2010年5月31日

市東さん、萩原さん奪還へ

週刊『前進』06頁(2441号1面2)(2010/05/31)

市東さん、萩原さん奪還へ

 三里塚 公聴会粉砕デモ爆発 ”団結街道閉鎖阻んだぞ”

 5月24日、三里塚芝山連合空港反対同盟の呼びかけによる、「第3誘導路」公聴会を粉砕する実力デモが、不当弾圧をのりこえて大爆発した。
 市東孝雄さん追い出しだけが目的の「第3誘導路」を絶対に許すな! 
しかも当事者中の当事者の市東さんを逮捕して行われる公聴会など、木っ端みじんに粉砕する以外ない。(関連記事3面)
 午後2時、雨の中を東峰の開拓組合道路に、反対同盟を先頭に115人の労働者・農民・学生・市民が結集した。市東さんの決起に続き、5・20現地闘争で団結街道閉鎖攻撃を実力粉砕した確信がみなぎっている。
 冒頭に北原鉱治事務局長が、「公聴会は市町村長が勝手にやっているが、本当の住民は全然いない。基地撤去を求める沖縄県民とわれわれの怒りは共通だ。公聴会粉砕のデモに立とう!」と激しい口調で訴えた。
 続いて動労千葉の長田敏之書記長が市東さん逮捕を徹底弾劾し、1047名闘争の新たな全国運動を開始する6・13集会への大結集を訴えた。
 参加者は車で移動し、公聴会会場の成田国際文化会館建物を見下ろす根子名川沿いの土手に再結集し、デモに出発した。
 機動隊はいつになく極端に居丈高で、デモ隊への暴力的な弾圧を繰り返してきた。特にデモの先頭に立つ萩原富夫さんと鈴木謙太郎さんに対し、威嚇と挑発を集中してきた。そしてデモコースの終わり近くで萩原富夫さんに突如一斉に襲いかかり、暴力的に連行し、数人がかりで地面に組み伏せ、手錠をかけて逮捕するという暴挙に及んだ! デモ隊の怒りが爆発し、弾圧・規制と激しく衝突しながら抗議をたたきつけ、再び出発地点の土手に到着する周回デモを貫徹した。
 萩原進事務局次長は、「市東さんは”俺たちが本気であることを知らしめた”と獄中からアピールしている。非常に確信に満ちた叫びだ。これを正面から受けとめて反対同盟は、5月〜6月をとことん闘いぬく」と訴えこの日を締めくくった。

 開示公判 不当勾留を徹底追及 闘う市東さんを熱く激励

 翌25日、市東孝雄さんと現闘のAさんの勾留理由開示公判を迎えた。反対同盟を先頭に100人に迫る労農学が午後、千葉地裁に結集した。
 ところがこの日の法廷は傍聴席がたったの18席! しかも東京地裁でおなじみの暴力職員たちがここ千葉地裁にまで派遣されている。
 午後3時に開廷。市東さんとAさんは元気な顔を見せてくれた。全学連副委員長の倉岡雅美さんが、「不当な勾留弾劾! 市東さんを釈放せよ!」と心からの叫びを上げた。遠藤圭一郎裁判官は即座に退廷命令を発し、倉岡さんを法廷から暴力的に排除した。
 葉山岳夫弁護士を先頭に顧問弁護団が徹底的に追及し釈明を求めた。
 市東さんに「逃亡のおそれがある」というのが勾留の理由だが、農地を守り耕し続けると宣言している市東さんがどうして「逃亡」などするものか。NAAの看板の内容は、市東さんの営農を妨害する不当なものだ。こんな看板をNAAが勝手に設置すること自体が道路交通法違反である。そもそも裁判官は44年続く三里塚闘争を正しく認識しているのか。
 だが、遠藤裁判官は一切の応答を居直り的に拒絶した。こんなデタラメがあるか! 抗議の声を上げた反対同盟の萩原事務局次長、婦人行動隊の鈴木加代子さん、太郎良陽一さんら計6人が退廷させられた。
 弁護団は暴力的訴訟指揮を弾劾しつつ、2時間超の追及をやりぬいて、遠藤が音を上げる寸前まで追いつめた。法廷でも完全黙秘を貫いた市東さんは、最後に傍聴席に向け「みなさん、ありがとうございました」とお礼を述べた。ただ一言にすべてが込められている。
 閉廷後、全員が裁判所裏手に移動し、成田警察署に送り返される市東さんとAさんの乗る車両を取り囲んで見送り、声援・激励を送った。
 その場で行われた総括集会で北原事務局長は、「こんな裁判官がいるのかとあきれた! 闘う以外にない」と弾劾した。萩原事務局次長は、「反対同盟は火の玉となって闘うと宣言し、市東さんはそれを実践している。成田市はあせって異常な早さで団結街道廃道化へ向けてNAAへの売却手続きを進めている。われわれは、もう一段闘いを前に進めよう」と訴えた。
 最後に鈴木謙太郎さんの音頭で団結ガンバローを三唱し、市東さん、萩原富夫さん、Aさんの奪還を誓い合った。