2010年2月 8日

耕作権裁判 NAAの暴論を追及

週刊『前進』06頁(2426号4面3)(2010/02/08)

耕作権裁判 NAAの暴論を追及
 「不在地主」居直り許すな

 2月1日、千葉地裁で市東孝雄さんの耕作権裁判が開かれ、反対同盟と支援の労働者・学生・市民70人が傍聴しともに闘った。市東さんが祖父の代から90年以上耕してきた農地の一部を、NAAが「不法耕作」と決めつけ明け渡しを求めてきたのがこの裁判だ。
 NAAが”地主”の顔をして市東さんを被告席に座らせたこと自体、絶対に許しがたい。そもそも市東さんの賃借地がどこからどこまでなのか、土地の特定という肝心要のところでNAAはまったく誤っている。NAAは旧地主・藤崎によるデタラメな「メモ」をもとに、市東家が一度も耕作していない土地を契約地だと主張したことで完全に墓穴を掘った。
 この点を徹底的に追及されたNAAが今回出してきた準備書面は、「認否をしない」というとんでもないものだった。まともに反論できないことを自認しながら「土地を買ったことは間違いない」と言い張る、強盗の居直りそのものだ。
 さらに「不在地主」問題——NAAの前身である空港公団が旧地主・藤崎から秘密裏に土地を買収した1988年当時、公団は成田市ではなく東京に本社があり、農地法第6条が禁止する不在地主である——の指摘に対し、何と「農地を公共目的に使う場合は不在地主でも問題ない」という暴論を持ち出してきた。
 農地を強奪し軍事空港を造ることが「公共の目的」だと! 国家暴力を振りかざして違法・脱法と非道の限りを尽くしてきた権力者の傲慢(ごうまん)な論理だ。
 NAAのこの破綻した弁明を菅原崇裁判長はなんとかテコ入れしようとしたが、弁護団はそれを許さず徹底追及する姿勢を突きつけた。次回の耕作権裁判は4月26日。
 閉廷後、千葉県文化センターで記者会見と報告集会が持たれ、鈴木謙太郎さんが司会を務めた。冒頭に市東孝雄さんが「私の裁判がもうひとつ今月16日にある。そして25日の現闘本部裁判判決が最大の山場だ。ぜひ傍聴に駆けつけてください」と決意を表し、一同が大きな拍手で応えた。(写真)
 萩原進事務局次長は、「市東さんの農地問題は日本農業の問題そのものだ。本日この同じ建物の別の階で動労千葉が総決起集会を行っている。車の両輪としてわれわれも同じ決戦の渦中にある。2・25現闘本部裁判判決へ向け闘おう」と全員の奮起を促した。
 動労千葉の滝口誠さんはこれに応えて、「本日からストに入った。3・6には千葉三里塚集会が開かれる。三里塚を若い青年が担い、動労千葉も次の世代が闘いを担っていく。3・28三里塚全国集会への大結集は春闘のひとつの柱の闘いだ」とアピールした。
 集会を終えた参加者は動労千葉スト突入集会に合流し、千葉支社弾劾闘争をともに闘った。
 労働者人民の大結集で十重二十重に千葉地裁を包囲し、2・25反動判決を粉砕しよう。