったんです。「お前はJRに残っている」と思われているんじゃないかと。でもいざ話しかけてみたら、俺もしゃべりたかったと言われた。なんだ、もう少し早く話しとけばよかったと。
九賀 意外に向こうも話しかけてもらうのを期待しているもんだよね。
安積 だけど外注化阻止闘争でいいところまでいっているのに、じゃあなんで組合を替わるとならないんだろうというのがいつも悩むところで。
九賀 職場は社員といっても契約社員と社会人採用とかあって、境だらけ。誰々が何々を言ったと管理職に報告するスパイもいるし。
幸村 そういう労働者に対しては、責めたくもなる。でも労働者というのは絶えず揺れ動くから、気がつかない間に資本の側に組織されていたりする。そしてこっちを攻撃するという波が絶えずくる。その上で資本は何かしらの合理化攻撃をしてくるから、そこで「これ、おかしいよね」とがんとやると、みんな自分の労働をめぐる問題だから怒りが経営者や管理職の方に向いていく。これが一定解決したらまた逆転する。この揺れ動きをどう組織するのかが職場のおもしろさでもある。この揺さぶりの中でちょっとずつこちら側にくるんだよね。空気が変われば簡単に組合に入るということが起こり得るんだけどね。
九賀 その空気というのが一番大事。 管理者を偽装請負だと追及したら、答えられない。そうすると周りが管理者はたいしたことないんだと感じ、職場の雰囲気が変わる。
安積 職場には他労組の組合員であってもうちの組合が守ってくれるという安心感があると思う。そういう環境があるのは大事なことなんですね。
春山 積み重なる怒りはすぐそばにあるし、あきらめと怒りは紙一重。行動を求めて労働者は固唾(かたず)をのんで見守っているんですよね。
幸村 それともう一つ。労働者は経営側か組合側かどっちについたらいいか見てるんだよね。自分だったら資本の側につくよりも動労千葉派として労働組合をやっていた方が絶対に生き延びられる。他の職場に行って正規になったって、いずれ非正規になるのは間違いないから、ここで絶対に労働組合やって正規になることの方が現実的な道だと思うんですよ。ここがつかめるかどうかだと思うんだよね。
九賀 わかりやすい時代になってきたからね。
国鉄決戦の勝利へ
春山 反合理化で分断のりこえ
柴崎 闘う被解雇者は格好いい
関 郵政決戦に挑む原動力だ
9・25判決の地平
村沢 9・25判決をめぐる闘いはどうでしたか。
柴崎(合同一般・被災地) 職場の仲間に職場で起こっていることは国鉄分割・民営化から始まったという話をしていくと、国鉄10万筆署名をしてくれる。職場をこえて全国でも署名が集まった。自分たちの力で不当労働行為を認めさせたんだと思います。
花月(合同一般) 私も国鉄解雇撤回署名をもって労組を回っていくと、「1047名闘争は終わってないんだ」という。各職場・地域の闘いを全体の力にできたのも国鉄闘争全国運動があったからだと思っている。
春山 職場の仲間が思う労働組合は職場にある御用組合でしかない中で、闘う労働組合があるんだということを伝える武器として10万筆署名に取り組みました。一歩踏み込んだ話ができるようにもなったし、労働相談を受けたりと、本当にやってよかった。
幸村 例えば清掃の職場では、まさに民間委託で組合の団結が解体されて非正規職にたたきこまれ仲間が工場内で死亡するという事故が起きている。この民営化の現実と国鉄署名が完全に一つのものとして、組合の団結の強化拡大のために取り組まれたところに勝利性がある。
志川 そうそう。一般的に署名運動が広がったということじゃないんだよね。どの組合・党派も超えることもできなかった国鉄改革法の壁を、動労千葉の闘いと結びついて労働者階級の怒りでついにぶち破ったということなんですよ。4・9政治和解ものりこえて動労千葉のように闘おうという地殻変動情勢をつくりだしているんです。
幸村 すべてを9・25へ向けて闘いぬいたことで階級情勢がもう一回転している。
九賀 最高裁に向けて井手、葛西を必ず引きずり出して、「国鉄改革」が誤りだったと認めさせたいですね。
国鉄闘争と職場闘争
