米ロ「新核軍縮条約」の大ウソ 核戦争に進むオバマ
米ロ「新核軍縮条約」の大ウソ
世界核戦争に進むオバマ倒せ
世界大恐慌の嵐の中、帝国主義間争闘戦が激化し、米帝基軸の戦後世界体制の崩壊が始まった。オバマの「核なき世界」とは、米帝の圧倒的な核独占体制を再確立して核戦争と第3次世界大戦に突入していくものだ。
米帝オバマは昨年4月5日にプラハで「核なき世界」を打ち上げた。それから1年、3月5日の「核拡散防止条約」(NPT)発効40周年に大統領声明を出した。
それは米帝の核基本政策である。①全面核戦争の脅威は去ったが核拡散の危機は続いている、②核軍縮、核不拡散、核エネルギーの平和利用が「核なき世界」の3本柱、③「核戦略見直し」(NPR)では、米国の核兵器数の削減と安全保障戦略における役割の縮小を図るが、核抑止力は維持する、④核安全保障サミットで、無防備な状態にある世界各地の核物質の安全を4年以内に確保する、⑤NPTを強化し、加盟国の権利と責任を厳格なものとする、というものだ。
「核抑止力」維持
オバマは、4月6日に「核戦略見直し」を発表した。ここで言う「核戦力の役割縮小」は真っ赤なウソで、「核拡散防止条約」を順守しないイラン・北朝鮮への核攻撃を宣言し、「核先制不使用」を拒否し、生物化学兵器攻撃に対しては核で対応するとしている。「非核保有国には核攻撃しない」とペテン的なことを言いながら、「核抑止力は維持する」と、核戦争をあくまでもやる路線と態勢を取っている。
米ロは、4月8日に「新核軍縮条約」(新START)に調印した。これは、実戦配備済みの戦略核弾頭の上限数をそれぞれ1550に制限するなどと言っているが、これもインチキだ。
①未配備の「保管核弾頭」には制限がない。戦術核の制限には触れていない。戦術核は米ロともに増強しようとしている。②米のミサイル防衛(MD)がロシアの戦略核を脅かす場合にはロシアは脱退できる。③戦略核弾頭の数え方に抜け道があり、米は4500の核弾頭が維持される計算だ。
「米ロ核軍縮」は核保有国の中国、フランス、イギリスへの核重圧になるが、これら3国の反発を強め、核戦争と核戦争体制をめぐる争闘戦を激化させるものになる。
4月12、13日、ワシントンで「核安保サミット」(47カ国参加)が開かれた。「核テロは国際安全保障の最大の脅威」とし、「4年以内に核物質の管理を徹底すること」をうたった共同声明を採択した。核物質管理はそれぞれの国の責任であるとし、国内法を強化すること、特に高濃縮ウランとプルトニウムの管理の徹底を求めている。
オバマは「核なき世界」の4番目の柱に「核テロ対策」を打ち立てようとしている。そしてこの核安保サミットの内容を、5月3日からのNPT再検討会議(190カ国参加)で貫徹しようと狙っている。
「対核テロ」戦争
01年「9・11」反米ゲリラ戦を受けて、ブッシュは「対テロ戦争」を打ち出し、「外への侵略戦争、内への階級戦争」を全面的に展開した。パトリオット(愛国者)法制定と、アフガニスタン・イラク侵略戦争である。
オバマの「核テロ対策」は「対核テロ」戦争宣言だ。イラン、北朝鮮侵略戦争を核戦争として構え、全世界の階級闘争、民族解放闘争、労働運動を破壊する攻撃だ。
4月の核安保サミットにNPT加盟国のイラン、北朝鮮は招待されず、NPT未加盟国で核保有国であるインド、パキスタン、イスラエルが参加しているのがその証拠だ。
マスコミは「テロの危機現実に」と称して、アルカイダのメンバーがアメリカの原発で働いていたこと、ベルギーの米軍基地(B61核爆弾が貯蔵されている)に反核団体が潜入したことなどを大宣伝している。オバマの「核なき世界」に賛同しない勢力はすべて「核テロ分子」という攻撃だ。
核安保サミットは、「核防護の強化」と称して、「国内法」を強化するなど各国階級闘争の解体で一致した。
新型弾頭の開発
オバマは、新型の核兵器運搬手段の開発に乗り出した。B52搭載型のAGM—86空中発射巡航ミサイルに代わる長距離巡航ミサイル(LRSO)の研究開発費を議会に要請した。さらに大陸間弾道弾(ICBM)の核弾頭を2030年まで延命させ、オハイオ級戦略原潜の後継艦の開発建造、B52戦略爆撃機の改造など、「核戦略3本柱」の圧倒的強化・維持を図っている。さらに新型核弾頭の開発にも乗り出し、核軍縮どころか世界核戦争を準備している。
4・28日比谷へ
米核戦争体制の最重要の環が日米安保である。日米安保は核安保である。日米安保の最大の実体である沖縄で、普天間基地移設をめぐって沖縄県民の普天間基地撤去、米軍基地撤去の大闘争が爆発している。日米安保粉砕に核廃絶の展望もある。米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒へ、4・28沖縄デー集会に総決起しよう。