2010年5月24日

5・15沖縄 “普天間は即時閉鎖だ” 1万7千人が包囲行動

週刊『前進』06頁(2440号3面1)(2010/05/24)

5・15沖縄 沖縄と国鉄の闘い一つに
 「辺野古案」に新たな怒り
 “普天間は即時閉鎖だ” 1万7千人が包囲行動

 沖縄全島9万人が決起した4・25県民大会——この闘いで2010年の安保・沖縄闘争は完全に新たな地平に入った。
 鳩山は「米軍が果たす抑止力は重要」と沖縄に基地と日米安保を容認しろと迫り、再び辺野古沖埋め立て案を持ち出した。ふざけるな! すでに沖縄の労働者人民は闘って勝つ以外に進むべき道がないことを自覚して闘いを開始した。それが4・25島ぐるみ決起だ。
 あれから20日後の5月16日、土砂降りの雨をついて1万7000人が米軍普天間飛行場の周囲13㌔を包囲し「普天間基地を返せ!」と怒りを一つに叫んだ。この県民の大行動を生中継したラジオ沖縄からは、「私たちがいやなものをどこに移せとは言えない。基地は閉鎖してほしい」「子どもたちの未来に基地はいらない」という沖縄県民の思いが発信された。
 この激しく燃える沖縄の魂に揺さぶられ、全国から駆けつけた青年労働者・学生は、沖縄労組交流センターと合流し350人の部隊で普天間包囲行動に参加した。あちこちで地元沖縄国際大の学生や住民との感動的な交流が生まれた。「団結して闘えば基地は撤去できる!」「めっちゃ楽しい!」——ずぶぬれで寒さに震えながらも、参加者の解放感あふれる笑顔が広がった。

 青年集会 職場報告を軸に討論 “本当の主流派に飛躍を”

 沖縄青年会館で16日、「大恐慌情勢下の新自由主義と対決する労働運動を」と題しオキナワとヒロシマを結ぶ全国青年労働者交流集会inOKINAWAが開かれた。昨年までと趣を変え、職場報告と討論を中心に、職場生産点から階級的労働運動の路線と実践を打ち立てる集会となった。
 まず全逓の青年労働者が、少数から始まった郵政民営化反対の闘いが、管理職や本部派役員との激突をとおして仲間を増やし、JPEX子会社化と強制出向粉砕の闘いとして爆発したことを報告。「10万人正規職化」についても「攻撃だと言うだけでなく『郵政職場で働く非正規の仲間を全員正社員にしろ』と当局の分断を打ち破る闘いをていねいに議論していく必要がある」と語った。
 非正規を組織する労組の青年は、調整休や能力給導入、雇用期間短縮、直接雇用から派遣会社への転籍との闘いを報告。厳しい討論の末にスト方針が否決されたこと、スト反対の仲間も含めて全員ビラまきを提起し全員をオルグしたことなどを報告し、組織拡大で会社と闘う決意を語った。
 公共交通の労働者は、当局と組合が結託して下請け会社をつくって外注化を進める現実を怒りを込めて弾劾、組合はどっちの味方なのかと役員選挙に立候補したことを報告。まだまだ現場の怒りが組織できていないことが悩みだと語った。
 大阪の自治体労働者は、非正規職導入絶対反対を貫き、今まで反発していた労働者が「原則を貫くのは君だけだ」と支持に回ったと発言。要員削減と非正規の増加の中で労働者の怒りが仲間に向かう現実に対し「社会をひっくり返す革命の立場で闘おう」と訴えた。
 討論では、交運労働者が数年来の賃下げや非正規化の攻撃にあきらめムードも漂う中、職場の全員を組合に組織する方針を提起、「組合は解散しろ」と言っていた労働者がオルグを始めるなど、「現場の労働者はバラバラでは駄目な時代だと感じ始めている」と手応えを語った。
 さらに「日勤と夜勤を同じ賃金にする合理化は許せない」「戦後労働運動の限界を超える労働運動をつくろう」「管理職に謝らせた」など活発な報告・発言が続いた。
 動労千葉の佐藤正和さんは「日本の労働運動の未来をかけて中野洋になろう。労働運動を天職に」と語った。動労水戸の石井真一委員長は、労働者を動労千葉と合流させないために協会派や日本共産党が全力を注いできた歴史を語り、いまこそこれを打ち破ろうと述べた。最後に医療労働者が「職場に本当の主流派としての団結をつくろう」とまとめ6・13集会への組織化を訴えた。

 学生集会 米軍基地撤去・日帝打倒へ 決戦突入を熱く宣言

 5月16日、普天間包囲行動を終えた全学連は、那覇市内で5・16全国学生集会inOKINAWAをかちとった。
 織田陽介委員長が「帝国主義を打倒する学生運動の壮大な復権に向かって」と題して基調報告を行った。全国の学生、とりわけ初参加者に向かって織田委員長は「沖縄人民の積もりに積もった怒りは、なぜ今まで抑えつけられてきたのか?」と問い、「もはや帝国主義戦争と労働者人民は和解できなくなった。ここに時代認識の核心がある」「沖縄闘争が日米安保の命運を握る歴史的過程に突入した。学生運動の爆発で応えよう。本土の学生・労働者がともに立ち米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒まで突き進もう」「今次の沖縄闘争の意味は、学生の団結した行動が無限の可能性を持っているとはっきりさせることだ」と訴えた。そして、国鉄闘争6・13大集会から8・6ヒロシマ大行動へ、法大処分撤回闘争と全国自治寮決戦をとおして「仲間を大事にする組織として登場した時、巨大なインパクトが生まれる。70年闘争の地平を体現して獄中35年、闘う星野文昭さんを奪還する現実性もここにある」「没落する体制内党派を打倒し、真の労働者党を建設しよう」と呼びかけた。
 法大文化連盟の斎藤郁真委員長が戦争と大恐慌の歴史をとらえ、「新自由主義に抗し、世界の学生が『教育の民営化反対!』の同じスローガンで闘っている。われわれの運動がどれほど世界的であり、全体的なものか。学生運動と沖縄闘争は一つのものになろうとしている。基地撤去、処分撤回で闘おう!」とアピールした。
 広島大学の鈴木研也君が8・6ヒロシマへの結集を訴え、法政大学の倉岡雅美さんが「法大1千筆—全国1万筆の署名の力で絶対に処分を撤回させよう!」とアピール。6月ブラジル訪問に向けて松室しをりさん(全学連国際部)は「全学連・文化連盟の闘いの内容で世界の仲間も獲得する」と決意を語った。
 京都大学熊野寮、東北大学日就寮、富山大学新樹寮が次々と全国学寮決戦アピール。法大に続く闘いの火柱が自治寮から噴き上がり始めた。
 1年生を先頭とする初参加者全員が前に並んで集会は最高潮を迎えた。
 「沖縄で闘えば変えられると思った。熱い仲間がここにいる!」「労働者・学生は団結できるのかと思っていたが、沖縄に来て集会に出て、なんだ、団結してるじゃないかと!」「あふれるパトスを抑えつけるやからを粉砕しよう!」
 沖縄闘争で組織を拡大し、全学連と法大闘争は新たな進撃を始めた。