2010年1月25日

"処分は本部の転向の証" 全国連3支部が怒りの声明

週刊『前進』06頁(2424号6面3)(2009/01/25)

“処分は本部の転向の証”
 全国連3支部が怒りの声明

 09年11月労働者集会の直後の11月19日、総力で集会の成功のために闘った部落解放同盟全国連合会西郡支部・杉並支部・品川支部に対し、旧与田一派が牛耳る全国連中央本部は、まったく許せないことに「統制処分」を通告してきた。「支部承認取り消し・役員除名」は3支部解体宣言であり、11月集会への敵対、大反動だ。断じて許さない。3支部は弾劾声明を発し処分粉砕・本部打倒の闘いに立ち上がっている。われわれは血債主義・糾弾主義によって解体されてきた労働者自己解放の思想=マルクス主義の復権へ、06年「党の革命」から07年7月テーゼを経て、ついに09年8月、綱領草案を発表するに至った。階級的労働運動路線のもと、大恐慌をプロレタリア世界革命に転化するために単一の党を建設し、労働者階級の解放をとおして全人民の解放を必ず実現する。その現実性と勝利性を示したのが、09年11月労働者集会であり国鉄決戦だ。3支部声明を支持しともに闘う決意を明らかにし、声明を紹介します。(編集局)
 声明 全国連中央本部による「統制処分」を徹底弾劾する! 
 部落解放同盟全国連合会西郡支部
 部落解放同盟全国連合会杉並支部
 部落解放同盟全国連合会品川支部
【1】「統制処分」を徹底的に  弾劾する!
 私たち3支部は、西郡支部岡邨支部長、杉並支部田中支部長、品川支部佐々木支部長以下10名(西郡支部4名、杉並支部3名、品川支部3名)を除名し、私たち3支部の承認を取り消すという11月19日「統制処分通告」を、腹の底からの怒りで弾劾し、腐りきった中央本部打倒を宣言する!
 こんなふざけた話はない! 天につばするとはこういうことだ。全国の労働組合、労働者、そして全国連も結集してきた11月集会から全国連本部は今年完全に逃亡した。問題は分かりやすい。
 「8・30」で、労働者の怒りは55年つづいた自民党政権を打ち倒した。革命的な激動の時代が来たのだ。
 代わって登場した小沢・鳩山=民主党・連合政権は、大量首切りと戦争の政権だ。道州制−事業仕分けを、むき出しの360万公務員首切り、社保庁・日航労働者の大量解雇として押し進めている。その核心は、国鉄闘争を解体し労働組合を解体する攻撃だ。労働者が資本や権力と絶対非和解で団結することをつぶし体制内に取り込むことをとおして、戦争と改憲へ突き進んでいるのだ。
 権力弾圧におびえ、闘いが対権力闘争に発展することをおそれる本部は、11月集会から逃げだし、小沢・鳩山=民主党・連合政権の懐に飛び込んだ。そして、自ら買って出て権力の手先になった。それが今回の闘う私たち3支部への「処分」だ。
 私たちは、08年1月の拡中委以来の2年にわたる激烈な路線闘争に勝利した! 資本主義はもう終わっている。資本は労働者を分断し、団結を奪って競争にたたき込む限りで生きながらえているにすぎない。だが、すでに職場で地域で、私たち労働者(部落民)は決起し、その団結の中心を八尾北労組など労働組合が担っている。資本の武器である部落差別による労働者の分断を、実際の闘いの中でうち破ってきたのだ。
 解放運動は、国鉄1047名解雇撤回闘争を柱に、狭山闘争と西郡闘争を両輪に、大前進を開始している。11月集会の国際連帯の団結を武器に、労働者が賃金奴隷である資本主義をうち倒し、差別のない社会をつくり出すその時が来たのだ。
 「処分」攻撃徹底粉砕! 中央本部打倒!
【2】中央本部の権力弾圧への 屈服を許さないぞ!
 2年前(07年)、中田書記長は権力のでっち上げ弾圧に屈服し、完黙を貫けず、本部は略式命令に応じた。ここに一切の転向の根拠がある。
 今では、「広島差別事件」が完全なでっち上げだと誰の目にもはっきりしている。学生たちは、法政大弾圧で100名以上が逮捕されたが、全員が完黙・非転向で闘いぬいている。私たちとともに2・26を闘った冨山小太郎君など8名の学生は未だに獄中に囚(とら)われている。この学生たちの真剣な路線をめぐる討論を、08年1月の拡大中央委員会は差別事件にでっち上げた。「革共同糾弾」を、自民党や解放同盟本部派とも手を組んでやると言い放ったのだ。
 「資本・国家権力とは非和解である!」。このたたかいの原則や立場を投げすてたところに、差別糾弾闘争が成り立つわけがない。私たちは、中央本部の「闘っても勝てない」という敗北主義、権力弾圧への屈服を徹底的に弾劾する!
【3】権力の手先になって西郡住宅  闘争に襲いかかる中央本部を徹底 弾劾する!
 権力に屈服して、住宅闘争が闘えるわけがない。中央本部は、応能応益絶対反対を投げすて、供託闘争をやめて「分納」路線に転換し、たたかいを裏切った。
