2009年11月 9日

11・12オバマ訪日粉砕に立とう 普天間問題はペテン的先送り

週刊『前進』06頁(2415号5面1)(2009/11/09)

11・12オバマ訪日粉砕に立とう
 争闘戦激化-アフガン戦争へ一線を越える日米首脳会談
 普天間問題はペテン的先送り

 米大統領オバマが11月12〜13日に初来日し、13日に鳩山との間で日米首脳会談が行われる。これは世界大恐慌下で、日米争闘戦の激化と侵略戦争・世界戦争への動きを激しく促進する日米帝国主義の強盗会議である。11・8沖縄県民大会では民主党・連合政権と体制内指導部の反動を突き破って、「辺野古新基地建設絶対反対」という労働者人民の怒りと要求が噴出した。オバマと民主党政権への幻想をあおり、それに総屈服する一切の体制内勢力をぶっ飛ばし、11・1労働者集会と11・7〜9訪韓闘争の切り開いた画期的な勝利の地平を引き継いで、11・12オバマ訪日=日米首脳会談粉砕に決起しよう。

 大失業と闘う先端に1047名解雇撤回

 11・1全国労働者総決起集会には全国から5850人が大結集した。韓国、アメリカからの大訪日団に加え、ブラジルやドイツの闘う代表も参加し、さらに滞日・在日外国人労働者も大挙結集した。労働組合と職場生産点を拠点に、戦争・改憲と民営化・労組破壊に立ち向かう新たな革命的出発点が築かれた。その柱に国鉄1047名解雇撤回が国際階級闘争の実践スローガンとして打ち立てられた。これは国際的団結の画期的地平だ。
 大恐慌・大失業との闘いと、派遣法・非正規職撤廃、道州制・民営化粉砕が切迫した一大焦点となる中で、われわれは「国鉄1047名解雇撤回」の旗を真正面から掲げ、11・1にあらゆる怒りを総結集しようと訴え闘った。これは巨大な力を発揮し、“国鉄1047名闘争こそ希望であり、そこに勝利の展望がある”ということが4大産別を始め、多くの労働者に新鮮な感動で受け止められた。連合との最大の対抗基軸である国鉄闘争こそ、新自由主義との闘いの原点であり、プロレタリア革命勝利を開く戦略的な闘いだ。
 11・1組織化の闘いは連合、社民党、日本共産党から、4者4団体、JR総連カクマル、塩川一派にいたる一切の体制内派の屈服と腐敗を、容赦なく暴き出した。特に自民党への土下座嘆願路線が最後的に破産したにもかかわらず、4者4団体派は恥知らずにも民主党政権への幻想をあおり、二瓶国鉄闘争共闘会議議長などは性懲りもなく“11月末の集会に前原国交相と鳩山を呼ぶ。解決の最後の機会だ”と「年内解決」を叫んでいる。
 また、戸塚秀夫・東大名誉教授とともにJR総連カクマル松崎明の「復権運動」の先兵に成り果てた樋口篤三・元「労働情報」編集長は、「鳩山友愛革命に注目を 地域主権国家と東アジア共同体」なる論文で「鳩山・小沢コンビの理念とパワーに期待する」なる主張を展開、1047名闘争破壊を策動している。帝国主義に屈服し革命の展望を失った勢力はここまで転落しているのだ。
 しかし、こんな反動的策動はもう通用しない。労働運動・階級闘争は、今や国鉄分割・民営化の原点に回帰した。動労千葉派・11月集会派が新たに1047名闘争と4大産別決戦勝利の主導勢力として大登場したのだ。

