JR外注化は矛盾だらけ
JR外注化は矛盾だらけ
団結して闘えば粉砕できる
鉄道事業は、車両・線路・信号・電気などの設備と乗務員、駅業務などが統合され、一体となって運用されることで初めて成り立つ。その業務をバラバラにし、外注化すれば、鉄道運行のシステムは崩壊し、安全は徹底的に損なわれる。
外注化を強行すれば、至る所で偽装請負が発生することは避けられない。外注会社に業務を請け負わせた場合、本来であれば外注先の労働者にJRは指示は出せない。
だが、事故や輸送混乱時はもとより、鉄道が運行されている限り、これは不可能だ。
ところがJRは、動労千葉との団交で、「(外注先の)作業責任者を介して指示等を行う体制を整備する」ことで偽装請負は回避できると回答した。しかも、その作業責任者は、「必ずしも業務知識が必要だとは限らない。作業管理ができればいい」と言い放った。
こんなでたらめな話はない。08年9月の黒磯駅構内での感電死亡事故は、下請け会社の労働者が、送電がストップされていると思いこんで電気の流れている架線で作業を行おうとした途端に起きた。業務知識のない者の指示で作業をさせたら、こうした労災事故は激発する。JRは、労働者の命などなんとも思っていないのだ。
事故が起きれば外注先の責任にされ、JRは一切責任をとらないのだ。
丸投げ外注化の帰結は転籍強要
検修業務の丸投げ外注化は、JRの現役労働者を外注会社に出向させなければ成り立たない。その先に待ち受けているのは、転籍の強要だ。
JR千葉支社管内では、動労千葉の闘いにより9年間、検修業務の外注化は阻止されてきた。外注会社が請け負っているのは、基本的に車両の清掃だけだ。検修業務を請け負える体制など、外注会社にはない。
すでに外注化が強行されている保線でも、実態は同じだ。
JRは、外注会社が直雇いする「プロパー社員」を育てるとしているが、保線業務の下請け会社「鉄道建設」には、「プロパー社員」は数人しかいないという。実際に作業をしているのは、JRからの出向者と、孫請けの労働者だ。
レールの下の道床を突き固めるマルチプル・タイタンパー(マルタイ)という機械を操作しての作業は、保線にとって欠かせないものだ。だが、数人しかいない「プロパー社員」だけではマルタイの操作もできない。
平成採の反乱でJR体制打倒へ
01年に強行された設備部門の外注化に際し、東労組カクマルは「国労対策の目玉」「(国労を出向先に)出しっぱなしにできないか」と叫んで、これを積極的に推進した。国労本部もまた、一切の抵抗をせず、自らの拠点である保線職場を明け渡して、組合員を資本のえじきに差し出した。
こうした体制内労組幹部の裏切りこそが、すさまじい外注化と安全崩壊を進行させたのだ。
今回の検修全面外注化は、組合を問わずすべての労働者に襲いかかる。とりわけその標的となっているのは、平成採の青年労働者だ。
安全の解体を必ずもたらす資本の合理化と労働者は絶対に非和解だ。
青年労働者の反乱を巻き起こし、団結して闘えば外注化は阻止できる。反合・運転保安闘争を貫く動労千葉とともに闘おう。2・13全国総決起集会に結集しよう。