2009年12月 7日

検修外注化絶対阻止・JR体制打倒へ 革共同国鉄委員会

週刊『前進』08頁(2419号3面1)(2009/12/07)

検修外注化絶対阻止・JR体制打倒へ
 暴処法粉砕した勝利うち固め1047名解雇撤回を貫こう
 青年を組織しJR総連解体を
 革共同国鉄委員会

 11月27日に開かれた国労5・27臨大闘争弾圧裁判の判決公判で、5・27被告団は歴史的な勝利をかちとった。東京地裁は、暴力行為等処罰法を適用できず、「共謀」も認定できないところに追い込まれた。被告団と弁護団の不屈の闘いは、弾圧にかけた敵の狙いを根本から打ち破ったのだ。1047名解雇撤回、検修全面外注化絶対阻止・JR体制打倒の決戦へ、巨大な突破口は開かれた。われわれは満を持して、国鉄分割・民営化に革命的に決着をつける最大の決戦に突入する。

 5・27弾圧を打ち破った被告団の感動的な勝利

 5・27臨大闘争弾圧裁判で、被告団は検察がもくろんだ懲役刑を完全に粉砕した。暴処法と共謀認定は打ち破られ、向山和光被告には無罪判決が下された。その一方で東京地裁は、国労組合員の6被告に罰金刑を言い渡した。未決勾留日数との相殺で実際には罰金もゼロとなる。実質的な無罪判決だ。にもかかわらず、東京地裁はあくまで被告を有罪にするという政治的意図に基づき、この判決を下したのだ。
 だが、こんな反動に被告団は微動だにしていない。罰金判決は、被告の怒りをかき立て、さらなる闘いへのあくなき意志を強めただけだ。
 暴処法を粉砕した勝利は限りなく大きい。権力が労働組合解体法である暴処法を持ち出してきたのは、被告団を先頭とした国労共闘が、4党合意粉砕の闘いを牽引(けんいん)し、1047名闘争の主導勢力として登場しつつあったからだ。
 権力は、暴処法を振りかざして被告団と国労共闘を転向させ、それを突破口に1047名闘争を解体しようと企てた。だが、被告団は転向を拒否し、暴処法を発動した敵の狙いは根本的に崩れ去った。それだけでなく、被告団は弾圧との闘いをとおして、1047名闘争の主導勢力として自らを打ち固めた。戦前戦後をつうじて、暴処法弾圧をこれほど見事に打ち破った例はほかにない。
 この勝利は、国鉄分割・民営化に対し人生をかけて立ち向かってきた被告の労働者魂とその闘いの正義性が、権力を圧倒したことによってかちとられた。羽廣憲被告は1047名被解雇者の一人であり、他の国労組合員の被告たちも、国鉄分割・民営化以降、長期にわたり鉄道本来業務を外されて不当配属を強いられた。その被告たちにとって、闘争団員を統制処分にかけるために開かれた02年5月27日の国労臨時大会は、とうてい許せるものではなかった。だから被告たちは、国労本部を渾身(こんしん)の力で弾劾したのだ。
 被告人質問や最終意見陳述で、5・27決起の正義性と自己の闘争史を縦横に語りきった被告団の闘いは、裁判所をとことん追いつめたのである。
 この勝利はまた、被告団の完全黙秘・非転向の闘いによってかちとられた。敵権力との一切の妥協を拒否した不退転の闘いが、敵の攻撃に破産を強いたのだ。
 さらに、被告団が08年2月22日に旧弁護団を解任し、同年5月に松崎被告との弁論分離をかちとったことも決定的だった。この壮絶な決起によって被告団は、動労千葉の闘いを否定し、4者4団体路線のもとに被告を組み敷こうとした旧弁護団の体制内思想を峻拒(しゅんきょ)した。
 旧弁護団は、裁判所に頭を垂れ、弁解を並べることによって「無罪」をこいねがう路線をとっていた。現に、松崎被告の裁判は、国労本部を一言も弾劾せず、自分が4者4団体派の一翼にあることを必死で検察官・裁判官にアピールするものに転落している。その対極で、被告団は階級的原則を貫く裁判闘争を展開した。その闘いが、暴処法と共謀認定を打ち破ったのである。
 この勝利はまた、11・1労働者集会に結集した5850人の団結が実力でもぎり取ったものだ。11・1労働者集会に結集した5850人は、あらゆる体制内派との激突を貫いて日比谷野音に結集した。その力が、「闘っても勝てない」「非妥協的闘いは敵の攻撃を誘発するだけだ」という体制内派の屈服思想を打ち砕いた。被告団は、団結して闘えば勝てることを実証したのだ。
 暴処法と共謀認定を粉砕した被告団の勝利に、JR資本も4者4団体派も色を失っている。懲役刑の判決を期待し、それを口実に被告の解雇を狙っていたJRが、新手の攻撃を繰りだしてくることも避けられない。被告団は、この策動との激烈な攻防に入っている。
 被告を公安警察に売った国労本部を今こそ打倒し、国労を階級的な労働組合に再生しよう。
 被告団は、4者4団体路線に断を下して、1047名の解雇撤回を貫く不動の決意を固めている。この被告団とともに勝利の道を突き進もう。