 アフガン−中東侵略で全面支援狙う鳩山

 「今や最もやっかいな国は中国ではなく日本だ」——10月22日付の米紙ワシントン・ポストは、米国務省高官のこの発言を伝えた。今日の日米間の重大懸案である「普天間基地移設」「アフガニスタン支援」「東アジア共同体構想」問題をめぐって、今や日米帝間の危機と矛盾は極限的に高まっている。11月12〜13日のオバマ訪日—日米首脳会談は、日米双方にとって重大な激突点と化している。
 鳩山政権は「緊密で対等な日米同盟」と「東アジア共同体」構想を安保・外交政策の2本柱に据えて登場した。鳩山は10月29日の参院本会議でも「日米同盟の包括的な見直しを行う」と公然と述べ、普天間基地問題での結論先送り=時間稼ぎに加え、日米地位協定の見直しや在日米軍の駐留経費負担(思いやり予算)削減にも手をかけると表明した。
 鳩山と民主党・連合政権のこうした対米対抗的政策を規定しているのは、足元の世界大恐慌情勢だ。世界経済が収縮と分裂を深め、資源や市場をめぐる争奪戦が非和解化し、ドル暴落の危機も迫っている。イラク・アフガン情勢は帝国主義の侵略戦争の泥沼化と敗北を決定的にしている。この中でオバマ政権は、帝国主義大国としての延命をかけて米中主導のG4(米・中・日・EU)を提唱するなど、激しい帝国主義間争闘戦を展開している。
 鳩山の「東アジア共同体」構想は、この米帝の争闘戦に対抗し東アジアへの侵略と勢力圏化を狙う「新たな大東亜共栄圏」構想だ。オバマ政権はこれに激甚に反応し、10月20日に来日したゲーツ米国防長官は「(普天間基地移設は)県内移設の現行案が唯一の道」「オバマ来日が期限」「在日米軍再編計画の日米合意を破れば深刻な結果が生じる」と恫喝した。
 これに対し、「普天間県外移設」の公約を掲げて政権についた鳩山は、動揺と混迷を決定的に深めながら、普天間問題の「結論先送り」の一方で、アフガニスタン侵略戦争全面支援に踏み込むことをもってオバマを迎えようとしている。
 こうした日米矛盾と激突の焦点が11・13日米首脳会談だ。オバマも“絶対に失敗できない”と構えてきている。まさにこれは争闘戦と侵略戦争の帝国主義強盗会議そのものだ。

 沖縄米軍基地は即時全面撤去だ

 「政権交代は詐欺だ」「最低でも県外(移設)の公約はどうなったのか」「嘉手納基地統合などもってのほか。沖縄には新たな基地を受け入れる場などない」——8日に開かれた沖縄県民大会は、鳩山政権や連合指導部に対する怒りの総決起となった。
 琉球新報と毎日新聞が行った沖縄県内世論調査では「普天間基地の県外・国外移設」が69・7%、「辺野古への移設反対」が67%にのぼった。県民大会を主催した体制内勢力は、県民大会で民主党政権を尻押ししつつ、沸騰する怒りをなんとか体制内的にとどめようと狙った。しかし、95〜96年以来の激突期に入った沖縄労働者階級の決起は、民主党政権の正体を暴き出し、階級情勢全体を一変させる力をはらんで爆発し始めているのだ。
 日帝の最大の破綻点は、「戦後憲法体制下の労働者支配の危機性と、安保・沖縄問題、すなわち日米安保同盟関係の矛盾と危機にある」(革共同綱領草案)。それは、世界大恐慌のもとでいよいよ爆発点に達しようとしている。この情勢を日本革命勝利へ転化するために闘う時である。沖縄の労働者の決起と結合し、11・12労学総決起闘争に立とう。

 「5・27」の有罪判決策動を粉砕しよう!

 民主党・連合政権は、自民党政権以上に、大失業と賃下げ、戦争・改憲と民営化・労組破壊、大増税と社会保障制度解体を、連合ダラ幹を手先としてやり抜く政権である。
 年末から2月にかけて雇用調整助成金の大量期限切れを迎えるため「2月危機」が叫ばれている。“1千万人大失業時代”への突入が現実になっている。また09年度の税収は40兆円を割り込み、国債発行が税収を上回る史上初の事態に陥るのも確実だ。それは「究極の構造改革」=道州制・民営化攻撃を加速する。10春闘は、かつてない大失業と賃下げ、道州制・民営化の攻撃と激突する一大階級決戦となる。まさにゼネストが必要な情勢だ。そして、この情勢全体が国鉄1047名闘争を階級闘争の焦点に押し上げている。
 労働者の団結と闘いだけが、社会を根底から変える力だ。そして労働組合と職場生産点をめぐる革命と反革命の激突に、プロレタリア革命の成否がかかっている。われわれはこの立場に立ちきり、職場生産点にこだわり、青年労働者を先頭に、資本・権力、体制内勢力との一層の非和解的対決をとおして、職場の多数を獲得し、職場細胞を建設し、闘う労働運動の復権に全力をあげよう。この闘いと結合し地区党建設をさらに前進させよう。
 11・1労働者集会と訪韓闘争の圧倒的な爆発と勝利の地平を引き継ぎ、争闘戦激化と侵略戦争・世界戦争を促進する11・12オバマ訪日—日米首脳会談粉砕闘争に立とう。
 さらに、11月27日の判決公判を迎え撃ち、国労5・27臨大闘争弾圧被告団とともに有罪攻撃粉砕へと総決起しよう。
 獄中35年の星野文昭同志奪還へ、11・28星野全国集会に総結集しよう。
 法大弾圧8学生の年内奪還へ闘いを強め、法大闘争勝利とマル学同1千人建設を切り開こう。11・1集会と訪韓闘争を報じた『前進』を大々的に活用しよう。マル青労同1千人建設を軸に党建設の前進をかちとろう。