鳩山施政方針演説 4大産別の解体狙う 日米同盟深化と新たな侵略
鳩山施政方針演説 4大産別の解体狙う
日米同盟深化と新たな侵略
鳩山首相の施政方針演説が1月29日に行われ、小沢・鳩山=民主党・連合政権の外交・内政にわたる基本的スタンスと政策の枠組みが明らかになった。
まず内政面では、演説は冒頭から「いのちを守る」なる空文句を連発しながら「雇用の確保」を強調した。だが「雇用の確保」とはさらなる賃下げと非正規職化の拡大だ。「派遣労働の規制」は抜け道が保障された大ペテンである。
そして鳩山は「戦後行政の大掃除」を宣言し、行政組織や公務員そのものを限りなくゼロに近づける「公務員制度改革」を明確にした。“小沢民営化路線”の徹底的貫徹だ。「郵政民営化の見直し」もこの中にはっきりと位置付けられた。
「地域主権の確立」、すなわち道州制攻撃の意図もこれらと表裏一体だ。「国と地方の関係を対等にする」と称して360万人いる自治体労働者の止めどない削減と非正規職化、低賃金化がすでに進行している。その延長上に「公務員ゼロ化」の攻撃もある。民主党政権がこの間、社会保険庁の労働者4000人の解雇を強行したことは、その反動的突破口だ。日航「再建」と称して1万6000人の解雇を決めたことも同様である。これが鳩山の「雇用の確保」なのだ。
また「新たな公共」と称して国家統治への民間動員をはかる政策も鳩山演説の重要な点だ。これは「肥大化した官をスリムにする」と言っているように、教育、福祉、介護など本来は行政や公務員労働者が行ってきた業務を、NPOやボランティアがやる4大産別解体の攻撃である。連合中央は「社会貢献ボランティア」を重視するとして、日本経団連と組んでこの攻撃の一翼を担っている。またこの「新たな公共」と同じ脈絡で、鳩山は「犯罪捜査の高度化」と称する治安弾圧政策強化を打ち出した。労働者人民の階級的な闘いには強権的な弾圧でのぞむ。これも民主党・連合政権の重要な基本政策なのである。
外交政策面で重要なのは日米安保体制を絶対的な柱としてきた戦後的外交政策の枠組み転換である。鳩山は今回、「東アジア共同体構想」を外交政策の軸として第一義的に掲げ、「アジアこそ成長のフロンティア」だと新たなアジア侵略の意志を明示、その枠組みの中に「日米同盟の深化」を位置付け直すという立場を打ち出した。日本独自の軍事外交政策(安保防衛政策)への踏み切りを明確にしたのだ。
現在、日米政府は日米安保体制の最大の実体をなす沖縄基地問題をめぐって激しい政治的外交的激突と争闘戦のただ中にあるが、この日米対立の本質は、アジア市場をめぐる死活的な争奪戦を背景にした日帝の戦後的外交政策の原理的転換をめぐる激突なのだ。
これは鳩山が改憲への着手を公言していることと併せて極めて重大だ。国民投票法の施行は今年の5月18日だが、鳩山は今回も同じ5月までに「米軍普天間基地の移設先を具体的に決定する」と明言した。ここで言う「日米同盟の深化」とは、普天間問題がいかなる結論になろうが、日帝独自の立場からの日米安保体制の実戦体制への移行であり、沖縄軍事基地の永久化だ。演説は、基地の無条件撤去を要求して非和解的な闘いに立ち上がっている沖縄の労働者人民への真っ向からの挑戦なのである。
検修業務全面外注化攻撃と闘う国鉄決戦は、こうした民主党・連合政権との熾烈(しれつ)で全面的な階級戦争の激突点なのだ。2・13の大爆発を突破口に、民主党・連合政権打倒へ闘おう!