“処分は私の誇り” 7年目の不起立貫く
“処分は私の誇り”
東京「日の丸・君が代」闘争 7年目の不起立貫く
東京都教育委員会は3月30日、3月卒業式で「日の丸・君が代」強制に反対して闘いぬいた教育労働者4人に対して不当処分を発令した。
都立高校で働く教育労働者1人に対して減給(10分の1)1カ月(2回めの不起立処分)、都立特別支援学校の1人に減給(10分の1)6カ月(4回めの処分)、中学の1人に停職1カ月(4回めの処分)、小学校の音楽教員に停職1カ月(ピアノ不伴奏3回、再発防止研修未受講1回)である。
03年「10・23都教委通達」から7年目の卒業式を前にして、抵抗闘争の粘り強い継続に追い詰められた都知事・石原と都教委は、不起立闘争の根絶へ全力を挙げた。
一貫して不起立を続けて1年前には2回目の停職6カ月処分を受けた河原井純子さん(都立特別支援学校勤務)に対しては、1年前に担任を高等部から小学部に変更し、卒業式当日は「新型インフルエンザ対策」を理由に通常授業を行わせて式に参加させなかった。あらかじめ「不起立する」と表明していた労働者に対しては、職務命令を出さず、当日も不起立を見て見ぬふりで現認しなかった校長や、式2日前に式場外に追い出す職務命令を出した校長もいる。
しかし、あらゆる手だてをつくしても、闘いを封じることはできなかった。東京の教育労働者は誇りも高く、堂々と不起立・不伴奏を貫いたのである。
不当処分を受けた教育労働者は発令の翌31日、全水道会館で処分発令弾劾集会と記者会見を行った。(発言別掲)
7年間の闘いをとおして、不起立闘争は、日教組本部打倒へ闘う現場組合員の全国的なつながりをつくり出し、力強く前進してきた。東京の闘いと団結して、全国の教育労働者の不起立闘争も大きく広がっている。
この団結をさらに広げ、教育の民営化、戦争・改憲と対決し、民主党・連合政権を倒そう。
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被処分者の声
都立高校教員
校長は前日まで「国歌斉唱時までビデオ撮影をして、その後、担任の席で生徒の呼名を」と言っていたが、式当日朝になって「都教委が『担任には担任の業務をさせろ』と電話してきた。開会時から担任の席に着くようお願いする」と言ってきた。私は「起立できない」と告げ、不起立した。都教委による上意下達の命令体制の象徴が「日の丸・君が代」強制。だから従えない。札束でひっぱたかれようが、誇りを持って働きたい。
市立夜間中学校の教員
不起立・不斉唱は、思想・良心の自由を公務中に侵害されることに対する抵抗。たった40秒だが、とても大きな意味を持っている。今回もまた処分されたが、懲戒免職や分限処分の適用を阻んだ。現場の教員は、都教委の処分や強制をけっして受認はしていない。
区立小学校の音楽教員
再発防止研修を受講しなかったことで受けた処分は、私の誇り。自己申告書や週案をずっと提出しなかったことも、私の誇り。子どもたちは私がピアノ伴奏をしないことも知っている。「君が代」の授業でもいろんな話ができてよかった。