2010年2月15日

交流センター第17回総会 運動の飛躍かけた大きな一歩

週刊『前進』06頁(2427号2面2)(2010/02/15)

“労働運動の主流派に”
 交流センター第17回総会  「国鉄」を軸に春季ゼネストへ
 運動の飛躍かけた大きな一歩

 「職場全体の獲得へ」熱い討論

 全国労組交流センターの第17回定期全国総会が2月6〜7日、茨城県内で行われた。全国から集まった170人の代議員・傍聴者は、大恐慌の時代と対決する交流センターのランク&ファイル運動が国際的な階級的労働運動の主流派として躍り出ることを固く誓った。そして、2・13労働者集会〜3・20反戦闘争〜3・28三里塚〜4・28—5・15沖縄闘争の全過程を「検修外注化阻止決戦で春季ゼネストを切り開き、民主党・連合政権打倒へ!」の一大階級決戦として闘い抜く方針を確認した。
 冒頭、代表運営委員の入江史郎さん(ス労自主)から「今年こそ動労千葉派を全国区に」とのあいさつを受け、議案提起が行われた。
 「総括」を岩本正治事務局長が行い、「09年の闘いで第2次国鉄決戦と4大産別決戦の路線を確立し、動労千葉の反合・運転保安闘争路線が全産別で実現し始めた」こと、さらに「11月集会派が国鉄闘争の主流派として登場し、国際連帯の深化をかちとった」「1万人結集の壁を打ち破る実践的な鍵を握りしめた」などの圧倒的な到達地平が確認された。
 「闘いの基調」は辻川慎一代表運営委員が提起。「大恐慌の二番底が迫り、トヨタ資本がつぶれる寸前という日帝ブルジョアジーの空前の危機だ。過去の延長上ではない交流センター運動の組織的飛躍を」「JR東労組を丸ごとひっくり返す、連合・全労連を足元から転覆する、そうした青年労働者の決起が始まっている。国鉄で勝利し労働者階級全体を獲得しよう」と訴えた。
 「方針」では、小泉義秀副代表運営委員が「検修外注化阻止・1047名解雇撤回闘争で春季ゼネストを切り開き、10春闘の大幅賃上げ獲得、民主党・連合政権打倒の一大政治決戦へ」と提起、2・13国鉄〜3・20国際反戦闘争の一体的爆発をかちとろうと訴えた。
 議案提起を受けて動労千葉の田中康宏委員長が特別報告。2・1〜2ストの壮絶な攻防と青年労働者の決起を報告し、「大恐慌下で検修外注化阻止と国鉄1047名闘争の第2次国鉄決戦に突入した。労働者階級の総反乱をつくる数年がかりの大攻防になる。交流センター運動の組織的飛躍へ私自身も力をつくす」との決意を熱く語った。
 2日間の討論で代議員34人が発言した。
 冒頭に全国社保労組の平口雅明さんが「不当解雇された仲間から連絡がきた。協会派の裏切りによる社保労組解散は許さない。奴隷の誓約書を拒否した525人の分限解雇者とともに闘う」と決意を述べた。
 仙台の郵政労働者は「合理化には良い合理化も悪い合理化もない。絶対反対、すべて資本が悪いとの立場で仲間と徹底討論している」と報告。神奈川の自治体労働者は「拠点建設の闘いに踏み切った。物販は大きな武器。時代認識と路線が命だ」と発言。北陸の労働者は「『能率が悪い』労働者を、資本が連判状を組織してやめさせる事件が起こった。怒りは満ちている。全労働者を獲得する立場が問われている」と訴えた。
 東京南部の労働者は、「地域の主流派へ、支部・分会権力に挑戦しよう。青年労働者の怒りといかに結びつくか。資本と非和解的に闘いつかみ取ろう。理論闘争も大事だ」と発言。同北部の交通労働者は「月例会を職場闘争委員会と同様にやりたい。青年の獲得が核心。第2の動労千葉の建設を」と訴えた。さらに沖縄の労働者は「沖縄でも外注・子会社化の現実はすさまじい。政府は『辺野古が成田闘争になる』と恐れている。沖縄闘争は労働運動で総括すべきだ。5・15沖縄へ」と呼びかけた。
 さらに神奈川の教育労働者は「支部権力に挑戦する闘いで大きな手応えがある」と報告。千葉の医療労働者は「自分の職場でどう闘うかが交流センター運動。現場労働者自身の闘いにする努力が大事。職場全体を獲得できる」と語った。北海道の民間労働者は「反動的組合の会議で交流センターの路線を語り、支持者が現れた」と報告。関西の労働者は「路線を徹底的に深める討議こそが大事だ」と訴えた。

 沖縄・三里塚など特別決議

 辻川代表はまとめの発言で「1年間大いに前進した。ブルジョアジーとの全面対決の2010年をどう闘うか。春の闘いがすべてだ。数千から万の隊列なしに勝負にならない。2・13集会から3・20反戦闘争、3・28三里塚、4・28〜5・15沖縄闘争の全過程を、国鉄決戦を軸にぶち抜こう」と檄を飛ばした。
 来賓として、全学連の坂野陽平委員長代行、星野さんを取り戻そう!全国再審連絡会議の戸村裕実さんがあいさつした。
 特別決議として①3・28三里塚現地総決起を訴える声明、②安保・沖縄決戦への総決起を誓う声明、③星野文昭さん奪還・第2次再審闘争を訴える声明、④国賀祥司泉佐野市議の7選勝利への声明が採択された。
 最後に、動労千葉の田中委員長が交流センターの新代表に加わり、辻川動労水戸副委員長が事務局長に就任し執行体制を強化する新たな人事体制が発表され、満場の拍手で確認された。

