免許更新制は即時廃止を 民主党改革案をつぶせ!
免許更新制は即時廃止を 民主党改革案をつぶせ!
現場の力で日教組本部打倒へ
鳩山政権の教育改悪が明らかになってきた。道州制の推進と一体で、教育労働者に大量首切りと、極限的な長時間労働・強労働、賃下げを強いる攻撃ばかりだ。
大量首切りと国定教師づくり
教員免許更新制がついに廃止に追い込まれた。免許更新制は今年度に本格実施が始まったばかり。しかしこの夏、免許更新のための大学講習はガラガラ、39大学で228の講習が中止になるという惨状だった。日ごろから地獄のような長時間労働と労働強化を強いられている教育労働者が、更新研修を事実上「ボイコット」し、その力が、免許更新制度を完全に粉砕したのだ。
しかし問題なのは、代わって導入されようとしている民主党免許改革案が、更新制をも超える極悪の労働者首切り制度だということだ。
民主党案は「法令に故意に違反」「非行」を理由に、文科相による現職教員の「教員免許の取上げ」を明記。これではストライキ参加も不起立でも、免許状取り上げによる失職が可能になる。現役教員も、新制度に伴う検定試験に合格しなければ免許を奪われる。試験を実施する教育委員会による恣意(しい)的な選別と排除は容易になる。
これから教員免許を取得する者は、大学院の修士課程を修了しなければ取得できない。しかも「特別の奨学制度を設ける」というが、戦中の師範学校のような「国定聖職者教師」づくりを狙うものだ。
「全国学テ廃止」実質は参加強制
「全国一斉学力テスト廃止」も、内容はとんでもないものだ。
「全員調査から抽出調査に切り替え『希望参加方式』を併用」「4割実施」「希望参加の場合、模範解答を元に学校ごとに自己採点を行う」ことで「20億円削減」と宣伝している。
しかし07年度から実施されてきた全国一斉学力テストは、これまでも地方自治体に参加の法的義務はなく、「希望参加」と言いながら全国で強制実施されてきた。抽出調査とは一般的には1%でも0・5%でも十分なのに、それを4割にするのは、実際はすべての学校に「希望参加」を強制するためだ。自治体が「希望参加」を決定すれば、各学校に押しつけられることに変わりはない。
違いは、これまで国が金を出してベネッセなどの民間企業にやらせていた採点業務やデータ比較を、現場労働者に押し付けることだけである。長時間労働にあえぐ現場の教育労働者にさらに労働強化を強いながら、学校間競争と格差をますます拡大するものだ。
許せないのは、日教組本部がこれらの教育改悪を率先して推進していることだ。10月14日、日教組委員長・中村譲が文科相・川端達夫を「表敬訪問」した。その場で中村は、民主党の教員免許改革案に賛同を表明し、日教組全国教研集会への出席を要請した。
日教組本部が文科省と一体で教育労働者への攻撃を担うことの表明だ。
文科省と一体化する日教組本部
さらに中村が川端に提出した12項目の「要請書」のうちの1項目は、「教員免許制度については、教員の専門性向上につながる養成・採用・研修一体とした抜本的改革を行うこと。また、それに伴い、教員免許更新制については、早期に廃止すること」。つまり「教員免許更新制の即時廃止」ではなく、“更新制の代わりに民主党案を早期に成立させよ”という要求だ。
教育労働者は11・1集会に集まり、「鳩山政権打倒! 日教組本部打倒」に立ち上がろう。