〈焦点〉10春闘での連合の総屈服
〈焦点〉 「定昇維持」も大幅賃下げ
10春闘での連合の総屈服
3月17日、連合傘下の民間金属大手への春闘の集中回答が行われた。その内容は、ベースアップはそもそも組合側が要求していないので問題外、定期昇給は組合の要求どおり実施するが、一時金については要求を認めず減額というもので、賃下げ攻撃そのものだ。
今や労働者階級の賃金が10年間で5・5%も下がり、非正規雇用は3分の1を超え、解雇攻撃が吹き荒れている。まさに自民党政権を打倒した労働者階級の怒りのマグマは爆発寸前だ。10春闘こそ、この労働者階級の怒りを爆発させる場にしなければならない。だが連合中央は、資本の賃下げ攻撃を容認するだけでなく、積極的に推進した。まったく許し難い。
総資本にとっては「総額人件費」が1円も増えないばかりか、実施することが当然の定昇をめぐって、あたかも労資が対決しているかのように報道されること自体が、異様でインチキである。この根底には、大恐慌下で資本主義の末期的危機にあえぐ日本経団連が、賃金水準の一挙的切り下げと労働者支配の転換をかけて経労委報告で打ち出した「定昇凍結・廃止」の恫喝に震え上がった連合中央のダラ幹どもが、統一賃上げ要求を放棄し、「定昇実施」のみを懇願するというぶざまな屈服に走ったことがある。
定期昇給とは、毎年定期的に労働者の賃金を上げる制度だが、特に青年労働者の賃金が低い現状では、定年退職者と新規採用者の賃金の差額を原資として、それを在職者に配分しているにすぎない。そのため個々の労働者にとっては賃上げでも、資本にとっての負担が増えるわけではない。しかも昇級・昇進によるその配分(昇給)は資本が決定する。だから、定昇制度は一方では労働者階級を分断支配する手段ともなってきた。
この定昇制度は年功賃金と同一視されるように、現実には労働者階級の闘いによって年功的に運用されてきた。1歳年をとるごとに誰もが多少の差はあれ賃金が増え、そしてそのことを前提に労働者は生活設計・人生設計をしてきた。この端的な表現が「年齢給」である。年齢給は、戦後革命期に確立された「電産型賃金」が出発点だ。その根底には「生活できる賃金」(生活給)というあり方がある。資本が定昇解体で狙うのは、まさにこの「生活給」だ。
労働者を不安定雇用化し、賃金と生活との結合を切れば、賃金はいくらでも下げられる。それはまさに労働者階級の生存に資本が責任をとらないということだ。労働者階級を食わせることのできない資本主義は、もう革命で打倒する以外にい。定昇解体には革命を対置し闘うということだ。
このような中で、JR貨物は2010年度事業計画で「定期昇給廃止」を打ち出した。動労千葉はこのJR貨物資本に対し、第4波のストを打ち反撃している。
日帝・資本は、定昇廃止で年功賃金と終身雇用制という戦後的なあり方を最後的に一掃しようとしている。国鉄1047名闘争解体策動は、まさにこの攻撃と一体である。動労千葉を先頭に、1047名解雇撤回・検修外注化阻止闘争の爆発、国鉄闘争勝利の全国大運動の推進で、日本労働運動の戦闘的階級的再生をかちとろう。