またも労働者を殺した 宮ノ平駅・両国駅の事故弾劾
またも労働者を殺したJR資本
宮ノ平駅・両国駅の事故弾劾
JRの下請け労働者がまたも事故で殺された。
3月20日午後1時半ころ、JR東日本の青梅線・宮ノ平駅構内で、下請け会社の27歳の労働者が、電柱に登り電線を撤去する作業中に、電柱が倒壊して線路上にたたきつけられ、死亡した。電柱は木製で、腐食していた。腐った電柱に登らせ、作業をさせるなど、安全無視の極みである。
26日には、総武線・両国駅構内で、保守用車の収容作業中に、下請け会社の58歳の労働者が保守用車とホームにはさまれ死亡した。01年以来、JR東日本は、保線・電力・信号通信など設備部門の全面的な外注化を強行してきた。この外注化こそ、事故の元凶だ。
国鉄分割・民営化以来、370人にも上る労働者が事故で命を奪われている。JRは、労働者の命をとことん踏みにじってきたのだ。しかも許しがたいことに、下請け労働者の死亡事故は、その事実そのものが社会的に抹殺されてきた。こんな現実は、絶対に覆さなければならない。闘ってこそ、労働者の命は守られる。
今やJRの安全は根本的に崩壊している。
分割・民営化の破産示す事態
3月23日には、JR東日本・目白駅で、高速無線用通信ケーブルが落下し、通過した埼京線列車がケーブルを切断、これが山手線の電車に電力を供給する架線と絡まり、ショートして、埼京線、山手線、新宿湘南ラインが約3時間にわたりストップした。乗客は長時間、車内に閉じこめられた。通信ケーブルが落下したのは、屋内用の樹脂製留め具を誤って屋外で使い、劣化して破損したことが原因とされている。しかも、ケーブル設置工事は外注会社に丸投げされ、工事後のチェックもされていなかった。
この通信用ケーブルは、駅ホームや電車内で乗客が高速インターネットを使えることを売り物に、JR東日本が設置していたものだ。駅ナカビジネスが最優先され、列車の安全運行はないがしろにされたのだ。
3月3日にJR西日本の山陽新幹線で起きたギアボックス破損事故は、きわめて深刻な事態だ。これは、脱線にもつながりかねないものだった。しかも、事故が起きたのは最新鋭車両N700系だ。その後も、N700系で異音が発生するなどの事態が続いている。
JR資本は、大恐慌下で収益が落ち込む中、高速鉄道の海外輸出に命運をかけている。海外での高速鉄道建設は、激しい帝国主義間争闘戦の場になっている。その時に、新幹線の最新鋭車両で起きた重大事故は、国鉄分割・民営化の大破産をあらためて示したのだ。
動労千葉を先頭とする闘いは、JR東日本の検修外注化4月実施を阻止しぬいた。安全を破壊する外注化・大合理化と対決し、これを阻んだ闘いの中にこそ、労働者階級の未来がある。
団結し資本と闘ってこそ、労働者は生存を全うすることができるのだ。4・25尼崎闘争に結集し、安全を全面的に崩壊させたJR体制打倒へ闘いを強めよう。