2009年12月 7日

韓国 鉄道労組が無期限スト 韓国労総執行部の裏切り許すな

週刊『前進』08頁(2419号4面3)(2009/12/07)

韓国 鉄道労組が無期限スト
 団体協約解約に怒り
 韓国労総執行部の裏切り許すな

 韓国で全国鉄道労働組合(キムギテ委員長、組合員2万4060人)が11月26日午前4時、韓国鉄道公社の一方的な団体協約解約に対し、無期限ゼネストに突入した。以来1週間、歴史的な94年6月の6日間ストを超える最長の鉄道ストが進行している。
 政府が法律で強制する「必須維持業務」の要員を確保した上での合法ストライキとして闘われているが、スト6日目の12月1日現在、旅客列車の平均運行率は60%、貨物列車に至っては20%となり、ストの威力は拡大している。
 さらに12月1日、全国輸送産業労組貨物連帯(組合員1万5000人)が鉄道ストに連帯し、鉄道貨物の代替輸送を全面拒否することを決めた。

 「違法スト」規定

 イミョンバク政権は1日、政府談話を発表し、「ストは経済回復ムードに水を差し、膨大な経済的損失を招く無責任な行為」と決めつけ、「公共機関先進化(=民営化)政策に反対し、解雇者復職を求めるなど、労働組合活動の合法的な範囲を超えた違法なスト」だと言い放った。まったくふざけている!
 談話発表に先立ち同日未明、キムギテ委員長ら労組執行部15人に「業務妨害容疑」での逮捕令状が出され、龍山(ヨンサン)にある鉄道労組本部とソウル地方本部事務室などへの家宅捜索が強行された。この日は、ソウル市内で全国統合公務員労組に対する家宅捜索も強行されるなど、イミョンバク政権による卑劣な労組破壊が行われた。
 鉄道労組ストの発端は労使交渉が進行中の11月24日、鉄道公社が一方的に既存の団体協約を解約することをファックスで通告してきたことだ。
 25日、鉄道労組は緊急記者会見を行い、「鉄道労組60年の歴史上、初めての団体協約解約は労使関係自体を破綻させようとする企図だ」と弾劾し、「26日午前4時から無期限全面ストで対応する」と宣言した。キムギテ委員長は「公社側は24日午後、突然これまで要求することもなかった無争議宣言など新たな要求案を出してきた。これは事実上、労組の降伏宣言を要求することにほかならず受け入れられなかった」と経過を語り、「すでに賃金を9%削減しておきながら、会社側は追加賃金カット、年俸制および定年延長なき賃金ピーク制など、8項目にも及ぶ賃金改悪案に固執しており、ストライキで闘う以外にない」と怒りをあらわにした。
 このような団体協約の破棄は、すでに発電5社とガス公社でも相次いで強行されており、イミョンバク政権による公共部門先進化=民営化・労組破壊攻撃との激突は不可避となっていた。

 民主労組死守を

 26日にソウル駅前で6000人が結集してかちとられたゼネスト突入集会、鉄道労組は闘争決議文をつうじて「今日の私たちの闘争は鉄道労働者の血と汗、犠牲でかちとった団体協約を紙切れにすることはできないという鉄道労働者の怒りであり絶叫だ」「500人余りの鉄道労働者に対する告訴・告発と立件、解雇と懲戒でおどす鉄道公社の弾圧に対抗してきた民主労組を死守する闘いだ」と宣言した。
 鉄道スト3日目の11月28日、民主労総と韓国労総の公共部門労働者3万人余りが果川政府総合庁舎前大運動場に集まり、「イミョンバク政府の先進化政策阻止」を掲げる共同決意大会を開き、12月ゼネストへと闘いを進めることを宣言した。大会は、11月初めに共闘を宣言した公共運輸連盟(民主労総)と公共連盟(韓国労総)の初の共同集会として開催され、司会から発言者まで1対1で行われた。
 キムドファン公共運輸連盟委員長は、「政府が今度も労政交渉に出なければ、12月に両労総共同ストライキで対応していく」と発言し、ペジョングン公共連盟委員長も、「イムテヒ労働部長官が昨日、労組専従の賃金支給禁止を公共部門から始めると言ったが、私たちが実験対象なのか」と政府を糾弾した。
 鉄道労組のキムギテ委員長は「政府は働き口がなくて大騒ぎなのに、なぜストライキなのかと言うが、公共部門の働き口をなくしたのは誰だ!」と政府を弾劾した。

 12月ゼネストへ

 イミョンバク政権が来年1月1日に実施を宣言している複数労組窓口一本化・労組専従賃金禁止問題の解決をめぐり両労総の12月共同ゼネストへ闘いは進んでいた。韓国労総で11月30日午後まで進められたゼネスト投票には組合員50万人が参加し、80%がゼネスト賛成に投じた。
 しかし、30日午後、政財界と談合した韓国労総執行部は一変、突然「複数労組反対」に転換した。ゼネストで闘おうと意気上がる韓国労総組合員を裏切ったのだ。この不意打ちに怒りは一挙に噴出し、広がっている。
 時代は革命情勢だ。労働者の怒りは止められない。12月ゼネストでイミョンバク政権打倒へ!