 青年先頭に交流センターの新時代を

 全国労組交流センターは総評解散・連合結成が強行された1989年に、87年国鉄分割・民営化の総括をかけて結成された。中心綱領は「総評労働運動を真にのりこえる階級的労働運動の全国潮流形成を」(結成アピール)である。労働者階級のナショナルセンターが解体され、既成の労働運動指導部が雪崩を打って転向し、帝国主義的労働運動に「統一」される戦後労働運動の一大反革命に対し、階級的労働運動の新たな結集軸を目指してきた。そして「労働者自己解放の思想と綱領を持つ労働者党」の建設を真っ向から提起し(94年)、動労千葉とともに新潮流運動の中心的担い手となってきた。
 大恐慌下で、既成のあらゆる労働運動指導部が帝国主義の最後の延命策である新自由主義に屈服し、〈戦争と改憲、民営化と労組破壊>攻撃の担い手に転落する状況で、交流センターの先駆的役割はますます輝きを増している。日本階級闘争の勝利は、この労組交流センター運動の全面的発展にかかっていると言っても過言ではない。
 昨年の総会では、「動労千葉の闘いを基軸に、資本および体制内指導部と対決する全国的闘争機関」へ飛躍する方針を確認、資本主義の命脈が尽きた大恐慌の時代に立ち向かうランク&ファイル運動としての階級的役割を明確にした。そしてプロレタリア革命をめざす路線を国鉄・4大産別決戦として打ち立て、連合や全労連、全労協傘下の労働者の中に分け入り、動労千葉派の拠点を産別と地域に打ち立て、体制内派指導部の支配を下から覆す闘いをあらゆる職場生産点で始めた。
 今総会は、こうした壮大な実践への着手と1年間の苦闘に踏まえ、「第2の分割・民営化」攻撃との闘いのまっただ中でかちとられた。多くの報告や討論をとおしてあらめて浮き彫りになったことは、大恐慌下で資本主義の延命のためにあがきまわる資本と体制内派指導部との非和解性だ。
 動労千葉のスト報告で紹介されたJR資本の恐怖に満ちた対応を筆頭に、自治体での公務員労働者を根絶するような攻撃、「教育の民営化」が進行する教育現場、「郵政見直し」と銘打って極限的な労働強化と要員削減が続く郵政職場、「9割を非正規職に置き換える」攻撃で生活できない水準の賃下げが横行し、労働者が部品のように扱われ、事故や過労死が止まらない現実など、〈民営化・労組破壊>の攻撃は全社会を覆っている。
 20世紀初めのロシア革命でかちとられた「8時間労働制」や「深夜労働の禁止」など跡形もなく吹き飛んだ。「安定した資本主義」の金看板だった社会保障すら根こそぎにする計画が進行している。これらすべての攻撃は、民主党・連合政権のもとで、連合中央を先頭とする体制内労働運動指導部の屈服と協力によって推進されているのだ。

 「1万人の壁」を破る実践へ

 しかしこうした事態が進行すればするほど、労働現場の怒りは巨大なマグマとなって蓄積し、出口を求めて動き出している。代議員の報告は、現場労働者の怒りが満ち満ちていることを伝えた。賃金奴隷の現実を吹き飛ばす団結の力を実感できる正しい行動の指針さえ明らかになれば、階級的労働運動が圧倒的な労働者の心を捉える条件は急速に成熟している。われわれが直面する「1万人の壁」は、まさにこの出口に立ちふさがる壁だ。
 闘いは職場生産点で一人の青年を獲得する苦闘の中から生まれる。これは時代認識と路線で団結する動労千葉派全体の確信に高まった。同時に、職場権力への挑戦に踏み出す決意を多くの代議員が語った。その道筋は、すべての現場労働者が極限的な合理化や「安全問題」など自らの命にもかかわる切実な要求を自分自身の闘いに高めること、資本および体制内派と具体的な闘いを開始すること、闘いをとおして団結の力を学び、現場労働者とともに行動し組織するすべを学ぶことだ。その先頭に動労千葉派が断固として立つのだ。
 そしてこの大恐慌の時代にこそ、職場・産別の枠を越えて、資本による労働力の搾取を可能にしている政府・国家権力との真っ向からの闘いが決定的な意味を持つ。
 本総会において、検修外注化阻止決戦が、2・13労働者集会を皮切りに3・20反戦闘争〜3・28三里塚〜4・28と5・15の沖縄闘争の全課程を貫く反戦・政治闘争と一体的に提起されたことは決定的な意味を持つ。沖縄、三里塚、星野奪還、泉佐野選挙の勝利を目指す4本の特別決議も採択された。この階級性の高さが、交流センター運動が国際階級闘争の多くの潮流から注目される力の源泉なのだ。
 いまや支配階級は大分裂を開始し、日米安保体制が根底から揺らぎ、民主党・連合政権は改憲への着手を公言している。青年労働者の直面する現実は、交流センター運動の待ったなしの飛躍を求めている。全国の職場から大進撃をかちとろう。