制度廃止へ共感広がる 鳥取地裁 2週間の「緊急行動」
制度廃止へ共感広がる
鳥取地裁裁判員裁判 2週間の「緊急行動」
裁判員制度導入以来初の死刑求刑となるのではないかという「強盗殺人」事件の裁判が2月23日から3月2日まで鳥取地裁で行われた。全国的に注目されたこの裁判の全過程に、百万人署名運動山陰連絡会や山陰労組交流センターなど「裁判員制度いらない!鳥取緊急行動」の仲間は、初参加の人びとを含めてのべ40人が決起し、5千枚のビラをまいた。この闘いは労働者・市民の圧倒的な共感を呼び起こし、マスコミにも連日のように報道されるなど、制度廃止への画期的一歩を記すものとなった。
初公判を1週間後に控えた2月16日から闘いは始まった。官庁街一帯での早朝ビラまきのあと、正午からJR鳥取駅前「風紋広場」で行った集会には、広島・岡山・島根など県外の仲間や、東京から「裁判員いらなインコ」さんが駆けつけ、制度廃止を熱烈にアピールした。
さらに圧巻だったのは、駅前から鳥取地裁までの2㌔の目抜き通りデモだった。用意したビラが足りなくなるほど市民の注目を集めた。すれちがうバスの乗客たちが次々と手を振り、県庁近くの高校では窓に生徒が鈴なりになって、朝配布したビラをかざしてにぎやかな声援を送ってきた。デモ参加者は、制度廃止への確かな手ごたえを感じつつ、デモを貫徹した。
県庁での記者会見のあと、夕方からは、国鉄・教育労働者をはじめ勤めを終えた労働者が多く結集して、佐和洋亮弁護士(島根県弁護士会)の講演を受け、制度廃止にむけて学習した。参加者の発言をとおして1047名解雇撤回・検修全面外注化阻止の国鉄決戦と、裁判員制度廃止の闘いは一体のものであることががっちりと確認された。
初公判前日の2月22日には、裁判員選任の手続きが行われる鳥取地裁前で横断幕やのぼりを掲げ、出頭してくる裁判員候補者に選任拒否を訴えた。呼び出し状を送付された候補者101人のうち、出頭してきた人は34人(出頭率33・6%)だけで、多くの人が拒否したのだ。その34人の中にも、抵抗感や拒否感を表明する人がかなりいて、いかにこの「現代の赤紙」=裁判員制度が破綻しているかを示している。
さらに2月23日初公判から26日の結審(検察は死刑求刑を断念)まで、多数の傍聴希望者や通行中の労働者・市民に対して、地元の仲間を中心に制度廃止を繰り返し訴えた。その中から「自分にも呼び出し状が来たが拒否しましたよ。その書面を見に来てください」という人をはじめ、多くの激励が寄せられた。
結審から3日間の「評議」を経て、3月2日に判決が行われた。これに対しても、最後まで制度廃止のアピールを幅広く行って、今回の「鳥取緊急行動」を締めくくった。完全に破綻した裁判員制度撤廃へ、力強く前進しよう。
(投稿/鳥取・T)