平口さんを先頭に年金機構労組結成を弾劾
“不採用者を排除するな”
平口さんを先頭に年金機構労組結成を弾劾
11月29日、日本年金機構不採用の通知を受けた自治労全国社保労組組合員・平口雅明さんを先頭に東京・全国の労組交流センター自治体労働者部会の労働者ら30人は、不採用者を排除して社保労組支部代表者会議=年金機構労組結成大会を開く自治労本部・社保労組本部に対して怒りの弾劾・宣伝行動に立った。30人は、大会が開かれる日本教育会館前で横断幕を広げ、1千人分限免職・1万人非正規職員首切り反対、新労組結成弾劾を訴えるビラまきとアジテーション、抗議申し入れ行動を行った。
驚いたことに日本教育会館の案内板は「第3回支部代表者会議」とのみ表示されている。「自治労」「社保労組」とも「年金機構労組結成大会」とも書かれていない。自治労本部・社保労組本部は秘密裏に新労組結成大会をやろうとしていたのだ。不採用通知を受けた1千人を排除して自分たち年金機構採用予定者だけで新労組を結成する、裏切り行為を自覚してやっているのだ。また新職場では過去の違法行為や同僚の違法行為の申告が義務とされ、3%賃下げや人事評価・査定強化、諸手当・休暇大幅削減が待っている。労組幹部はこれらを丸のみし組合員に押し付けようとしている。
この裏切りは平口さんと労組交流センターの闘う労働者の怒りに火を付けた。会場に入る組合員に「解雇者を切り捨てるのか。それが組合のやることか。解雇絶対反対で闘え!」という訴えが響き渡った。労働者・労働組合なら誰も否定できない圧倒的な正義の声だ。うなだれて会場に向かうダラ幹連中の一方で、関心を表してビラを受け取る組合員もいる。他の催しなどで会館に来た人たちも関心を示し、数十人が社保庁解体=1千人解雇絶対反対の署名をした。大恐慌・大失業時代、労働者は闘う労働組合運動を切実に求めている。この中で自治労と社保労組の幹部の屈服と転落は際立っている。
大会が始まる前、平口さんが申し入れ行動に向かった。社保労組の幹部らは、平口さんが議場前で「不採用者を排除せず労働組合に入れろ」と申入書を読み上げ始めると、慌てて「他の客に迷惑だから静かにしろ」とわめき出し、まともな理由も言えず、力ずくで排除しようとしてきた。
平口さんは排除策動をものともせず、断固として最後まで申入書を読み上げ、社保労組に突きつけ、受け取らせた。傍らでは自治労本部の軍司輝雄副委員長もこの一部始終を見ていた。自治労本部の指導下で不採用者を排除しているのだ。
自治労本部・社保労組本部は小沢・鳩山=民主党・連合政権と一体であり、数百人の分限免職者が出て長期の解雇撤回闘争が起こることを恐れ、圧殺しようと躍起になっているが、いくら闘争圧殺を試みようと、首を切られる労働者の怒りと決起を抑え込むことはできない。
連合・自治労本部・社保労組本部は鳩山政権の平野博文官房長官、長妻昭厚労相らと、分限免職者の闘いの爆発を未然に抑え込もうと連日協議してきたが、12月1日の長妻厚労相発表の処遇方針の受け入れで決着した。
不採用通知を受けて現在再就職先が未定の約520人のうち、①懲戒処分歴がない約200人を対象に、年金機構の非常勤職員(任期1年、最大7年)として170人程度追加採用する②懲戒処分歴のある約320人を対象に、厚労省の非常勤職員(雇用期間2年3カ月)として200〜250人を公募する(民間と同列に)③22人の「ヤミ専従」経験者は応募を自粛させる——という屈服的合意だ。自治労は、政府の官民人材交流センターの求人や自治労自身による再就職あっせんで雇用確保は可能という。要するに不当な解雇と一切闘わない、闘いを見捨てるということだ。
一方、当局との交渉で現在1万人以上いる非常勤職員の雇い止め期日が当初の12月28日から12月31日に延長された。厚生年金は継続されるが、年末雇い止め・解雇には変わりがない。
全国の自治体労働者、社保労働者は職場で体制内指導部と対決し、「社保労組解散反対、新労組の不採用者排除弾劾、分限免職・雇い止め解雇絶対反対」の声を上げよう。解雇絶対反対闘争を組織し、国鉄1047名解雇撤回闘争に続こう。