2009年12月14日

八尾北医療センター売却許さない 市を追及

週刊『前進』06頁(2420号2面3)(2009/12/14)

八尾北医療センター売却許さない
 労組、住民、末光市議が市を追及

 「八尾北医療センターを絶対につぶさせないぞ!」。八尾市による八尾北医療センター売却・民営化の策動に対し、八尾北医療センター労組と地域住民の怒りが一つになり、団結を広げて八尾市を追いつめている。
 12月3日、八尾市議会の初日、八尾北労組と地域住民は、末光道正市議とともに八尾市に対する抗議闘争を闘った。
 早朝、八尾市役所前で「八尾市による八尾北医療センターつぶしを許さないぞ!」と八尾市を徹底的に弾劾した。出勤する自治体労働者が「頑張ってください」と言ってビラを受け取っていく。現場労働者は、民主党・田中市長と橋下知事による首切りと賃下げ、道州制と民営化に怒り、闘う方針を求めているのだ。
 9時からは八尾市庁舎前に結集し、三十数人で抗議闘争を闘いぬいた。「田中市長は一方的な『売却』方針を撤回し、謝罪しろ!」「八尾北をつぶさせない」「国鉄1047名闘争つぶしの5・27弾圧を打ち破った」「労働者の団結を罪とする暴処法の適用を粉砕した」「首切りと賃下げ、道州制と民営化の田中市長を倒そう」と藤木好枝八尾北労組委員長、岡邨洋部落解放同盟全国連西郡支部長、八尾北命と健康を守る会、労組交流センターの仲間が次々と発言に立った。
 八尾市当局は50人を超える職員を「警備」に動員し、市役所入り口を「封鎖」した。田中市長は八尾北売却の不正義に自ら震え上がっているのだ。

 職場・地域を丸ごと獲得し反撃

 八尾市は昨年3月議会で一方的に八尾北売却方針を決め、「土地建物の鑑定をさせろ」と要求してきた。八尾北労組は「これこそ道州制攻撃だ。売却につながる鑑定は絶対拒否する」と突きつけた。追いつめられた八尾市は「鑑定させないなら不法占拠だ」と脅しをかけ、労働組合の団結をつぶそうとしてきた。
 だが八尾北労組は9月7日に大会をもち、「八尾北医療センター民営化絶対反対! 売却につながる鑑定絶対拒否」の特別決議を上げ、闘う方針と団結をかちとった。
 さらに追いつめられた八尾市は10月13日、「鑑定拒否は契約違反。契約解除に該当する」という文書を送りつけてきた。11月2日には、八尾保健所職員2人が許可なく医療センターの中に立ち入り、極秘調査を行った。
 八尾北労組は職場丸ごと、地域丸ごとの獲得に猛然と打って出た。「八尾北医療センターは住民になくてはならない診療所として医療と介護を行ってきた。契約違反など何ひとつない。一方的に売却方針を出した八尾市こそ契約違反だ!」と。
 この明快な路線は、労組員の一層の団結と地域住民の怒りの決起を引き出している。わずか10日の間に6カ所で開かれた「八尾北つぶしを許さんで!懇談会」では、「議会で勝手に売却方針を出すのはおかしい」「八尾市の契約違反がはっきりした」「100%も200%もこちらが正義」と労働者・住民の怒りが噴き出した。一人ひとりが活動家となって「売却反対・鑑定反対」署名がどんどん広がっている。

 八尾北売却は道州制の一環

 午後からは市議会で末光議員の個人質問だ。傍聴に50人の労組員、住民が詰めかけ、一体となって八尾市を追及した。末光議員は「八尾北医療センターの売却など800事業の見直しは道州制」「八尾北の売却方針はいつどこで決まったのだ」と追及。「『市の基本方針は売却』という発言を撤回し謝罪せよ」と迫った。「国鉄1047名闘争とともに闘う八尾北医療センター(労組)があるかぎり、必ず労働者の闘いと結びつく。自治労連も自治労も問題は指導部。労働者には闘う力がある。ともに闘おう」と締めくくると、大きな拍手が議場を包んだ。
 この日は同時に国労5・27裁判被告団を先頭にJR西日本本社包囲闘争が闘われた。八尾北労組は灰垣美佐子書記長が集会で発言、他の組合員は議会傍聴後に合流し、デモを貫徹した。

 八尾市と日共の結託粉砕し

 闘いの前進は、八尾市と日本共産党の結託を白日のもとに引きずり出した。この間、デマビラをまき散らしてきた共産党の谷沢千賀子議員は、4日の議会で「(八尾北が)鑑定を拒否するなら(八尾市は)契約期限を待たずに返還を求め……断固とした態度を貫け」と発言。田中市長は「16条に基づきしかるべく準備する」と呼応した。断じて許すな!
 11月集会派の労働者の絶対反対路線と団結が5・27弾圧を打ち破った。大恐慌時代に国鉄1047名闘争が6千万労働者を率いて労働者本来の力を解き放つ時が来た。八尾北労組は、11・1の地平の上で来春に向け決定的な一歩を踏み出した。ともに闘おう。
 (投稿/八尾北医療センター労組員・青木麻季)