2000年6月28日  21闘争団と闘争団有志連名の

     「臨大中止、4党合意撤回」の意見書 高橋委員長に提出

闘争団の意見書提出を報道する商業紙(2000年6月29日朝刊)

 


闘争団の意見書提出を報じる上京闘争団ニュース「怒り」No.


  
国労中央執行委員会 御中

     解決案なき臨時大会の開催中止と

 「4党合意」受け入れの撤回を求める意見書

 国労中央執行委員会は5月29日、「5・30与党・社民党合意内容」の了承を決めました。闘争団をはじめ「国鉄改革関連訴訟」の当該組合員に何の相談もなく、この決定が行われたことに、私たちは、言いようのない悲しみと強い憤りを感じます。
 「JRに法的責任がない」ことを「全国大会(臨時)において決定する」ことは、しかも、解決以前にそれを大会決定することは、私たち闘争団と家族はもとより、13年余にわたり支援を寄せていただいてきた全国の共闘のみなさんの思いをも裏切るものであり、断じて認めることはできません。
 「合意」は、運輸省がつくったとも言われる自民党の4条件(「国労とJR各社の話合い開始について」)の丸のみであり、本部自身が、4条件を「一読して明らかなとおりJRの主張そのもの」であり、「国労に屈伏を迫るもの」と説明してきたように、屈辱的な解決水準による敗北を決定づけるものです。
 さらに、「合意」は、「国鉄改革関連の訴訟について2.の機関決定後速やかに取り下げる」ことを求めており、「国労の考え方」にあった「JR不採用問題について国労とJR各社間において解決策の合意が成立した場合、国労及びJRは、本問題に関するそれぞれの訴訟を取り下げる」という争議の常識を投げ捨てる内容となっています。
 本部は、6月10日の闘争団3ブロックオルグの中で、「大会では、1.政党間合意内容の決定と2.採用・和解金について解決作業にはいり、交渉が始まっていることを報告できるようにする」と説明しました。また、同日のオルグで新井中執は、はっきりと「7月1日までには後わずかな期間しかありませんから、その間に、それでは採用の数とか金について答えが出るのかと言われれば、それは執行委員会として、残念ながら答えが出るところまでは行きませんと言わざるを得ません」と答弁しました。
 つまり、解決か闘争継続かの判断を可能にする具体的な解決案の提示がないまま、臨時全国大会を開いて「合意内容」を決定しようというのです。なんという無謀な本部の判断でしょうか。もし仮に、「JRに法的責任なし」を臨大で認め、その後「速やかに」訴訟を取り下げてしまえば、出てくる解決案がどんなに屈辱的なものであっても、闘う武器を捨てた国労は、それをのまざるを得なくなるのは火を見るよりも明らかです。
 仮に、臨大後も解決案提示まで訴訟取り下げを引き延ばそうとしたとしても、「合意内容」により相手側から「速やか」な取り下げを求められるのは、改革法承認後に自民党、自由党に念書を取られ、さらに4条件を突きつけられてきたこれまでの経過からも明らかです。低水準の解決内容であっても確実に国労にのませるためには、訴訟取り下げを見届けるまで解決案は示さないという戦術を相手側が取ってくることは、容易に想定できます。
 6月21日に開かれた闘争団全国連絡会議幹事会、闘争団全国代表者会議でも、「4党合意」後に開始されたという解決作業について、本部からは何一つ具体的な説明がありませんでした。そればかりか、今後の交渉に関する「(和解金について)相手側は限りなくゼロというか、(中略)一番低いところから交渉に当たってくるだろうと想定している」という宮坂書記長の答弁は、ますます不安を増大させるものでした。
 また、同日の書記長の「合意内容3.の(1)、(3)については、(中略)中身的にかなり踏み込んでいる。担保という話もあるが、(中略)そこまで明確に書いてあるということが、(中略)政治がはっきり示したというふうに見るべきだと思う」という説明も、肝心の解決水準については担保を手にしていないことを改めて明らかにしたにすぎません。
 解決案提示の前に「JRに法的責任なし」を認めてしまえば、その後の交渉の中で、相手側がどんなに不当なことを言ってきたとしても、屈辱的な解決水準を押し付けてきたとしても、もはや国労側に闘うすべはなく、解決水準を引き上げることは不可能です。  以上のように、「4党合意」の受け入れは、13年余の闘いとその到達点を無にし、国鉄闘争に敗北することを意味します。
 私たちは、中央執行委員会に対し、具体的解決案がない中での臨大開催は中止するよう、「4党合意」の受け入れを即刻撤回するよう強く求めます。

       2000年6月28日

    国労稚内闘争団 団長 池辺哲司
    国労音威子府闘争団 団長 鈴木 孝
    国労名寄闘争団 団長 西原順一
    国労旭川闘争団 団長 内田泰博
    国労深川闘争団 団長 瀬古勝利
    国労留萌闘争団 団長 田辺和憲
    国労紋別闘争団 団長 清野 隆
    国労北見闘争団 団長 前北富雄
    国労美幌闘争団 団長 高橋 修
    国労帯広闘争団 団長 馬渕 茂
    国労函館闘争団 団長 西村昭英
    国労東京闘争団
    国労静岡闘争団 野田紀泰
    国労筑豊闘争団 団長 土村 学
    国労鳥栖地区闘争団 原田 亘
    国労熊本闘争団 団長 平嶋慶二
    国労大分闘争団 赤峰正俊
    国労鹿児島地方闘争団 団長 山内 勇
    国労鹿児島班闘争団 団長 垂脇道男
    国労川内班闘争団 藤崎 久
    国労姶良・伊佐班闘争団 団長 岩崎松男
    国労志布志班闘争団 団長 鶴巣繁啓
    国労宮崎班闘争団 団長 松村秀利
    国労都城班闘争団 団長 新原俊弘

 


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