 4者4団体は完全破産 われわれこそ主流派に

 被告団が実現した歴史的勝利の対極で、4者4団体の政治解決路線は、今や完全に破産した。彼らが11月26日に星陵会館で開催した集会は、このことをまざまざと示した。4者4団体は首相・鳩山と国交相・前原にすべてを託し、「政治解決の最後のチャンス」としてこの集会に臨んだ。だが、鳩山や前原は出席せず、自民党も参加を拒み、4者4団体の思惑はついえ去った。
 にもかかわらず国鉄闘争共闘会議の二瓶議長は集会で、「年内に解決のめどをつけ、来年2月16日は解決確認の集会にしたい」と言い放った。
 4者4団体は、身も心も民主党・連合政権と一体化している。あろうことか彼らは、鳩山あて、前原あて、厚労相・長妻あての署名運動を国労組合員にやらせている。こんな屈辱があるか!
 今、前原が日航の労働者に対してやっていることは何か。1万3千人の首切りであり、現役5割、退職者3割もの年金削減だ。長妻がやっているのは、社会保険庁労働者1千人の首切りであり、分限免職の強行だ。
 大恐慌が進行し、大失業の嵐が吹き荒れる中で、「生きさせろ」の叫びが6千万労働者を揺り動かしている。その時に4者4団体は、首切りの下手人=民主党・連合政権への総屈服を労働者に強いているのだ。
 4者4団体幹部の本音は、年度内にも出されると言われる鉄建公団訴訟の最高裁判決を前に、裁判所の職権和解で1047名闘争に終止符を打ちたいということだ。
 この4者4団体路線への闘争団の怒りが爆発することは不可避だ。この現実は、1047名の全体を獲得する責任をわれわれに課している。それは、1047名を動労千葉派に組織するまたとないチャンスが目の前にあるということでもある。
 11・1労働者集会は、1047名解雇撤回闘争を世界にとどろかせた。われわれは、名実ともに1047名闘争の主導勢力に躍り出る。その最大の決戦が始まったのだ。

 反合理化・運転保安闘争でJR資本に大反撃を

 1047名解雇撤回闘争と、JR東日本の検修外注化絶対阻止の闘いは不可分一体だ。
 JR東日本の検修・構内外注化の提案は、各車両センター(電車区及び一部の運輸区)と、土崎、郡山、長野、大井、鎌倉などの総合車両センター(旧工場)を含むすべての検修職場を対象とする全面的なものだ。
 これが強行されたら、鉄道の安全は徹底的に解体される。国鉄分割・民営化以降、どれだけの下請け労働者が事故でJRに殺されてきたのか!
 先行的に外注化が実施されている総合車両センターでは、修繕されるべき個所が修繕されないまま故障車両が営業運転に回される事態も起きている。そうした欠陥が、車両センターでの仕業検査で発見され、大事故をかろうじて防いでいるのが現状だ。ところがJR東日本は、その仕業検査業務をも外注化しようとしているのだ。こんなことを許したら、第二の尼崎事故、第二の羽越線事故は必ず起こる。
 00年11月にJR東日本は中期経営構想「ニューフロンティア21」を策定し、01年には設備部門の外注化を強行した。その結果、送電システムはガタガタになり、信号トラブルは続発している。
 さらにJRは、02年以来、検修部門の部分的な外注化に着手した。だが、動労千葉は反合理化・運転保安闘争を貫き、その実施を8年間にわたり阻んできた。
 資本は、もうけのためには安全を無視した合理化を平然と強行する。その結果、労働者の命が奪われようと構わないというのが資本の本質だ。事故をめぐる問題は、労働者にとって最も切実な課題であるにもかかわらず、既成の労働運動は「事故は個人の問題」として、資本との闘いを避けてきた。だが、動労千葉は1972年の船橋事故に際し、「責任の一切は当局にある」と言い切って国鉄当局を徹底追及する闘いに立つ中で、反合・運転保安闘争路線を実践的に確立し、今日まで闘いぬいている。資本の最弱点をなす安全問題を追及し、合理化と全面対決する闘いが、動労千葉の強固な団結をつくりあげてきたのである。
 今回の検修全面外注化は、この動労千葉や動労水戸、国労共闘に対する組織絶滅攻撃だ。
 しかも、検修業務は一括して関連会社に委託される。現在、検修部門で働いている労働者は、関連会社への出向を強いられるのだ。ひいては移籍の強要もあり得る。これは、労働者を徹底的に非正規雇用化する攻撃だ。

