2010年5月24日

泉佐野 “階級的労働運動路線の勝利”

週刊『前進』06頁(2440号3面3)(2010/05/24)

泉佐野 「財政健全化」攻撃と対決
 “階級的労働運動路線の勝利”

 5月16日投開票の泉佐野市議選で、国賀祥司候補(関西新空港絶対反対泉州住民の会事務局長、関西合同労組特別執行委員)が1192票を獲得して20位で7選を果たした。これは首切りと団結破壊の民営化・道州制攻撃と対決し、階級的労働運動路線を貫いてもぎり取った画期的勝利だ。1192票は階級的団結で泉佐野を変え、全国に波及する偉大な階級決起だ。
 国賀陣営は、公務員バッシングの嵐の中で真っ向から「市職員削減絶対反対」を訴えて闘った。国賀候補以外の全候補が、資本家の先兵として「財政再建」「公務員削減」を叫ぶ中、国賀陣営は「空港の借金の責任は労働者にも住民にも一切ない」「首切りと民営化と増税の夕張化計画=『財政健全化計画』絶対反対」を訴え、保育所や市立病院前を始め市内全域で大宣伝し、署名運動に取り組んだ。「赤字で国(市・会社)がつぶれたらどうするんだ」という恫喝に対して、「国(市・会社)なんかつぶれていいんだ。労働者の団結こそ社会を動かす力だ」と革命を対置して獲得する闘いだった。
 こんな選挙戦は初めてだ。われわれは階級的労働運動路線を貫き、自治体職場に「絶対反対派」をつくりだすことを目的として闘い抜いた。
 今回の選挙戦の大勝利の核心は、市職労(自治労連)前委員長の日本共産党現職をたたき落として国賀候補の当選をかちとったことだ。労働組合を巡る日共との党派闘争に競り勝ったのだ。日共候補は、自らの出身母体である市の職員に大量首切りと民営化攻撃がかけられているのに完全逃亡し、「住民主人公」「地域住民の繁栄なくして自治体労働者の幸福はない」(4月23日付市職労機関紙)とし、最終盤では「健全化計画」に一切触れず、「どぶ板」宣伝に明け暮れ、自治体労働者から見放された。
 市職員と住民に536億円もの借金を押しつける「健全化計画」の主軸は、公立保育所すべての民営化と市立病院の独立行政法人化だ。
 保育所前では保育士や保護者の大多数が署名に応じ、病院前では多くの看護師や出入りの医療労働者、患者、見舞客が「空港の借金のために市立病院を切り捨てるなどもってのほか。公立病院を金もうけの医療に変える民営化反対」と口々に語り署名に応じた。
 われわれは、職員や住民の中に「健全化計画」=民営化への圧倒的怒りが存在していることに確信を深め、告示日直前に保育労働者交流会と医療労働者交流会を行った。
 討論を進める中ではっきりしたことは、3月末の保育所1園民営化と1園の廃園によって三十数人のパート保育士が雇い止め解雇されていたことだ。市当局は、当初「5園は残す」としていたが、今や7園全部の民営化と幼保一元化を進めている。自治労連執行部はパート労働者の大量首切りを容認した。保育労働者の多くが「健全化」反対署名に応じたのは、首切り容認の自治労連執行部のもとでは生きていけない、闘って撤回させたいという強い思いからだ。
 病院では、動労千葉の業務外注化阻止の闘いや、八尾北医療センター労組の民営化阻止闘争を伝える関西合同労組のビラを見た若い看護師が「今の組合に入っている意味がない」と自治労連を弾劾した。交流会をとおして、今こそわれわれが自治労連執行部を打倒して主流派にならなければならないことを確信した。
 青年労働者が多く住む新興住宅地を中心に、市内全域のスーパー・団地などで、候補者を先頭に、関西合同労組、労組交流センターも街宣やスポット演説、ねり歩きに決起した。最後の最後まで「財政健全化計画を労働者住民の団結で阻止しよう」「民間も公務員も労働者は一つだ。沖縄やギリシャのように労働者の団結で社会を変えよう」と訴え、勝利をもぎりとった。
 資本主義の終わりの時代の選挙闘争は、新自由主義の手先として登場する全勢力との大党派闘争、権力闘争の場だ。「財政健全化」絶対反対は、階級的団結で資本主義を打倒し、プロレタリア革命へ突き進むスローガンだ。それを貫いてわれわれは勝った! 全国の同志たち、泉佐野に続け!