6・13集会3千人結集へ 解雇撤回の全国運動に立とう
労働運動の未来を切り開く6・13集会3千人結集へ
「和解3条件」に怒りたぎらせ解雇撤回の全国運動に立とう
国家の全体重をかけた1047名闘争解体の攻撃に対して人生をかけた必死の反撃が闘われている。動労千葉争議団9人の断固たる決起、新たな全国大運動の鮮烈な呼びかけ、そして国労闘争団の中から訴訟継続を宣言した3人の闘争団員に続く決起が拡大している。「4・9解決案」の本性が暴露され、極悪の「和解3条件」に怒りがまきおこっている。「国鉄分割・民営化の正当化を許すな! 絶対に国鉄闘争の火を消してはならない!」の怒りの声で6月13日、東京・文京シビックホールを埋めつくそう! 新自由主義に抗する新たな労働運動の開始を告げ知らせる空前の大結集をかちとろう。
争議団・闘争団員の人生かけた決起守り抜こう
前原国土交通大臣は5月18日、4者4団体が原告団904人分の解決案承諾書を提出したことを受け、鉄道運輸機構に和解手続きに入るよう指示した。5月18日の会見でも前原は、4・9解決案に盛り込んだ和解3条件をこれでもかとばかりに繰り返した。
3条件とは「1つは、裁判上の和解を行いすべての訴訟を取り下げること。2つ目に、不当労働行為や雇用の存在を2度と争わないこと。今回の解決金は最終のものであり、今後一切の金銭その他の経済的支援措置は行われないこと。3つ目に、政府はJRへの雇用については努力をするがJRによる採用を強制することはできないことから人数等が希望どおり採用されることは保証できない」というものだ。
「訴訟の取り下げ」とは鉄建公団訴訟や鉄道運輸機構訴訟などのことだけを指しているのではない。前原は“分割・民営化以降の訴訟もすべて取り下げよ。これからどんな組合差別や解雇攻撃を受けても、不当労働行為や雇用の存在を2度と争わないと誓約しろ。そうすれば金を出してやる”と言っている。これが「解決の条件」なのだ。その証拠に4・26国労臨時大会では、JRとの間で最後に残った係争事件である九州3事件の取り下げ、闘争団への生活援助金支給停止、物販会社「アルバ」解散、「連帯する会」などの支援組織解体を決めた。和解3条件の受け入れは労働組合としての死だ。
JR経営陣は解雇の張本人
なによりも前原の「JRに責任はない」「JRによる採用を強制することはできない」という言いぐさがどうして許せるのかということだ。
国鉄分割・民営化の過程で不当労働行為の限りをつくした松田昌士・葛西敬之・井手正敬ら「改革派」国鉄官僚たちこそJR各社の最高幹部の座をせしめた張本人だ。彼らこそ、安全を根底から崩壊させ、05年尼崎事故を引き起こし、今「第2の分割・民営化」=鉄道業務の丸投げ外注化を強行しているのだ。分割・民営化の問題はなにひとつ終わっていない。
松田・葛西・井手らは何をやったのか。分割・民営化に反対する国労・動労千葉組合員に「余剰人員」のレッテルを張り、何万人もの国鉄労働者を人材活用センターに隔離し、一言でも抗議すれば処分、「組合を脱退すればJR採用」というやりたい放題の不当労働行為が繰り返された。多くの労働者が家族のために仲間を裏切ることを強制され、6年間で20万人もの国鉄労働者が職場を追われ、200人が自殺に追い込まれた。JR東海会長の葛西は「不当労働行為は法で禁止されているのでやらない。やらないということは、うまくやるということだ」(86年5月 動労東京地本会議でのあいさつ)と平然とうそぶき、鉄道労連(現JR総連)カクマルと結託して、定員割れにもかかわらず採用候補者名簿から動労千葉争議団や国労本州闘争団員を排除した。
こうした国鉄分割・民営化のやり方はJR体制下でも継続され、極限的要員削減と大合理化、暴力的職場支配が強行された。JR東日本元会長の松田は「おだやかな労務政策をとる考えはない。等距離外交など考えてもいない。処分、注意、処分、注意をくりかえし、それでも直らない場合は解雇する」(87年5月)と公言し、JR西日本元会長の井手は「稼げ!」と叫んで極限的労働強化に労働者を駆り立てた。これが「正しかった」とでも言うのか。