幸村 われわれは国鉄闘争があるから、職場で起きることを新自由主義の崩壊としてとらえて闘える。
花月 職場の先輩が11月労働者集会に初めて来てくれたんです。今どういう時代かを提起する中で職場の安全問題や人員問題の原因もはっきりするし、国鉄闘争と一体の問題としてとらえることで、「おかしいことにおかしいという労働組合はすごい」「連合はおかしい」と言って参加してくれた。職場闘争を職場だけに切り縮めたら広がらないし闘い抜けない。職場闘争を国鉄決戦を軸にした階級闘争の一つとして位置づけて闘うことをつかんだ1年だったと思います。
幸村 うちなんかは、何が起きてもこれが国鉄闘争なんだというふうにまず据えちゃう。栄養課の非正規の雇い止め、パッと見、国鉄闘争と関係ない。でも病院でいったら栄養課は真っ先に外注化される。病院の中核ではないわけよ。連中はどんどん周辺から外注化していって、最終的に看護部を全部外注化したいというのが、分割・民営化以降、新自由主義でやっている現実。だからこの首切りを許したら栄養課をはじめ全部外注化されると。これは正規・非正規、職種も関係なく闘わなければいけないとなる。そしてこれはJRの分割・民営化から来ているからだという話をしたら、けっこうスムーズにわかる。『前進』や署名を使って絶えず言っていくと、組合員が勝手にそのシフトになっていくわけよ。職場で何か起きると「外注化が始まるから絶対かまえなければいけない」と組合員の方から執行部に話がくる。そういうふうに全体が一つになるのが路線。外注化を対象化できるのも国鉄闘争があったからなんだけど。
各地区の各職場でもこういう闘いがやれるようになった時に、国鉄決戦基軸だから、各職場の教訓が自分の職場の教訓としても使えるようになる。そうやって全体の闘いが職場・地域も越えて一つになっていく。
春山 今まで私の中では反合理化というのはカタカナの言葉でしかなかった。でも国鉄闘争があったから、「反合理化」というのが鮮明に見えてきた。雇い止め反対で闘う中で、正規と非正規とがどうつながっていくのかが私の中の課題だったんです。でも合理化と闘うことで正規・非正規がつながれるんじゃないかと。社保では年度末の大量雇い止め攻撃がかけられている。事務センターの広域集約化で入力業務を担っている委託業者も当然廃止になる。すさまじい合理化攻撃です。労働組合がこの合理化攻撃と闘わずして、合理化でもたらされるであろう結果に対しての緩和・救済を行うことは労働者の分断をもたらすだけ。
柴田 うちの組合が一層腐敗していくのも、分社化攻撃に屈服したところから始まるんです。やっぱり国鉄分割・民営化がその出発点だし、95年日経連プロジェクト報告の9割非正規化の中で起きている。それで現場は事故がばんばん起きるようになる一方、分社化に反対してきた僕を弾圧する。こう見ると職場の仲間が何と闘えばいいのかがわかってくる。目の前の資本と闘うと同時に分割・民営化という問題に決着をつけないと力関係変わらないとなる。
青年労働者の希望
月瀬 3・11情勢下で国鉄闘争の位置が深化していると思います。3・11で今の世の中に対する一切の幻想がもうなくなった。政府や資本というのは自分たちの延命のためには労働者民衆なんか死んでもかまわないという連中なんだと。山本太郎さんの選挙でも鮮明に表れたけれども、青年が政治的にも職場でも立ち上がり始めている。でも体制内労働運動というのは国鉄闘争を幕引きして敗北させることを通して資本と労働者の非和解性を否定したわけだよね。結局、国鉄分割・民営化後の階級決戦というのは全部そこに規定されている。非正規問題、社保庁の分限免職もそうだよね。職場でいえば過労死問題。資本と労働者の非和解性を鮮明につきだしているのが職場で資本に殺されるという問題じゃないですか。だから体制内労働運動は過労死問題も闘えない。3・11後、青年があらゆる幻想をもたずに生きていくために闘わなければならないという中で、やっぱり国鉄闘争を動労千葉みたいに闘うことが青年に対して求心力を圧倒的に持っている。僕はだから一般的に世代間の分断があるとは思わないんです。被解雇者の人とか物販で来るとかっこいいなとみんな思うわけでしょ。
