市東さん農地問題で集会
“農は利益ではなく人の絆”
市東さん農地問題で集会 成田“24時間化”の動きに怒り
11月22日、千葉市文化センターで市東さんの農地取り上げに反対する会主催による「講演&ディスカッション」が開かれました(写真)。農業・食糧の視点から三里塚と市東さんの闘いの意義をとらえ直そうとする意欲的な企画です。
この中で反対同盟から事務局次長の萩原進さんと、空港会社(NAA)の農地強奪攻撃と闘う市東孝雄さんが発言し、三里塚の現状と方向を示しました。
萩原さんは、前原国交相発言を機に噴出した「ハブ空港」問題を振り返り、成田空港が今でも危険きわまる欠陥空港なのに、無理を重ね机上の計算で発着回数を30万回に増やすために、ウインドシア(突風)問題を無視し、二つの滑走路での同時発着をやろうとしていることを弾劾しました。現在の滑走路は相当傷んでおり、補修工事を深夜11時から翌朝の6時まで行うことをNAAが村に通告してきたとのこと。これは24時間空港化の先取りです。
また東峰神社に植えた木が成長して、またもや「航空法違反だから切れ」とねじ込んできたのです。許しがたいことです。
また萩原さんは、NAAが市東さんに「1億数千万円で土地を明け渡して出ていけ」と迫っていることについて、金額にばかり関心を示す報道にも怒りを向け「市東さんは1本100円の大根を作り続けることで今の不条理な政治の流れを食い止めようと立ち向かっている。その気持ちを理解し闘いを広げてほしい」と訴えました。
市東孝雄さんは、先日の農地法改悪で、第1条の「耕す者に権利あり」や、第6条「不在地主禁止」が改悪されて企業の農業参入に道を開いたことを批判し、「農業は利益追求では絶対うまくいかない。耕す者、働く者に権利がある。この当然のことを訴えていく」と述べました。また自宅と畑を空港の中に囲い込んでしまおうとする「第3誘導路」計画に「寝耳に水のやり方は43年前と同じ」と怒りを表し、「お金ではない。人と人とのきずなこそ宝です。労働者の苦境、基地と闘う沖縄の怒り、八ッ場ダム、アフガン——すべてを私の農地の問題にこめて闘います」と結び、参加者の心を打ちました。
集会は成田市議会議員である足立満智子さんの司会で進められ、日本消費者連盟事務局長の山浦康明さんが「危機に立つ日本農業——恐慌のなかでの農地法改悪」と銘打った講演を行い、千葉県議会議員(農林水産常任委員)の吉川ひろしさんが県の農政動向として農地転用や耕作放棄地の実情を報告しました。また秋田県大潟村農民の坂本進一郎さん、千葉の稲作農民の小川浩さんが発言し、新自由主義政策のもとでFTA推進、農民の放置・切り捨て、農業危機が促進されている現状が語られ、市東さんの闘いが全国の農民にとって死活をかけた対決であることが浮き彫りにされました。発言者と参加者を交えたディスカッションでも率直な論議が行われました。会場では市東さんの畑で取れた作物の即売が好評を博していました。
(投稿・石岡真彦)