 2・26の森本さんへの強制執行実力阻止闘争は、道州制攻撃との最初の激突だった。八尾北労組のストライキ決起は、「労働者は差別者であり、絶対に一つに団結することなどできない、糾弾されないと階級になれない」という本部の主張を、実際に打ち砕いた。敵階級と非妥協に闘えば、労働者はたちまちに団結できる。闘って体得した確信は揺らぐことはない。そして、全体を獲得する豊かさをもっている。森本さんは「われわれは勝った! これからもこの労働者の団結に生きる!」と誇り高く宣言した。
 2・26の実力闘争は、労働者解放の中に部落解放を実現するという革命的部落解放闘争そのものをつくり出した。中央本部は「強制執行には理由がある」「住宅をとられて何が勝利だ」「患者(地域住民)を困らせる労組のストは差別だ」という声明をだし、西郡支部とストライキで決起した八尾北労組に対して、悪罵(あくば)を投げつけ襲いかかった。全国連のきょうだいが、問答無用の住宅追い出し攻撃に、実力闘争で闘う西郡の闘いに希望を見いだしたからだ。私たちは、中央本部の裏切りを徹底粉砕し、6000万労働者、300万の部落のきょうだいの怒りの先頭で、嵐のような住宅闘争を闘いぬく!
【4】三者協議を路線化して、狭山闘争 を解体する中央本部を許さないぞ!
 石川一雄さんは、でっち上げ逮捕から46年、国家権力の差別犯罪を徹底糾弾して、不撓(ふとう)不屈に闘いぬいている。
 権力弾圧に屈した中央本部が、どうして狭山を闘えるだろうか。もはや中央本部は「狭山闘争の全国連」でもなんでもない。「えん罪」事件として、裁判所・弁護団・検察による三者協議路線に一切を委ね、融和主義の下に狭山闘争を解体、破壊しようとしているのだ。
 私たちは、23年間、国鉄分割・民営化絶対反対を貫き、労働者の誇りを守り抜いてきた1047名闘争を柱に闘う労働組合を甦らせ、74年の日比谷10万決起を乗りこえていく。一人の首切りも許さない、けっして仲間を裏切らない、その階級的な団結の力で差別・分断を打ち破り、国家権力の差別犯罪を徹底糾弾し、狭山闘争の勝利をかちとる。石川さんの再審・無罪を絶対に実現する。
【5】部落民の自己解放を押さえ つける中央本部を打ち倒すぞ!
 中央本部は、10ページにもわたる「処分理由」の中に、私たちがどんな時代に生きており、いかに闘うべきかを全(まった)く書いていない。こんな愚弄(ぐろう)した話があるか!
 部落民の存在そのものを、闘う主体、自己解放の主体とは全く考えていないのだ。
 世界大恐慌で、6000万労働者が大量に解雇され、失業者があふれている。すでに国家財政は破綻し、恐慌は「二番底」「三番底」に向かっている。労働者は健康保険証も奪い取られ、住宅から追い出されている。学生たちは就職できない。学校給食だけを食べて暮らしている子どもたちが学校の保健室にあふれている。
 まじめに働いていたらなんとかなる時代ではなくなったのだ。いかに生き闘うべきか、部落のきょうだい、労働者は根底から決起を開始している。
 鳩山は「友愛」と言って、階級的な団結を踏みつぶす。そうしないと東アジア共同体構想も、地域主権=道州制攻撃も、成長戦略も成り立たないのだ。
 資本と非和解に闘う労働組合の団結に解放運動をふくむ全(すべ)ての闘いがかかっている。小沢・鳩山=民主党・連合政権の手先になった全国連中央本部は、部落民と労働者の怒りが労働組合を軸に団結することを必死で妨害している。
 八尾北では、「弾圧を呼ばないような闘いがいい。民営化絶対反対では勝てない」と主張する宇田(当時組合員)と労組が路線討論を行ったことを、本部は「いじめ」事件に仕立て、二組(河内合同労組)をでっち上げた。「広島事件」と全く同じやり口だ。そして、八尾北医療センターの民営化を阻止し自主運営に労働者、労働組合が責任をとり、医師(理事)も組合に団結して闘っていることが不当労働行為だと言うのだ。これが許せるか!
 また、西郡支部の同盟費について、支部大会で監査もふくめ承認された会計を、「横領」事件にでっち上げて弾圧する中央本部を、私たちは絶対に許さない!
【6】私たちの決意
 全国連の全ての同志、部落のきょうだいのみなさん! 闘う仲間のみなさん!
 08年の拡中委を転換点として、中央本部は解同本部派とまるで同じ、融和主義、体制翼賛勢力そのものに転落した。小沢・鳩山政権の手先になり、労働者と解放運動の敵になった。
 私たちは、たびたび声明や意見書を提出してきたが、本部は同盟員の目に触れないようぜんぶ握りつぶしてきたのだ。
 もはや、中央本部とは、一日たりとも共存することはできない。中央本部を打ち倒し、私たちが解放運動の指導勢力として闘うことを決意する。
 今ではいつも、闘う労働組合の赤旗の隊列に、誇らしく3支部の荊冠旗がひるがえっている。私たちは、「処分」攻撃を絶好の団結拡大の機会にして前進する。団結しよう!
 2009年12月20日