2009年11月 9日

“社保庁1000人解雇絶対反対” 平口さん先頭に厚労省で情宣

週刊『前進』06頁(2415号5面3)(2009/11/09)

“社保庁1000人解雇絶対反対”
 平口さん先頭に厚労省で情宣

 全国労組交流センター自治体労働者部会は11月2日朝、10人で東京・杉並の社会保険業務センター前に、昼には20人(全社連労組を含む)で霞が関の厚生労働省・社会保険庁前に登場し、11・1労働者集会の熱気と大成功を伝え、「社保庁解体・1千人解雇は全労働者への攻撃だ。首切り絶対反対で闘おう」と訴えた。朝は600枚、昼は700枚のビラが職員労働者に手渡された。
 日本年金機構への不採用通知を受けた1千人のうちの一人、広島・福山社会保険事務所の平口雅明さんを先頭とする自治体労働者部会、全社連労組の鮮烈な登場とアジテーションは、社保庁・厚労省職員労働者の圧倒的な注目と共感を呼んだ。

 長妻厚労相が「不採用」明言

 社保庁解体・1千人分限免職の攻撃は、公務員360万人いったん全員解雇・選別再雇用の道州制攻撃の最先端を行く攻撃だ。長妻厚労相は10月8日、日本年金機構の来年1月1日発足を宣言した。民主党の「社保庁解体の2年間凍結」は選挙向け方便だった。長妻は10月23日、過去に懲戒処分を受けた者は年金機構の正規職員、有期雇用職員に採用しないという自公政権の閣議決定を「見直さない」と明言した。
 一片の不採用通知で分限免職処分に付されようとしている1千人は、懲戒処分歴のある人だけではない。奥田碩・年金機構設立委員会委員長への奴隷的な「誓約書」の提出を拒否した人、一時金返納を拒否した人、人事評価制度を拒否した人、年金機構の正規職員を希望し「1本書き」をした人たちも含まれる。彼らは労働者・組合員としての誇りをもち続けたい、仲間を裏切りたくないという、皆が思っていることをした人たちだ。
 処分歴を理由に不採用とする二重処分。新たに民間から1千人を採用し、分限免職で1千人の現職員を排除する。社保庁解体は国鉄からのみJRに採用した国鉄分割・民営化を上回る攻撃だ。
 不採用通知は非正規職員にも送り付けられた。現在約1万人の非正規職員は選別再雇用で7千人に減らされる。非正規職員は12月28日から失職。当局は12月分の年金保険料を納めない。年金当局が職員の年金受給権を奪う。不正はどっちだ。

 千人切り捨ての新労組設立

 自治労・全国社保労組や国公労連・全厚生の指導部は、年金制度破綻、年金記録問題、「ヤミ専従」問題を使った社保庁攻撃、公務員攻撃、労組解体攻撃に屈服し、労使協定を全部破棄した。当局に全面協力を誓い、働こう運動を組合員に強制している。毎日午後11時前後まで働かされる。休日出勤も多い。労組幹部は当局への協力と引き替えに厚労省職員(地方年金局・保険局・厚生局など1200人の採用枠)に採用されるという。
 社保労組は11月29日に年金機構採用予定者だけで新労組「日本年金機構労組」結成大会を開く。闘争団を「重荷」として抱えた国労の「轍(てつ)」を踏むまいと反動的に総括し、1千人をほうり出そうとしているのだ。また新労組は、年金機構の9ブロック制(道州制だ)に合わせて地方本部制にする方針だ。労組幹部は国鉄分割・民営化時の動労カクマルにならい、当局とぐるになって組合員を犠牲にして自分たちだけ生き残ろうとしているのだ。
 奴隷的恭順を誓って日本年金機構や全国健康保険協会、厚労省職員に採用されたとしても、新職場が何の権利も保障されない労働地獄となることは必至だ。次に来るのは戦争協力・戦争動員だ。
 社保庁解体・1千人解雇攻撃には絶対反対で闘う以外にない。国家公務員の45年ぶりの、それも1千人の分限免職は、日帝の階級支配の破綻の現れだ。1千人の団結体をつくり出し、国鉄1047名解雇撤回闘争に次ぐもう一つの階級的労働運動の軸となる闘いを実現しよう。その闘いは始まった。