「3条件」受け入れはJR資本のもとで怒りをたぎらせて決起を始めている青年労働者への度しがたい裏切りでもある。
1047名の怒りを体現し
前原は、この和解3条件を4者4団体幹部にのませるだけでなく、原告団全員に“分割・民営化は正しかった。首を切られた私たちもそれを認めます”という、人生を百パーセント否定する承諾書を書くことを強要した。本当に許せない。
4・9解決案の目的は、国鉄における闘う労働運動を根絶・一掃すること、しかもそれを国労本部など4者4団体幹部たちの手によって貫徹させることにある。和解3条件こそ、そのことを最も明白に示している。
動労千葉争議団9人と、そして訴訟を継続する国労闘争団員の決起は、1047名の怒りを体現する人生をかけた決起であり、24年にわたる1047名解雇撤回闘争を引き継ぐ断固たる戦闘宣言だ。彼らの決起を守り、支え、巨大に発展させる6・13集会になんとしても大結集を実現しよう。
究極の大合理化攻撃と闘い抜いた24年の地平
前原が言うように「国鉄改革は国民に大きな成果をもたらした」のか。断じて否だ。国鉄分割・民営化は、国家総ぐるみで強行された究極の大合理化であり、9割の労働者を低賃金・無権利の非正規雇用に突き落とす政府・財界の大攻撃の開始だった。前原のいう「国民」とは一握りの大ブルジョアジーのことだ。
国鉄分割・民営化以降、「いったん全員解雇—新事業体への選別再雇用」という国鉄方式が全社会化され、あらゆる産別で民営化・外注化、子会社化の攻撃が吹き荒れた。労働者派遣法の制定(85年)、その幾度もの改悪と一体となって1千万人から1500万人もの労働者が非正規雇用に突き落とされた。
連合支配打倒の闘いの拠点
国鉄1047名闘争は、こうした攻撃と24年間にわたって頑強に対決し、根幹においてその狙いをうち破ってきた世界にも前例のない闘いだ。
動労千葉争議団の中村仁さんは「多くの非正規職労働者たちはいつ首になるかも分からない。それが今の社会では『合法』。こんな社会にしたのが国鉄分割・民営化だ」と述べ、秋田闘争団の小玉忠憲さんは「今の青年がおかれている現実をひっくり返す闘いが1047名闘争。この現実との闘いとして1047名闘争をハッキリ構築していかなければならない」と訴えている。
今や新自由主義攻撃が破綻をさらけ出し、怒りは社会の隅々にまで満ちている。支配階級は、今日の大恐慌と大失業情勢の中で、労働者階級の怒りと闘いが動労千葉派を先頭とする1047名闘争と合流し、革命的な一大階級決戦へと発展することを心底恐怖している。だからこそ4・9解決案をもって1047名闘争を跡形もなくつぶそうと大反革命を仕掛けてきているのだ。まさに今が、のるかそるかの勝負どころだ。
「国労が崩壊すれば総評・社会党も崩壊するということを明確に意識してやった」「行政改革でお座敷をきれいにして憲法を改正する」——これが中曽根康弘元首相が公言してはばからない国鉄分割・民営化の目的だ。日帝・支配階級は「行革は21世紀に日本が生き残るための国家大改造」(自民党82年運動方針)と叫び、74〜75年恐慌に始まる帝国主義の危機の時代の中で、帝国主義としての延命をかけた死活的攻撃として国鉄分割・民営化に踏み込んだ。
支配階級はこの国鉄分割・民営化攻撃とぴったり並行して右翼労線統一—総評解体の攻撃を強めた。82年に民間先行で全民労協が結成されたが、国鉄・日教組・自治労・全逓などの官公労職場の団結を根絶することなしに連合支配は完成しなかった。国鉄分割・民営化は、国鉄を始めとする4大産別労組を解体し、戦後的労働運動を一掃するという明白な目的意識性をもった攻撃だった。
72年船橋事故闘争に始まる動労千葉の反合・運転保安闘争は、戦後労働運動の限界を突き破るとともに、こうした右翼的労線統一の大逆流と切り結びながら、これを打破する具体的な闘いをうち立てるための必死の模索でもあった。ここで確立した反合・運転保安闘争路線を土台にすることで動労千葉は、国鉄分割・民営化攻撃に立ち向かうことができた。