柴崎 僕も全金本山労組の故熊谷春男さんを見て、かっこいいなと思い労働運動に立ち上がった。会社解散・全員解雇攻撃と闘っているんだけど、地労委は資本の不当労働行為を問題にするどころか、資本を救済する命令を出した。労働委員会の変質は国鉄分割・民営化で引き起こされた問題だし、これと今闘っている。
関 小なりとはいえ労働組合をつくってみて団結体を維持するのがいかに大変なのかがよくわかりました。郵政も民営化で国鉄分割・民営化とまったくいっしょのことが起こっている中で、民営化と闘い続けている国鉄労働運動のすごさもよくわかるようになった。国鉄闘争は郵政決戦を挑もうという原動力になる。
九賀 バブル時代を超えて労働組合がこの時代にも存在している。自分にとっての国鉄闘争基軸とはだまされないで労働者として生きていくこと。
志川 国鉄闘争があるから初めて非正規職撤廃を労働組合の方針にできるんです。非正規が闘って逆に首を切られたら、お前どう責任とるんだ、という議論もある。でもこの時代、どうせ切られるんだと。それは本人もわかっている。じゃあどうするのか。全体をひっくり返す闘いをまずここで始めようと。国鉄闘争があるから労働組合全体をひっくり返せるんだと真正面から言える。革命を具体的に実践していくのが国鉄闘争だと思うんです。
山辺 4・26ストライキ闘争で「賃下げは全労働者への攻撃だ」と階級決戦としてかまえられたのは、国鉄分割・民営化とまったく同じ攻撃が今、自治体にもかけられているととらえられたからです。その攻撃をはね返すのも本当に国鉄闘争と一体化しないと勝てない。自分の中で国鉄闘争が据わりました。
長坂 今、実際に街頭や職場の仲間に国鉄解雇撤回闘争がすごい受け入れられているんですよね。むしろ若い人の方が反応がいい。解雇撤回といっても一般的な解雇撤回じゃなく国家との闘い。世の中ひっくり返せる、国鉄1047名解雇撤回闘争は労働者階級を本当に一つに結びつけられるとすごい確信をもった。だから組合でも新10万筆署名でJR関係の労働者を全部組織しようと活性化しています。
加藤 地区ではそれぞれがそれぞれの職場で闘っているという状態だったんですが、国鉄職場の闘いを基軸に議論して、それを自分の職場に戻していこうとなった。やっぱり地区を一つにまとめるのが国鉄決戦。福島圧殺攻撃に立ち向かっていく力になります。
安積 自分たちは、国鉄分割・民営化絶対反対でこの社会をひっくり返す闘いをやっているわけだから自信もってやっていこうと、この1年間で自分の気持ちも変わってきた。国鉄闘争基軸である以上、国鉄労働者がこの闘争の先頭に立つ、すべてを担うんだという勢いで、今まで以上に組織拡大にやる気を出していこうと思います。
14春闘かちとろう
九賀 ライフサイクルは廃止だ
月瀬 命を守るのが労組の原点
山辺 増員要求で労組権力とる
村沢 過労死・過労自殺という問題は今やすべての職場・労働者に共通して起きています。新自由主義の行き着いた先がこの過労死問題だといえます。14春闘の大テーマとして据えられたことは決定的なことだと思いますが、みなさんどうですか。
山辺 全国の自治体職場では超過勤務・過労死問題が本当にリアルな問題としてつきだされています。
安積 長時間労働をさせられている人たちがまわりにあふれかえっているというのが本当に現実になってきていますよね。毎日毎日、12時、1時まで働かされて、土日も会社から呼び出されて休みなく働いている友だちが何人もいます。
関 郵政も長時間労働と過密労働で仕事を辞めたいという人が多い。でも辞められない現実があるんですよね。残業代なしでは暮らしていけないから。それでどんどん病気になっていく。
村沢 低賃金では食っていけない。だから長時間労働になる。「生きられるだけの賃金よこせ!」と「長時間労働許すな」のスローガンは二つにして一つだね。
幸村 これに外注化阻止・非正規職化阻止も据えなければならない。だから賃上げと外注化・非正規職化反対と過労死反対の三つの大きな柱が一体ということ。
