2010年4月 5日

4・25尼崎現地闘争に総結集を 事故続発と安全の崩壊

週刊『前進』08頁(2434号2面2)(2010/04/05)

4・25尼崎現地闘争に総結集を
 事故続発と安全の崩壊 青年組織しJR体制打倒へ

 6年目の尼崎事故弾劾闘争は、国鉄分割・民営化との決着をかけた大攻防が最高に煮詰まる中で闘われる。今年の尼崎闘争は、1047名解雇撤回とJRの検修外注化阻止を軸とする第2次国鉄決戦の命運を決する闘いだ。05年4月25日の尼崎事故は、国鉄分割・民営化の破産を衝撃的に突き出した。JRはこの事故を居直り、一層の合理化・外注化を強行しようとしている。これは第2、第3の尼崎事故を不可避とする。反合理化・運転保安闘争路線を貫き、JR体制を打倒しよう。

 尼崎事故を繰り返すのか

 1〜3月、4波のストライキを貫いた動労千葉を先頭とする闘いは、JR東日本の検修外注化4月実施を完全にぶっ飛ばした。国鉄分割・民営化以来24年目にして初めて、JRの合理化計画を実力阻止したのだ。決定的なことは、この闘いによって、青年労働者と大合流する展望が圧倒的に切り開かれていることだ。動労千葉派は、JR労働運動の主流派に躍り出ようとしているのだ。
 反合理化・運転保安闘争路線こそ大恐慌時代に勝利する路線だ。反合・運転保安闘争をさらに実践し、平成採の青年労働者を獲得する闘いとして4・25尼崎闘争を打ち抜こう。
 安全をとことん崩壊させたJRは、尼崎事故をまたも繰り返そうとしている。
 3月3日朝7時10分、JR西日本・尼崎駅で起きた「信号トラブル」は、第2の尼崎事故につながる深刻な事態だ。レールが折れ、1㌢も破断して通電しなくなり、信号は赤のままになった。ところがJR西日本は、レールに応急の通電装置を取り付けて信号を作動させ、ラッシュ時に列車を運行させたのだ。
 乗客を私鉄に奪われないことのみを目的に、レールが破断した状態のまま運行を強行したということだ。しかもJRは、この事故を「信号トラブル」と発表し、事態の深刻さを押し隠している。
 05年の尼崎事故当時、JR西日本・大阪支社は「稼ぐ」というスローガンを掲げていた。稼ぐためなら事故が起きても構わないというのが、今も変わらないJR西日本の姿勢だ。徹頭徹尾、尼崎事故を完全に居直っているのだ。
 同日の午後8時過ぎには、JR西日本の山陽新幹線で車軸のベアリングが破損し、煙が噴出する重大な事故が起きた。3月3日の二つの事故は、JRが尼崎事故をさらに繰り返そうとしていることを明白に突き出した。

 青年を犠牲に延命図るJR

 JR体制は、青年労働者を犠牲にして生き残ろうとあがいている。
 尼崎事故では、高見運転士(当時23歳)に事故責任を押しつけた。06年1月の伯備線事故では、青年労働者が触車死亡させられた。伯備線事故の責任も青年労働者に押しつけられ、労働者は禁固刑を受けて解雇された。JR西日本は何ひとつ責任を取っていないのだ。
 JR西日本は、4月からの鉄道事業の再編成を打ち出している。大恐慌の直撃を受けて収益が上がらない中、「採算のとれない職場は廃止する」「会社の役に立たない、利益を生まない社員はいらない」と強弁しているのだ。大合理化・首切りの宣言であり、安全をさらに崩壊させる宣言だ。
 3月26日、神戸検察審査会はJR西日本歴代社長の井手・南谷・垣内を「起訴相当」とする決定を下した。許せないことにJR西日本は、この「起訴相当」決定で尼崎事故に反動的「決着」をつけようとたくらんでいる。尼崎事故のくびきから逃れ、JR東日本のような全面外注化に打って出ようとしているのだ。
 JR西日本は、5年でクビにする「労働者使い捨て制度」である契約社員制度をさらに拡大し、運転士以外はすべて非正規職に置き換えようとしている。青年労働者をさらなる分断と競争にたたき込もうというのだ。絶対に許してはならない。
 JR東日本の検修外注化に青年労働者は怒りをもって決起している。この怒りはJR全体の青年労働者の怒りでもある。
 岡山駅の契約社員である動労西日本の山田和広副委員長は、「契約社員制度廃止」を掲げて立ち上がった。この闘いの波及を恐れたJR西日本は、3月31日付で山田副委員長の解雇を強行した。この攻撃に対し、山田副委員長は「解雇撤回・契約社員制度廃止」を掲げてストライキを貫徹した。JRの青年労働者は、この闘いに圧倒的な共感を示している。
 今こそ青年労働者獲得の闘いに打って出よう。平成採獲得はJR体制打倒に直結する闘いだ。動労千葉に続き、平成採を獲得してJR労働運動の主流派に躍り出よう。

 解雇撤回貫く全国大運動を

 1047名闘争についての「4党和解案」は、大量首切りを進める大攻撃だ。その核心は、「国鉄分割・民営化による20万人首切りを承認しろ」ということにある。民主党・連合政権はこの「4党和解案」を、日航1万6千人首切り、道州制導入による公務員労働者360万人解雇を強行するために出してきたのだ。4者4団体幹部は、その受け入れを恫喝的に闘争団に迫っている。
 ふざけるな! 何が「解決案」だ! これは1047名闘争解体攻撃だ。民主党・連合政権は1047名闘争が労働者の結集軸となり発展していることに恐怖して、この攻撃に打って出てきたのだ。
 1047名闘争解体は国労解散・JR連合化の始まりだ。国労本部は8月定期大会で「国労解散・JR連合合流」を決定しようとしている。「4党和解案」は、戦後労働運動をたたきつぶし労働運動の大再編を狙う労働運動根絶攻撃だ。
 動労千葉は「絶対に国鉄闘争の火を消してはならない。23年間の闘いの結論が『国労解散』などあり得ない。ここに数千万の労働者の怒りの声を結集させよう」と、1047名解雇撤回の新たな全国運動を呼びかけている。この大運動こそ第2次国鉄決戦の勝利を切り開く決定的闘いだ。
 4・25尼崎闘争を、この大運動を発展させる一大跳躍点にしよう。
 外注化阻止と1047名解雇撤回の二つの柱を掲げ、戦争と大失業、労組破壊に突き進む民主党・連合政権を今こそ打ち倒そう。
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 尼崎事故弾劾!
 4・25全国総決起集会
 4月25日(日)午後1時 JR尼崎駅 北口駅前広場
 主催 集会実行委員会/呼びかけ 動労千葉