動労千葉の85〜86年の国鉄分割・民営化反対の2波のスト、89年末〜90年3月の3波のストを決定的突破口に、民同・協会派・日共スターリン主義・カクマルの総屈服を突き破る現場国鉄労働者の決起が解き放たれた。国家的不当労働行為の嵐を跳ね返し、90年4月1日に1047名の国鉄労働者があくまで「解雇撤回・地元JR復帰」を求めて決起した。
1047名闘争こそ民主党・連合政権を打倒する最大の砦だ。その24年の闘いの中に、連合支配を転覆し、大恐慌時代に立ち向かう闘いの地平が凝縮されている。
新自由主義を打ち砕く労働運動つくり出そう
では闘いを継続して勝てる展望はあるのか。完全にある。JR東日本における検修・構内業務の全面外注化「4月実施」を実力で阻止した闘いの中に勝利の展望が鮮明に示されている。
民営化・外注化は粉砕できる
JR東日本の検修全面外注化提案は、鉄道業務の根幹をなす車両メンテナンス業務を子会社に丸投げし、現場労働者を強制出向・転籍に追いやり、JRを数百もの子会社に細分するものだ。
同時にこれは、明確に動労千葉と動労総連合の抹殺を狙った大攻撃だ。JR資本は、動労千葉と11月集会派が意気高く闘い続けている限り、新自由主義的民営化の全面展開は絶対にできないとみて正面攻撃を仕掛けてきたのだ。まさに分割・民営化の「本番」ともいえる大攻撃だ。
動労千葉はこれを容易ならざる攻撃として見据え、反合・運転保安闘争路線を武器に全組合員の総決起で立ち向かった。昨秋以来、5波にわたるストを打ち抜き、敵の矛盾を暴き出し、JR総連・東労組傘下の青年労働者の怒りをも解き放って「4月実施」を粉砕した。外注化・民営化攻撃は粉砕できることを、具体的闘いをもって示した画歴史的な勝利だ。
国鉄・沖縄の闘いを一つに
前原は4月9日の談話で「国鉄改革の完遂」をあらためて叫んだが、裏を返せば国鉄改革は今や完全なデッドロックにぶつかっているということだ。JR体制は「要員問題」「安全問題」「労務支配の破綻」と、あらゆる面から矛盾をさらけだしている。しかも、国家財政の破綻が迫っているのに、動労千葉と11月集会派が確固として階級的に屹立(きつりつ)し、国鉄1047名闘争が存在し続ける限り、公務員360万人首切りなどの攻撃は一歩も進まない。4・9解決案は支配階級の絶望的悲鳴でもある。
既成の指導部は「民営化・外注化は世界的流れだ。闘っても勝てない」と絶望と敗北主義を振りまいてきた。本当にそうなのか。国労本部はJRとまともに闘ったことなど一度もない。1047名闘争についても、労働委員会と裁判闘争に闘いを切り縮め、当初から一日でも早く終わらせたいという姿勢に終始してきた。「闘っても勝てない」のではない。「闘わなかったから勝てなかった」のだ。
新自由主義攻撃に頑強に抗し、連合支配の完成を阻み続けてきた1047名闘争が、いよいよその本来の力を解き放ち、全労働者階級をとらえるべき時が来ている。
国労小倉地区闘争団の羽廣憲さんは「私たちは勝利するまで闘い続ける。それは永久闘争を闘うということじゃない。その前に資本主義をつぶしますよ」と言い切っている。ギリシャと全欧州の情勢を見よ! 最末期の帝国主義を揺るがす、内乱的革命的決起が全世界で始まっている。日本においても、帝国主義の根幹を揺るがす新たな安保・沖縄闘争の爆発によって民主党・連合政権は明日をも知れぬ状態だ。1047名闘争と沖縄闘争を大恐慌下の一つの階級決戦として闘い、11月集会派がその最先頭に立ち、2千万青年労働者、6千万労働者階級と大合流をかちとるならば、日本階級闘争の革命的発展が一挙に切り開かれることは間違いない。
国鉄分割・民営化に対する怒り、社会に満ちあふれ爆発寸前の新自由主義に対する怒りを今こそ6・13大集会の一点に結集し、新自由主義に抗する新たな労働運動の扉を大きく押し開こう。