2009年10月26日

広島 倉澤さん 人事委に提訴 “8・6処分”

週刊『前進』06頁(2413号3面5)(2009/10/26)

広島 倉澤さん 人事委に提訴
 “8・6処分”撤回署名広がる

 原爆の日の8月6日に設定された官制研修(10年目研修)に参加しなかったことを理由に、広島の青年教育労働者・倉澤憲司さん(8・6ヒロシマ大行動呼びかけ人)に戒告処分を発した広島県教委(榎田好一教育長)に対して、大反撃が始まった。10月15日に、倉澤さんと「倉澤さんへの『8・6処分』を撤回させる会」は、広島県人事委員会への不服審査請求と、県教委への抗議申し入れを行った。
 当日朝は県庁舎に「不当処分を撤回せよ」と訴えるビラを配布。抗議申し入れと記者会見には広教組組合員・青年部員、被爆2世、長年8・6ヒロシマ大行動の呼びかけ人を務めてきた広島大学名誉教授の北西允さんら20人以上が集まった。
 抗議申し入れでは、広教組組合員が抗議文を読み上げた。倉澤さんは年休権を侵害した処分の不当を訴え、8・6にあえて研修を設定した県教委を弾劾した。特に多忙化の中で「処分書を取りに来い」と言ってきた市教委を強く弾劾。98年「文部省是正指導」以来、教育現場もそっちのけで不起立闘争弾圧と組合破壊に総力をあげた県教委への怒りを爆発させた。
 反戦被爆者の会・下田礼子さんは「被爆地の教師が被爆の日に8・6ヒロシマ大行動に参加することが悪いなどと言うことは、被爆者の平和運動をつぶすこと。そのことの方が不当です」というメッセージを寄せ、被爆2世は「この処分はヒロシマと全世界の反戦反核を闘う労働者への挑戦状だ」と迫った。
 その後に行った「倉澤さんへの『8・6処分』を撤回させる会」の会合には、県内を物販オルグ中の動労千葉執行委員・高石正博さんも駆けつけて倉澤さんを激励した。
 倉澤さんへの処分に対し、広教組本部は「個人的な問題だから組織としては取り組まない」と言っている。一人の組合員への処分を全組合員への攻撃として団結して闘うのが労組ではないのか。しかし現場組合員は「こんな処分は絶対に許せない」と、処分撤回署名に続々と応じている。
 処分撤回の闘いをとおして組合員の積年の怒りを爆発させ、教育労働者の11・1結集のバネにしよう。オバマに「ノーベル平和賞」、闘う青年教育労働者には「処分」という許しがたい現実を全国、全世界の労働者に暴き、世界戦争情勢のもとで焦点化する核とヒロシマをめぐる攻防に勝ち抜こう。
 (広島R・H)
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