山辺 そうそう。今、私のところでは定数問題が焦点になっているんです。非常勤、非正規職、正規職、現業という分断の中で起きているのは、正規を圧倒的に削減して、その分を非常勤、非正規に置き換え、または委託していくということ。国鉄分割・民営化以降、約50万人も定数を減らされた。今、地方公務員270万人ぐらいのうち約70万人が自治体の非正規職。でも仕事は逆にどんどん増えているから非正規に正規並みの仕事をさせる一方、正規の側も仕事が回らないから長時間労働を強いられている。人が足りないことを逆手にとって、外注化・非正規職化を進めているんですよね。
花月 この14春闘というのは、ただ単に過労死を許さないという闘いじゃなくて、過労死せざるを得ない今の労働者のおかれている現実を根本的に変革していく春闘として位置づけていくということだよね。
幸村 過労死を絶対に許さないというスローガン。じゃあ具体的にどうするのか。どこの職場もそうだと思うんだけど、みんな「人が足りない」というわりには働き過ぎちゃって疲れていく。この状況をどうしたものかと常々考えていた。だからうちの職場では過労死する可能性だってあるんだよと話をする。過労死したら資本なんて「勝手に人の職場で死にやがって」と翌日から社会保険もカットする。自分たちの責任じゃありませんよと隠蔽(いんぺい)する。病死扱いされるから、過労死である事実が闇に葬られていく。こんなことでいいのか。だから残業代を全員が請求しようと。資本が残業代を承認しなくても、請求した資料は残る。残業代が取れるよということではなくて、闇に葬られるということは許さないと。実際、資本が出してきた残業時間のデータは実態とかけ離れている。そうすると現場は「おれもっと働いているよ」「これからは早く帰ろう」「人、足りないんじゃないか」という話になっていくわけ。これを通して労働者に自分が置かれている状況を認識してもらう。そうすると病院で何が起きているのか、みんな正しく判断できるようになっていくんだよね。
関 郵政は残業代が出ている。長時間労働が問題だから過労死ラインを守れと要求していくことはどう?
幸村 「過労死ラインを守れ」というのはどうかな。過労死ラインは月80時間でしょ。国が決めた最低ラインでしかない。これは放射線のしきい値と同じ理屈。じゃあ79時間で死んだら過労死じゃないのか。それは違う。やっぱり資本に殺されている。たとえ20時間で死ぬ人がいようと、どういう労働をさせているんだと声を上げていくということだと思う。
村沢 一般的に残業代よこせという運動でもない。労働者が資本に殺されてたまるかと怒りを爆発させて、資本の矛盾を暴き、団結して資本を打倒していくことなんだ。労働者の命に責任をとらない資本を追及し、8時間労働制を死守していく闘いだと思う。
労働時間めぐる闘い
月瀬 過労死は労働時間をめぐる問題です。長時間労働すると脳や心臓に疾患をきたして突然死んでしまう。だから労働日を制限する。お前ら資本家階級にもう剰余労働を与えないんだ、これ以上ただ働きをしないんだという形で労働者階級が階級的に団結していく。これは労働組合を形成していく歴史的な出発点なんですよね。最初はイギリスの労働者階級が始めた闘いだったけれども、これは1840年代ぐらいに爆発して、そのあと1860年代の賃金闘争に引き継がれる。これが全世界的に発展していったのがアメリカの8時間労働法運動。ここからメーデーが始まっていく。
21世紀の新自由主義攻撃の中で再び歴史の最前線に出てきたことは決定的で、労働者の生存と資本家階級の延命ということが相いれないんだということが歴史的にもう一回テーマになって、プロレタリア革命の課題として表れたということだよね。過労死問題が出たということは、まさに労働組合というのはなんのために存在しているのかという原点を、僕らがもう一回つかみとっていく地点に立ち返ったということ。それは突きつめていえば労働運動というのは、生き死にのかかった問題なんだということなんだよね。おれたちは労働力を売る以外に生きていけない。低賃金や長時間労働で殺されるのか、それとも団結して労働者が生きていくのかという非和解的な関係の中で、団結の基本的な形態として生み出されたのが労働組合なんだ。おれたち青年労働者というのは、歴史の原点にもう一回立ち返る闘いを始めたということです。
