都人事委闘争 「不起立で団結」米山さん解雇撤回へ
都人事委闘争 「不起立で団結」貫く
米山さん解雇撤回へ闘い進む
08年3月の「君が代」不起立による戒告処分と解雇(非常勤教員の合格取消)と闘う東京教組の米山良江さんの、処分撤回を求める都人事委員会不服審査請求の口頭審理が7月30日と10月1日の2回にわたり行われた。
都教委-区教委の直轄指導暴く
7月30日は米山さんの意見陳述に続いて、処分時の葛飾区立東綾瀬小学校・本間正校長の尋問が行われた。07年春の卒・入学式では、米山さんが職員会議で「不起立します」と表明して不起立しても、本間校長は不起立を現認しなかったこと、08年1月の職員会議で不起立を表明しても職務命令を出さなかったことが明らかになった。職務命令で起立を強制する都教委や三多摩地区の一部市教委こそ異常であることが浮き彫りになった。
その本間校長の態度が豹変(ひょうへん)したのは、米山さんが08年3月19日、都教委に「私もずっと不起立しているが一度も処分されてない。根津さんの解雇は許せない」という要請書を出して以降だった。都教委から葛飾区教委へ、区教委から校長へ、「職務命令を出せ」という指導が行われたことは明らかだ。職務命令を出した経験のない本間校長は、区教委から書式を受け取り、それをもとに職務命令書をつくって米山さんに渡したことを認めた。
卒業式当日の25日は、区教委指導主事3人が式監視に訪れるという、区立小学校では異例な事態になった。指導主事の派遣も、都教委から区教委への指導によるものであることは明らかだ。
「都教委の分断支配許さない」
10月1日は、葛飾区教委の蓮沼千秋指導室長への尋問から始まった。蓮沼室長は、式当日に指導主事3人を東綾瀬小学校に派遣したと証言。この派遣が不起立の現認のためであったことは、式後の校長の米山さんへの事情聴取に3人が同席したことからも明らかだ。
続いて米山さんの本人尋問。85年以来ずっと「君が代」不起立を続けてきたこと、さらに03年「10・23都教委通達」以降、「不起立で闘おう」と呼びかけて不起立してきたことを述べた。
また都教委に「要請書」を出したことについて「私の不起立は見過ごされ根津さんが解雇されるという、都教委の分断支配は許せないとの思いだった」と述べた。
反対尋問に立った都教委の弁護士は「不起立は根津さん解雇阻止のためか、自分の思想信条からか」と迫ったが、米山さんは「都教委の不当な教育支配には従わない。両方が重要です」ときっぱり答えた。
審理では、処分が都教委の強さの表れではなく、教育労働者の勝利の証しであることが示された。11・1集会に大結集し、来春、さらに不起立闘争を拡大しよう。