2010年5月17日

第21回外登法・入管法と民族差別を撃つ全国研究交流集会

週刊『前進』06頁(2439号6面1)(2010/05/17)

“世界の労働者はひとつ”と大合流
 第21回外登法・入管法と民族差別を撃つ全国研究交流集会
 民主労総ソウル本部迎え
 6・13大集会へ総決起を宣言

 5月9日、横浜市鶴見で開かれた第21回外登法・入管法と民族差別を撃つ全国入管研究交流集会に510人が集まった。韓国から民主労総ソウル地域本部とソウル京畿仁川(キョンギ・インチョン)移住労働者労働組合が参加。ソウル本部のノミョンウ首席副本部長のリードで「労働者は一つだ!」とこぶしを突き上げた。動労千葉の田中康宏委員長が「地球全体に満ちている労働者の怒りを6・13大集会に結集しよう!」と大号令を発した。11月労働者集会に連なる「春の労働者集会」として、在日・滞日外国人労働者との団結を拡大し、民族・国籍・国境を越えた階級的労働運動の展望が指し示された。民主党・連合政権を打倒し、入管体制を粉砕しよう。(本紙・室田順子)

 労働運動と国際連帯で

 集会に先立って「全学連の訪米報告」のビデオが上映され、3・4カリフォルニア100万教育ゼネストの高揚感が会場内にあふれる中、司会の三浦半島教組の教育労働者と全学連・坂野陽平君が開会を宣言した。
 婦人民主クラブ全国協代表の西村綾子さん(相模原市議)が開会あいさつに立ち、「実践に次ぐ実践の1年を闘って集まった。ギリシャでは労働者を犠牲にする国家など滅びてしまえとゼネストが闘われている。この水脈を大河のうねりにしよう」と呼びかけた。
 全学連の松室しをり国際部長が「教育の民営化粉砕のスローガンで世界とつながった。この闘いを勝利させるために組織をリーダーをつくらなければならない」と訪米闘争でつかんだ確信を力強くアピールした。
 憲法と人権の日弁連をめざす会の森川文人弁護士は、「韓国併合100年」が民衆の闘いとそれを分断しようとする予防反革命の歴史だったと語り、「裁判員制度も裁く者と裁かれる者の分断だ。もう終わりにしてしまおう」と、裁判員制度にとどめを!5・18大集会への結集を訴えた。
 獄中35年、無実の星野文昭同志から届いた「あらゆる分断をのりこえた労働者人民の団結した力でこの資本主義・帝国主義を終わらせ、全世界を人間本来の姿を回復した真の共同社会としていく。私たちの闘いは今そのことに挑戦しています」との熱いメッセージを茨城・星野文昭さんを取り戻す会が代読し、無期懲役と闘う星野同志の奪還を訴えた。
 集会のメイン企画は、牛久入管収容所問題を考える会とともに登壇したビルマ、クルド、イラン、スリランカ、パキスタンなどの滞日外国人たちのリレートークだった。まず、牛久の会の田中喜美子さんが鳩山政権下で収容者の自殺・自殺未遂が続発していることや、強制退去の執行中ガーナ人がに航空機内で死亡した事件などを報告、15年にわたる入管収容者との面会行動を踏まえて収容の実態を告発した。「怒りのマグマが収容所の中で燃えさかっています。移民、難民を生み出した新自由主義そのものを倒す力はここにあります」
 難民申請者たちも「安心して住めること、難民申請しても収容されないこと、これが大事。日本の今の制度を変えなければならない」「入管収容所は刑務所と同じ。今、戦争になったらどうなるか。世界中で戦争をやめてほしい」などと、口々にアピールした。
 続いて、昨年に続き、静岡労組交流センターの労働者が、派遣切りに遭って仕事と住居を一度になくし県営団地に緊急入居した日系ブラジル人・ペルー人たちが、期限切れによる追い出しと団結して闘い、期限延長をかちとっていることを報告した。朝鮮学校の保護者は民族差別への怒りと署名運動の取り組みを訴えた。