幸村 今の時代、過労死問題をとりあげることを労働者は絶対的に求めている。資本と非和解で闘えない連合や全労連には、非和解性が鮮明に表れる過労死問題を闘えない。だから過労死を問題にして闘いきれば絶対に組合権力をとっていくことができるはずなんだよね。
山辺 私もその手応えはある。どこの自治体でも安倍の7・8%賃下げの上に、この長時間残業。怒りはものすごく高まっている。なんでこんなに人員が増えないのか。「国の方針だから仕方がない」と体制内労組幹部ががんがん言っているがために、現場も何も言えなくなっているんです。労働組合の課題ではないということに実際になっているんですよね。「要求するけど無理」で終わっちゃう。その結果がこの長時間残業じゃないですか。明確に労働組合の問題。「仕事も多くてこの分の労働者が必要なんですよ」と労働組合が説明できるんですよ、住民にも議員にも。それを言わないがために、労働者がこんなに死にそうになっている。民間だって公務員だって同じですよね。それを労働組合がこれまでやってこなかったという許し難さと、やっぱりこっちがとって代わるということで解決していくんだと本当に鮮明にして、14年の闘いに進みたい。
月瀬 労働時間をめぐる闘いは、組織的にしかやれない。『資本論』の学習をやってすごいなと思ったことは、当時のイギリスの労働者も昼休みの時間を全員共通の時間でとらせろという闘いをやるんだよね。だから、なんでお前超勤つけないんだよって言っているだけではだめで、労働組合の方針として同じ時間に出勤して同じ時間に休みをとって同じ時間に帰ると組織的にやることが労働組合の団結の形成にとって決定的だと思うんだよね。労働組合の復権といった時、ここが核心的問題としてある。
幸村 「過労死を絶対に許さない」という要求を全国統一要求として出して、全社会に波及させていけば、階級の力関係全体を変えていくこともできると思うんだよね。
志川 職場を越えた統一要求として同時に出すということ?
幸村 普通、春闘では同じ産別で統一要求を出すけれども、産別・職場を越えた統一要求と出していくということ。この統一要求をベースにして各職場に即した要求を出していく。自治労だって過労死問題で春闘やれよと情勢をつくりだしていく。そして新たな階級的労働運動の闘うメーデーを切り開いていく14春闘としてかちとりたい。
運転職場に取り戻す
村沢 14春闘をめぐっては、JR職場も大攻防に入っています。JR貨物をめぐっては昨年の5・1メーデーで一斉賃下げを粉砕したけど、追い詰められたJR資本は、一時金を大幅カットしてきた。これを絶対に許さないことも14春闘の巨大なテーマです。外注化、ライフサイクルをめぐる攻防も決戦に入っていますね。
長坂 非正規雇用で5年たったら外注会社に投げられる状況に対して、これまでだったらただ漫然とJRにこき使われて搾取されているという認識だったのが、外注化阻止・非正規職撤廃だということで闘いの軸が据わった。
安積 13年10月に誘導業務が外注化されて、一番連携をとるべき修繕の計画と誘導業務が完全に分断された。偽装請負が増えてきている。これを問題にして外注化を粉砕していきたい。
九賀 14年の始めはライフサイクルとの闘いが焦点になる。動労千葉青年部長の北嶋君が駅に飛ばされて2月1日で3年になる。必ず取り戻したい。駅から運転職場に復帰する日も明確じゃない。そもそも制度は東労組の提案から始まり、駅の合理化で人が足りなくなった分を運転士からもっていくという付け焼き刃的政策。乗務手当を削られて賃金は月3~4万も減らされる。会社の言うことをきかない連中とか出世したいやつを駅に送り出すというもので、駅の外注化を進めるものです。駅でも偽装請負が問題だ。会社の勝手な都合でいいようにたらい回しされることに若い人も疑問をもち始めている。チャンスはある。