 JR総連への反乱は不可避

 JR東日本の経営幹部は、労働者の命を奪う攻撃をしかけながら、この外注化施策によって自らの天下り先を確保しようとしている。こんな腐りきった連中が許せるか!
 この検修外注化にJR総連・東労組は合意を与え、その強行実施に向けた実働作業に入っている。彼らが、崩壊の瀬戸際にある資本との結託体制を維持しようとすれば、外注化の最先兵になる以外に選択肢はない。
 JR総連カクマルは、自分の最大の「拠点」であり、資本=カクマル結託体制の「聖域」をなす運転職場を丸ごと明け渡すことまでして、JR資本にしがみつこうとしているのだ。
 これは、一握りのカクマル分子の延命のために、平成採の青年労働者の現在と未来を奪い去ったということだ。外注化が強行されれば、入社間もない青年労働者も含め、出向を強制される。事実、JR東日本は「若年出向も含めて、腹をくくってやる」と言い放っている。
 まともな教育もされないまま、青年労働者は業務に追いまくられ、ひとたび事故を起こせば、その全責任を負わされる。東労組カクマルは、青年労働者をこうした境遇に追い込んだのだ。これへの青年労働者の怒りの決起は必ず巻き起こる。
 すでにJR東日本は「ライフサイクルの深度化」と称して、運転士を駅に強制配転する攻撃に着手している。だが、動労千葉はこれと全面対決する中で、青年労働者の結集をかちとった。
 検修外注化絶対阻止の闘いは、JR総連を解体する決戦そのものだ。その勝利の核心は、平成採の青年労働者を闘いの戦列に獲得することにある。日常不断の職場闘争を貫いてこそ、青年を組織できる。それは、職場の支配権をわれわれが握り、国労執行部を4者4団体派から奪い取る闘いでもある。
 JR総連カクマルは、国鉄分割・民営化を率先推進したファシスト反革命の原点に立ち返り、戸塚秀夫らと手を携えて、松崎明の復権運動に総力を挙げている。国労東日本本部は、4者4団体路線のもと、外注化との裏切り妥結を策している。
 これら一切を打ち倒し、国鉄分割・民営化に革命的に決着をつける時が来た。

 鳩山政権打倒の先頭に立つ

 検修外注化絶対阻止の決戦は、民主党・連合政権と最前線で対決する闘いだ。
 民主党政権は、社保庁解体を強行し、最低でも100人の社保労働者を分限免職にすると公言している。連合と自治労中央はこれを全面的に容認し、一切の抵抗を放棄すると政府に誓った。
 「ドバイ・ショック」で世界大恐慌はさらに深化し、世界経済は奈落の底に引きずり込まれている。その中で民主党・連合政権は、未曽有の財政危機にのたうちながらも、資本救済のための膨大な財政支出を決断した。これは、労働者階級に向かっては大首切りと大幅賃下げ、大増税の攻撃となって襲いかかってくることは間違いない。
 労働者を塗炭の苦しみにたたき込んできた諸悪の根元は国鉄分割・民営化だ。だがわれわれは11・1と11・27により、国鉄分割・民営化体制を打ち砕く勝利の武器を手に入れた。1047名解雇撤回、検修外注化絶対阻止・JR体制打倒へ、総力で決戦に立とう。