2010年4月 5日

難民を収容するな! 朝鮮学校排除 高校無償化法弾劾 革共同入管闘争組織委員会

週刊『前進』08頁(2434号7面1)(2010/04/05)

難民を収容するな! 「在留カード」導入阻止!
 階級的団結で勝利開け
 戦争・民営化と排外主義の民主党・連合政権打倒を!
 朝鮮学校排除 増税と戦争の道 高校無償化法を弾劾する
 革共同入管闘争組織委員会

 世界は革命情勢だ! 2〜3月動労千葉は第2次国鉄決戦への突入を宣言し、1047名解雇撤回、検修・構内業務全面外注化阻止を掲げた4波のストライキを闘いぬいた。全国結集で闘った2・13JR東日本本社デモ、3・20イラク反戦決起から3・28三里塚総決起集会へ、民主党・連合政権との激しい攻防を全一体のものとして闘い進んだ日本階級闘争は、4・1検修外注化を完全に阻止するに至った。世界大恐慌の深まりの中、この闘いこそ、4者4団体の屈服和解路線の対極で闘う労働組合をよみがえらせ、全世界を労働者階級の手につかむ道だ。「民族・国籍・国境を越えたプロレタリアートの階級的団結こそ、帝国主義の侵略戦争・世界戦争を実力で阻止し、プロレタリア世界革命を現実にたぐり寄せるものである」(革共同の綱領草案)。国際連帯と共同闘争の場である4〜5月入管闘争への総決起を訴える。

 綱領草案のもとに世界革命の実現を

 世界大恐慌はますます深まり、世界各国が国家存亡の危機に瀕(ひん)するまでに至った。200億ユーロ(約2兆5229億円)の国債償還期限を4〜5月に控えたギリシャでは、過酷な財政緊縮政策が労働者階級に襲いかかっている。これに対し2月24日、全人口1116万人中300万人の労働者がゼネストに立ち上がり、続く3月5日には財務省を労働組合が占拠する中、官民2大労組を先頭とするゼネストが爆発した。
 このギリシャのデフォルト(債務不履行)危機を前にEU諸国は、IMFの介入を回避したいが、自らが財政援助に乗り出そうとはしない。帝国主義諸国には何の解決策もない。
 これはヨーロッパだけのことではない。日帝の債務残高は対GDP比197%で、1000兆円に迫っている。ギリシャ(同比111%)より日帝の方が一層深刻だ。
 「今や大恐慌をプロレタリア革命に転化することだけが、大失業と戦争(核戦争を含む)の破局を阻み、労働者階級はもとより全人類を破滅への行進から救い出す唯一の道である。全世界に巻き起こる労働者や農民の『生きさせろ!』の叫びを、今こそ現実の革命に転化する時だ。
 一切のかぎは、資本のもとで徹底した分断と競争にさらされている労働者が、この分断を打ち破って階級としてひとつに団結して立ち上がることにある。この団結の発展の中に、奪われてきた人間本来の共同性が生き生きとよみがえってくる。これこそが労働者階級のもつ本当の力である。社会を変革する真の力はここにある」(革共同綱領草案)

 排外主義で分断

 民主党・連合政権のもとであらゆる階級攻防が激突局面となっている。
 普天間基地の県外移設とともに民主党が政権公約で打ち出し、民主党への集票を加速したとも言える「子ども手当」法案が3月26日、「高校無償化」法案が31日に国会で成立し、4月1日をもって動き出した。
 この高校無償化法案をめぐっては、中井拉致担当大臣(国家公安委員長)が「(朝鮮学校の生徒は)日本が制裁している国の国民だ」と朝鮮学校を対象から外すように要求したことに端を発し、鳩山首相も「朝鮮学校で教えていることが見えない」と呼応し、さらに大阪府知事・ファシスト橋下が「北朝鮮という国と暴力団は基本的に一緒。暴力団とお付き合いのある学校に助成するのがいいのか」と暴論を騒ぎ立てた。これは「外国人参政権」法案をめぐって繰り広げられた反北朝鮮キャンペーン同様、在特会(在日特権を許さない会)などの極右反動をテコにした「官製」の民族差別・排外主義の扇動だ。
 公立高校生徒の授業料を無料にし、私立高校生徒にも同等額(11万8800円)を助成するという高校無償化法。支給対象は、国籍を問わず日本国内に住む高校生で、一般高校だけでなく、省令によって専修学校の高等課程や大半の外国人学校も含まれる。
 朝鮮学校については4月実施を見送り、夏までに文科省が設置する第三者委員会で審議して決めるとしたが、「7月参院選への悪影響を避ける」ためだ。
 高校無償化に必要な年間約4千億円の財源を確保するため、16〜18歳の子どもがいる世帯を対象とした税金の優遇措置(特定扶養控除)が段階的に削減される。高校に通わない16〜18歳の子どもを扶養する世帯は税負担だけが増える。年間6万6千人(08年度)が家計などの理由で高校を中退しているのが現状だ。しかし、不登校の生徒らが通うフリースクールは無償化の対象外だ。授業料が安い定時制や特別支援学校などに通う子どもがいる場合、年収600万円の3人世帯では定時制で3640円、特定支援学校では3万5800円もの増税となる。
 民族差別・排外主義の扇動の中で強行されているのは、労働者の大量首切りと福祉解体と増税↓戦争への道だ。われわれのスローガンは法大闘争で、3・4カリフォルニア全州100万人ゼネストで高々と掲げられた「教育の民営化粉砕!」「公教育を守れ!」でなければならない。

 私たちが犯罪者? 私たちは人間だ!