花月 外注化阻止の闘いとライフサイクル制度そのものを廃止する闘いは一つのものなんです。JR本体、外注先、駅、運転職場という中で団結を守りぬき組織を拡大する――。突き当たっている壁はJRの青年と自分の職場もまったく一緒です。JRの青年労働者とともにこの壁を突破していくことが国鉄決戦に勝利していくことになると思います。
被曝労働との闘い
加藤 闘い続けるしかない福島
安積 常磐線の竜田延伸阻止を
村沢 13年、JR東日本による被曝車両K544の再運用に対して、動労水戸と国労郡山工場支部が被曝労働拒否の闘いをたたきつけました。
安積 被曝労働拒否の闘いは本当に難しいところがあります。交番検査班にいる組合員がストライキに入ったら、代わりに若い労働者が被曝労働をやることになるかもしれない。でもストライキで交番検査そのものを止められることを現場に示そうと、動労水戸は闘ったんです。実際に会社は交検をできなかった。そこで会社は「偽装交検」を若い人たちに強制した。これほど検修人のプライドを傷つけるものはありません。そうやって鉄道の安全も壊されていく。動労水戸は偽装交検だと会社を追及するけど、若い人たちは自分が批判されているようにとらえてしまい、動労水戸を敵みたいに見てしまう。だから郡山の闘いは本当にすごいなと思う。自分たちを守るにはどうしたらいいのかと若い人たち一人ひとりが考えて組合の闘いを支持した。内部被曝とそれを隠蔽(いんぺい)する会社や東労組・国労本部を自分たちは問題にしているということを訴えていきたい。
幸村 水戸の闘いがあったから郡山の闘いもあったし、逆に郡山の闘いが水戸にも跳ね返って連帯して闘おうとなっていると思うよ。それは原発労働者にも広がる展望を切り開いている。
反原発3・11福島へ
加藤 自治体労働者も被曝労働をさせられています。今、住民帰還キャンペーンがすごい。津波や原発事故で誰もいない地域のインフラを復旧させて市役所を元に戻していくために、自治体労働者が動員されている。庁舎の水も使えない中で水を持参して、1日8時間働いてまた避難先に戻る。自治労本部は「脱原発」とは言うけど、被曝労働は問題にもさせないという状況です。だから真正面から内部被曝を問題にした国労郡山工場支部の闘いは本当にすごい。この闘いを拡大して労組拠点を建設していくのが3・11福島(郡山)の闘いですね。1年半避難していた自分の家族も、離れて暮らすのは限界だということで福島に戻ってきた。何が正解なのかはいくら議論しても出てこない。福島は闘い続けるしかないと思う。ふくしま共同診療所と、闘う労働組合が切実に求められています。
村沢 JR常磐線の竜田駅までの延伸についてはどうですか。
安積 会社は3月のダイヤ改定で竜田延伸を狙っています。今、燃料棒の取り出しが始まっているけど、あそこで何かがあったらどうするのか。誰が労働者を守るんだ。会社は守れるのか。運転士や乗務員に線量計を持たせても高い線量が出たら、管理者は「線量計が壊れているんだ」と違う線量計を渡す。誰がこの会社の暴挙と闘えるのかといったら動労水戸しかない。竜田延伸阻止の闘いは被曝労働拒否の闘いでもあるし、それが福島とともに闘うことだと思います。
地区党建設の課題
花月 JRでマル青労同つくる
幸村 プロレタリア革命へ闘う
村沢 マル青労同第8、9回大会で地区党建設路線を出した。今10回大会では、地区党・全党の力で青年指導部を建設していくということと同時に、マル青労同自身が地区党・全党を「青年・学生の党」に変革していく先頭に立とうということが出されました。
春山 青年が地区党の先頭に立つというのはその通りだなって思う。自分の存在は小さいと思っていたけれど、地区の会議で私がしゃべると会議も活性化するんですよね。地区党で反合理化闘争のことを深めていきたいですね。
月瀬 プロレタリア革命をどうやって実現していくのかといったら、労働組合の拠点建設だということ。つまり第2・第3の動労千葉を各地区につくるんだという目的意識性を貫いて地区党が闘えるかどうかが問題だと思うんですよね。地区の討論全体がそこに向かって団結していく。逆にどこで拠点を建設するのかあいまいなところで地区の団結といっても難しいと思う。
