“学校の軍事化阻止を” 広島 日米教育労働者が交流
“学校の軍事化阻止を”
広島 日米教育労働者が交流
11月4日、UTLA(ロサンゼルス統一教組)西部地域議長のセシリー・マイアトクルスさんが広島を訪れ、平和公園・原爆資料館を見学した後、夕方からの「日米労働者交流集会in HIROSI
MA」に参加した。11・1全国労働者総決起集会に結集した広島の仲間が総出で迎え、ヒロシマとアメリカの労働者の国際的団結を深めた。
11・1集会のビデオ速報の上映後、広島県労組交流センター、広教組の組合員、被爆者青年同盟が歓迎のあいさつを行い、セシリーさんが40分にわたり迫力に満ちた熱弁を振るった(写真)。
セシリーさんは冒頭、「『原爆』『8月6日』は知っていたが、広島に来た今日、一発の爆弾で広島全域に何が起こったか、心の中でわかった。こうした戦争を起こさないためにも、学校の軍事化と民営化を、ランク&ファイルの力で阻む闘いをやっている」と述べ、現場の様子を語った。「アフリカン・アメリカンの貧しい子どもが多い学校には週に2度も募兵官が来るが、裕福な学校には年に1回のみ」「体育も軍隊のトレーニングキャンプのように行進や敬礼などが組み込まれ、体育の先生も困惑している」「『落ちこぼれゼロ法』は子どもたちと教師を落ちこぼれさせている」等々。本当に日本の学校現場の数段先を行くすさまじい現実だ。しかしセシリーさんはまったく絶望などしていない。力強く、生き生きと教育の民営化・軍事化に対する闘いを報告した。
「現場の労働者が実際に闘う戦略を立てること」「われわれ(指導部)は黙っていない。黙っていることは撤退するということ」——セシリーさんの発言には「いかにしてランク&ファイルを奮い立たせ、団結を組織するのか」という問題意識にあふれていた。また、8月6日に「ヒロシマ大行動」に参加したことで戒告処分を受けた青年教育労働者の倉澤憲司さんに熱い連帯を表明し、「あなたがたはケンジを持っている!」と私たちを激励した。
その後、倉澤さんが、「8・6処分」撤回の闘いや11・1集会への組織化をとおして、体制内本部と対決しながら職場・地域に団結を広げていることを勝利感に満ちて報告した。続いて、8・6ヒロシマ大行動実行委員会、動労西日本の大江照己委員長からアピールがあり、セシリーさんへの質問を含めて参加者から発言が相次いだ。最後は団結ガンバロー、インターナショナル斉唱、そしてセシリーさん伝授のUTLA流(?)の拍手で、なかなか集会が終われない。集会後の交流会も盛り上がり、セシリーさんは「ヒロシマでの出会いと交流をけっして忘れない。この体験をアメリカに帰って必ず伝える」と語った。11・1で切り開かれた国際連帯の地平をさらに打ち固める集会・交流となった。
(広島/S・K)