2009年12月14日

〈焦点〉 統一ベア要求放棄の連合

週刊『前進』06頁(2420号5面3)(2009/12/14)

〈焦点〉 統一ベア要求放棄の連合
 賃下げ認める資本の先兵

 連合は3日、中央委員会を開催し、統一ベア要求放棄=賃下げ容認を最大の特徴とする10年春闘方針を決定した。小沢・鳩山の民主党政権を支え、労働者の怒りと要求を圧殺する連合指導部を徹底弾劾し、10春闘に総決起しよう。
 連合の反動性を決定的に暴露したものこそ、まさに今回決定した10春季闘争方針だ。連合は、①全労働者を対象とした春季生活闘争の推進、②賃金水準維持の取り組みの徹底、③雇用の安定・創出に向けた取り組みの強化、④共闘連絡会議の体制強化、⑤政策・制度との連携強化——の五つを柱にするなどと述べているが、一言一句怒りなしには読めない。
 そもそもこんな方針で春闘が闘えるのか。自らが闘わないで何が「全労働者を対象にする」だ。連合が言っているのは建前上、政府・民主党に賃金水準維持をお願いするが、本音は企業防衛主義からする賃下げ容認なのだ。
 労働者の怒りを一律大幅賃上げ要求として一から組織し、ストライキを含む実力闘争で資本と激しく闘ってこそ賃下げを阻止することもできる。現に定昇制度のない中小が多いJAMの討論集会では「『ベア要求なし』では闘争が組めない。昨年は『ベア要求』したからこそとれた(その結果、賃金水準を維持できた)ところもあった」という意見が出ている。
 そもそも世界大恐慌情勢が爆発的に進行し、資本主義の危機と矛盾が戦争と大失業・生活破壊、民営化・労組破壊の攻撃として労働者階級人民に襲いかかっている。この10年間で賃金は7・6%も低下した。正規雇用の労働者は370万人も減少し、非正規雇用の労働者は680万人も増加して3分の1を超えた。失業率は実質的失業者も含めると10%を超えている。一方、労災事故や過労死は後をたたない。まさに労働者階級人民の怒りは地に満ちているのだ。
 この怒りこそ8・30総選挙で自民党支配を崩壊させた原動力だ。この結果登場した民主党・連合政権は沖縄基地問題や社保庁解体・千人解雇攻撃など、ブルジョア政党としての本質を暴露している。今まさに民主党・連合政権を打倒して突き進むことが求められている。10春闘こそ体制内労働運動指導部を打倒して労働者階級の怒りを解き放ち、春闘の伝統を復権させて、闘う労働運動をよみがえらせる決定的なチャンスなのだ。
 民主党政権の与党となった連合のダラ幹どもは資本主義の救済者としての本質を露骨にしてきている。2日に鳩山首相と「政府・連合トップ会談」を行った古賀伸明連合会長は、鳩山の「景気の2番底が到来するとも言われている」という恫喝に屈服し、「このトップ会談はこれまで行ってきた要請型とは異なる。節目、節目に課題の解決に向けて話し合う重要な協議の場」などと述べた。“連合は要求はしない、資本主義救済の「対案戦略」を提案する”というのだ。そして大増税を意味する来年度の国債大増発を労組の側から積極的に要請するにいたった。
 国鉄1047名解雇撤回とJR東の検修全面外注化阻止決戦を突破口に、動労千葉派が日本の労働運動の革命的転換をかちとっていく歴史的な情勢が到来している。10春季ゼネストに進撃しよう。