 怒りを一つにして反撃

 全国実行委員会から「怒りを一つに! 民主党・連合政権を打倒しよう!」と鮮明な基調提起が行われた。「在日・滞日外国人労働者とともに怒りを一つに団結し、民主党・連合政権を打倒しよう。大恐慌下の入管闘争を実践しましょう。労働者階級が民族・国籍・国境を越えて団結した時に国家権力によってつくられた入管体制は必ず粉砕することができます。その闘いの柱が動労千葉が呼びかける国鉄分割・民営化反対、1047名解雇撤回の新たな全国大運動の推進です。団結して勝利しましょう!」
 韓国から駆けつけた民主労総ソウル本部のノミョンウ首席副本部長、移住労組のミッシェル委員長、チョンヨンソプ事務次長が登壇し、「労働者はまさに闘いの中で一つになる」と宣言、新たな日韓連帯の闘いがスタートした。(発言別掲)
 動労千葉の田中康宏委員長が特別報告に立ち、6・13大集会に向け、歴史的な大号令を発した。「分断の根を断つ闘いに立ち上がろう。国鉄分割・民営化から24年、今度の『政治和解』は日本の労働運動の火を消そうとする攻撃。だけど逆に日本中に火をつけて回れば、労働運動の誇りを取り戻すワンチャンスになる。ここで反撃に立とう! 6・13大集会に3000人の大結集を実現しよう」
 東京労組交流センターの青年労働者が決戦の5・15沖縄闘争への檄を飛ばし、全学連の織田陽介委員長が「入管体制への怒りを形にしなければならない。それは職場、キャンパスで闘うことだ。私たちが変わらなければこの社会は前に進まない。私たちは差別を打ち破る力を持っている。動労千葉の闘いが示している。韓国の労働者の闘いに応える闘いを5−6月絶対にやろう!」とまとめた。団結ガンバローとインターナショナルが会場にこだました。
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第3章 6・17起点にゼネストへ 民主労総ソウル本部 ノミョンウ首席副本部長
 労働者は一つだ!
 世界の労働者は一つだ! 民主労総ソウル本部16万組合員に代わって熱い連帯のごあいさつを申し上げます。
 資本は新自由主義の名のもとで世界の労働者の血を吸って蓄積しているものです。検修業務の外注化を闘いをもって粉砕し、民主党政権と闘い、国鉄闘争の解雇者たちの原職復帰のために献身的に闘っておられる動労千葉の同志の皆さんに敬意を表します。
 今の韓国はイミョンバク政権のもとでイミョンバク個人の会社のように運営されています。労働者民衆には法を守れと強制しながら、自分たちは守っていません。民主労組が団体交渉をできないように改悪されました。公務員労組も設立申告を3度にわたって却下されました。鉄道労組や全教組など公共部門の労働者が弾圧されています。韓国1600万労働者のうち1000万人が非正規労働者です。
 民主労総は怒っています。すでに貨物・トラックなどの労働者はストライキに入っています。民主労総は6・17を起点にゼネストに入ります。
 必ずイミョンバク政権を打倒するゼネストにし、勝利の報告を皆さんに届けます。

 連帯の力見せつけよう ソウル京畿仁川移住労働者労働組合 ミッシェル委員長

 動労千葉のもとに結集する日本の仲間の皆さん。遠く離れていても、言葉や文化が異なっていても、世界中の労働者にとってそんなことはなんの障壁にならないという証しがここにあります。
 資本主義・帝国主義が不当で抑圧的な現実をもたらしています。根本的な問題は登録・未登録を含めた移住労働者の数の多さではなく、移住労働者が祖国からの追放を余儀なくされ、生きていける場所を求めてさまよっているということです。
 労働者が互いに競争しあうことは、私たちを敗北へと導いてしまいます。移住労働者とその国に暮らす労働者は敵対的ではなく、同志的な関係であるべきです。労働者は本来、人種や肌の色、宗教、ジェンダー、階層で分断されるのではなく、それを克服してともに事を成し遂げる存在なのです。
 わずかな機会をとらえて行動を起こしましょう。極力妥協しないでいきましょう! 私たちの権利は安売りしません。
 心配はいりません。私たちの団結にはものすごい力があることをやつらに見せつけてやりましょう。
 私たちのパワーは連帯の力です。国際連帯万歳!