花月 そうそう。うちの地区でも、JRの中にマル青労同を絶対につくることを地区党の第1課題として位置づけたい。マル青労同建設こそ、拠点建設の最大の方針だと思うんです。しかもそれが確認するだけで終わってはいけなくて、地区党がその具体的方針をつくり実践し、それを総括するところまでやりきっていく。自分自身も先頭に立つけど、地区党が全責任を取ってマル青労同を建設するようになっていけば、党と労働組合の一体的建設も本当に進んでいくと思う。9・25判決で切り開いた情勢も、それをどうやって青年の獲得・組織化のために具体的に生かしていくのか、広げていくのかということまで議論をやりきりたい。2014年、地区党でのそういう議論と実践を青年が牽引(けんいん)していけるかどうかに、14年春闘や国鉄闘争勝利の成否もかかっていると思っています。
志川 拠点職場・拠点労組を設定するというのは、党の分担主義をのりこえていくこと。拠点職場での闘いを地区党全体で議論しながらつくっていくと、例えば大阪市長・橋下の自治体丸ごと民営化・解雇攻撃とどう闘っていったらいいのかを、すべての同志がつかむことができる。だから拠点以外のすべての職場で同じ路線で闘えるようになっていく。革共同綱領草案の中身を土台にした上で闘争方針をつくり実践し、地区で徹底的に総括し、路線的に深める。その繰り返しが労組拠点と地区党を一体でつくり出していくということをこの間つかんだ。党全体で一つのことに集中していくということはものすごい豊かなものをつくっていく。この中心にマル青労同が据わったときに、さらにすごい力が生まれてくる。
山辺 青年がそんなに簡単に組織化できるわけじゃない。労組青年部の建設も、新自由主義との最先端の戦場。今の党の最高の地平を出さないと前に進まない。その最高の地平というのも、職場の苦闘を地区党の中でぶつけあいながら一緒につくりあげていくものなんですよね。
志川 革共同の同志はやっぱりすごい。対カクマル戦に勝ちぬいているんだから。どう闘うかつかんだときの爆発力は巨大。この革共同が「青年・学生の党」「労働運動のできる党」になっていくということ以外にプロレタリア革命なんて考えられない。
幸村 同志的信頼関係のもとで先輩も含めて獲得していくことだと思うんですよ。本当に拠点建設で勝負しましょうと地区党で議論し、その気にさせる。それが地区党に責任をとる指導部ということ。そういうマル青労同への変革と飛躍をかちとっていこう。革共同がマル青労同を建設するし、マル青労同が革共同を建設するということ。
村沢 本当に労働運動ができる時代をたぐり寄せた。喜ぶべき時代を私たち自身と先輩たちが切り開いたということなんですよ。青年労働者は思う存分労働運動をやり、マルクス主義を学ぶ。思う存分、革共同・地区党とその変革・飛躍を求めていく。機関紙をつくり拡大していく。党派闘争もがんがんやって、それを全面的に50年の蓄積のある革共同にばんばん返しながら、本物の労働者党・革命党をつくっていくということだよね。
幸村 関西地区生コン支部の故高英男副委員長、港合同の故大和田幸治事務局長や故辻岡尚執行委員、動労千葉の故中野洋顧問、彼らがいなかったら3労組共闘はなかった。そういうすばらしい先輩たち、労働運動の指導者の遺志を本当に引き継いでプロレタリア革命をやるというのがわれわれの最大の任務。それ以外に労働者にとって幸せはないんだよ。それをやることほど楽しいことはない。
花月 やっぱり労働運動は楽しい。全国の青年労働者にともに闘う労働組合をつくろうと呼びかけたいですね。
村沢 ありがとうございました。
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14春闘 統一スローガン
■民営化・外注化絶対反対!
■8時間労働制死守! 長時間労働・過労死を許さない!
■賃下げ攻撃粉砕! 生きていけるだけの大幅賃上げ獲得!
■非正規職撤廃! 3月末の雇い止め解雇をやめろ!
■福島切り捨て・原発再稼働阻止! 被曝労働拒否闘争の拡大を!
■労組解体と戦争の秘密保護法粉砕! 国鉄闘争に勝利し、改憲を阻止しよう!