 昨年1年間に難民認定申請を行った人は1388人、難民認定をしない処分に対して異議申し立てを行った人は1156人(前年比2・7倍)に上ったが、難民認定はわずか30人なのだ。
 「民主党政権になって入管はひどくなった」というのが、難民申請者を始め、収容者への面会行動を続ける人びとの実感だ。収容の長期化に加え、再収容・再々収容の激増、女性や子どもたちを含む家族全員の収容攻撃が強まっている。
 再収容攻撃は、法務省が「(09年)人道的な理由に配慮し特に在留を認めた者は過去最高の501人」だったと自慢する特別在留者にも及んでいるのだ。「人道的配慮」などと言えるものではない。
 昨年7月、自民党政権下で民主党も賛成して成立した改悪入管法は、外登法を廃止し、新たに「在留カード」を導入することで外国人管理を入管法に一元化しようと狙ったものであり、3年以内とされる「在留カード」導入までに難民申請者を始め在留資格を持たない外国人を排除・一掃しようという攻撃だ。
 茨城県牛久市にある東日本入管センター(牛久入管収容所)では2月8日、退去強制令書が出ていた25歳の日系ブラジル人が自殺し、それ以降も何件かの自殺未遂が起きている。
 3月22日には強制送還中のガーナ人(45歳)が東京入管職員の「制圧」を受けて飛行機内で死亡するという事件まで起きてしまった。まさに入管当局によって虐殺されたのだ。
 大阪・茨木市の西日本入管センターでは1年以上の長期収容からの解放と劣悪な医療体制の改善を要求し、男性収容者のほぼ全員、約80人が集団ハンストに立ち上がっている。
 母国での反政府闘争、民主化闘争に立ち上がり、難民として逃れてきた日本で闘いを継続している難民・難民申請者こそ、誇り高き労働者階級そのものだ。
 民主党政権への怒りは天に届くほどだ。「難民を収容するな!」「私たちは犯罪者ですか? 私たちは人間です!」「千葉法務大臣、私のお父さんを返せ!」——この怒りと結合し、入管体制を粉砕しよう。

 在日・滞日外国人に敵対する塩川一派

 この極悪の民主党・連合政権にすり寄り、この期に及んで「さしあっては露骨な新自由主義政策や反動政策をうち出せないでいる。自公政権の中で強行された反動法や反動政策を……変更させる要求を突きつけ、実現させよう」などと擁護しているのが塩川一派だ。
 『展望』第6号に掲載された「『7・7思想』と入管闘争」なる中沢慎一郎論文こそ、91年5月テーゼ以来の階級的労働運動路線=動労千葉労働運動を憎悪し、血債主義に逃げ込んだ上、ついには国家権力に投降し、事実を歪曲した組織暴露で革共同と労働者階級を日帝に売り渡そうとする転向文書であり、入管闘争破壊文書である。だが悲しいかな、その組織暴露は、ごく限られた地域のみを対象にしたものでしかなく、中沢自身がいかに党的トータリティに欠けた人間であったのかを自己暴露している。
 さらに、国際階級闘争の新たな発展への敵対文書であり、故中野洋同志への許し難い襲撃文書である。
 昨年7月のサンフランシスコ国際会議を大きな転換点として国際連帯は新たな地平に突入した。この地平を実現したものこそ、国鉄分割・民営化と営々と闘ってきた動労千葉であり、「誰も手を付けようとしなかった国家を越えて労働者は一つだということを実践しようとしたのはまさにあなたでした」と民主労総ソウル本部のコジョンファンさんが弔辞でたたえた動労千葉の中野洋顧問その人だったのだ。
 中沢は、「在日人民をプロレタリア革命の主体的存在として措定した」と言いながら、その対極で「日本の労働者階級は、差別・抑圧との闘いを極めて自覚的・目的意識的に自己の課題としてすえて闘うこと抜きに、自己の階級性を形成することはできない」と言う。労働者階級への絶望を組織し、革命情勢を前にして民族・国籍・国境を越えた国際的団結を否定し、階級的合流と共同闘争、単一の党建設、世界革命の実現を永遠の彼方に追いやろうというのだ。
 あらためて宣言する。わが革共同はついに確立した綱領草案のもと、労働者階級自己解放の闘いの全面的な貫徹とその完全な勝利を成し遂げる。労働者階級の階級的解放は同時に、階級社会のもとでのあらゆる抑圧・差別からの人間の解放なのだ。この道を進もう!

 東西入管集会へ

 今年も「打ち破ろう分断! 取り戻そう団結! 民族差別・排外主義と入管体制を打ち破り、全世界の労働者は団結しよう!」のスローガンのもと、2010年外登法・入管法と民族差別を撃つ東西研究交流集会が実行委員会から呼びかけられている。「敵の常套手段は『分断』です。分断を許さず、団結して闘えば勝利できるのです」「研究交流し集会を“春の労働者集会”としてかちとり、民族・国籍・国境を越えて一つに団結しましょう! 『希望は団結』です。皆さんのご賛同、ご参加を心より呼びかけます」(全国実の呼びかけ文より)
 4・18関西集会(大阪・東成区民ホール)、5・9全国集会(横浜・鶴見公会堂)に結集し、在日・滞日外国人労働者との国際的合流を実現し、勇躍、世界革命へと前進しよう!